煌めく水面のように Portia fading – インタビュー

Portia fading

 2012年4月の結成から都内を拠点に地道に活動を続けている、Portia fading(ポーシャ・フェイディング)というバンドがいる。何気なく彼等のBandcampで「In Thousand Lights」という曲を試聴したことをきっかけに、僕は彼等にのめり込むことになったのだが、エモやポストハードコア、ポストロックを資本にして奏でる透明感と浮遊感をまとうサウンドは、独特の味わいを持っている。中性的な魅力を放つヴォーカルや美しいギターの音色が生み出す艶やかな叙情、繊細な中に感じさせる芯の強さはバンドの特徴だろう。そんな彼等の旨味を存分に引き出した1stアルバム『breath flows caressing a lips pour saliva』は興味深い作品であった。

 そんなPortia fadingに対して今回はバンドの結成からこれまでの歩み、2014年8月下旬にリリースされた1stアルバム『breath flows caressing a lips pour saliva』についてのメール・インタビューを試み、メンバー全員から回答を得ることができた。情報が少ないが故に、ベールに包まれている感の強いPortia fadingだが、今回のインタビューを含む特集記事で多くの方に存在を知っていただければ幸いである。快くインタビューに応じてくれた彼等にしても、その想いが強いはずだ。


Portia fading – interview

―― 結成は2012年4月とのことですが、結成のいきさつから今までの経緯を簡単に振り返っていだたいてもよろしいでしょうか。

谷岡 龍一(Vo/Gt):以前やってたバンドが解散してしまったのを期に、まだまだやりたいことがあったのでレコーディングのために始めました。最初はメンバーも固定ではなく、プロジェクトに近い状態だったのですが、当初からいてくれた池田、その同級生の多田、メンバー募集で知り合った時吉が揃ってバンドとなりました。

池田 優貴(Ba):友人の紹介で始めは軽い気持ちでしたが、谷岡の作り出す世界観に惹かれました。高校の頃に組んでいた多田と今でもバンドができていることも感慨深いです。ドラムの時吉が加わり、バンドとして形になってからは2年ほど経ちますが、マイペースに活動しております。

多田 昇平(Gt):僕は2011年から2012年にかけてカナダにいたのですが、向こうにいた時に高校のころ一緒にバンドやってた池田から「今やってるバンドでギター弾かない?」と連絡をもらったのがきっかけです。デモ音源をもらって”ビビッ”ときたので帰国してからでもよければ、という話をしたら大丈夫とのことでした。その後、帰国してからスタジオに入り、人柄等を含めて楽しそうだなと思い加入を決めました。

―― バンド名「Portia fading」の由来や意味などを教えて下さい。

谷岡:【Portia=ポーシャ】はシェイクスピアの「ヴェニスの商人」に出てくる登場人物からとりました。男装して婚約者を試すシーンがあり、それがなんか良いなあって。フェイディングは語呂ですね。

Portia fading

―― Portia fadingは音楽的にエモ、ポストハードコア、ポストロックといった言葉が当てはまるものだと感じていますが、結成当初からこういった音楽を目指していたのでしょうか?

池田:この手のジャンルには全く詳しくないというのが正直なところですが、だからこそ自分に果たせる役割があるんじゃないかなと思うようにしています。ジャンルというよりは、谷岡の描く世界を自分なりに解釈して、それを崩さないように自らの色を足せたらいいなと。

多田:僕がデモを始めて聴いたときにまず頭に浮かんだのがdownyでした。主に浮遊感と谷岡の声によるものが大きいとは思います。初めてスタジオに入ったときに彼に「downyは好き?」と尋ねると「知らない」とのこと。これには驚きました(笑)。基本的にあまりジャンルを気にせずやっているので、これっぽくしたとかあれっぽくしたいとかはないような気がします。この曲のこの部分のこんな雰囲気を出したいってのはありますが…。

 「故にこんな音を目指している」というのはバンド的にはないかもしれません。個人的にはやはりdownyが大好きなので、影響されている部分は大きいかと思います。ただ、谷岡と僕が共通して激情系ハードコアが好きで、激しい曲中に切ない感じとか、情けない感じとかを感じる音楽が好きなので、その感じを出すことに関しては似たような認識があるかもしれません。しかし、基本的には谷岡の作る曲の雰囲気をいかに壊さずに自分の色を出すかという点に重きを置いています。

谷岡:downyやRadioheadの名前はよく出て、試聴したら確かに共通点もあるし、偉大なバンド達と比べてもらえて光栄ではあります。ただ、比較に出てくる多くのバンドと私達では方向性が違うような気はしてます。ちゃんと聴いてないのではっきりとは言えませんが、彼らはバンドの”音像”が音楽の中心になっていて、私たちは”メロディ”や”歌”が中心になっていると思います。だから凄いな、とは思うけど「聴きたい!」とは個人的にならなくて。バンドをスタートさせた時から”良いメロディのある音楽”という焦点は変わっていません。

―― ちなみにメンバーの方々はどのような音楽に影響されてきましたか?

多田:みんな本当にバラバラですが、個人的な話しをするならば、カラッとした音楽よりはどこか影を感じるような音楽を好みます。ここ何年かでよく聴くのは激情系だったり、いわゆるポストロックと言われるものが多かったのですが、最近ではエレクトロニカとかアンビエントばっか聴いています。ただ、ここ最近で一番良かったライブはダントツでPolarisですかね。このバンドをやるにあたって個人的に影響が出ているのはdowny、 Explosions In The Sky等のバンドだったり、アイスランド周辺のバンドだったり、Engine DownやDenaliなんかも影響が強いかと思います。暗いけど、なんか切ない、そして懐かしい感じが理想です。

池田:ASIAN KUNG-FU GENERATION、ACIDMAN、COCK ROACH、KISS、TOOL、矢井田瞳などなど。最近は私立恵比寿中学にハマってます。

谷岡:色んな音楽を聴きますけど、Avril LavigneやTaylor Swift、Lana Del ReyのようなSSW系は再生回数のケタが極端に違うかも!あとThe Sundays!初めてシングル盤も集めたアーティストで、B面の曲まで凄いんです!

時吉 清一(Ds):Led Zeppelin、Blankey Jet City、Muse、Miles Davis、Number Girl、A Perfect Circle、The Vandals、TM Networkです。

falsepregnancy portiaf

―― 1stフルアルバムの話に移る前に、2年前に発売された2枚のEPについても伺わせてください。まず1st EP『false pregnancy EP』は、今のバンドの骨格が見える作風ですが、自身ではどのような作品と捉えていますか?

谷岡:1曲目の「True Archer」はこのバンドの最初にできた曲で、非常に難産でした。けれども、この曲がバンドのある方向性みたいなものを教えてくれて。あとの3曲は3日間で曲順通りにぽいぽいと出てきて、そのペースは私にとっては驚くほど早かったので、何か運命的なものを感じたのを覚えてます。

 当初は何曲入りの作品になるのかは、わかりませんでした。4曲が揃った時に「入る曲はもう無い」という感じもありました。しかし、レコーディングに入るとまるで完成させまいという力が働いているかのように、録音したものが消えたりするなど様々なアクシデントが起こり…。完成に時間がかかってしまいました。そういった点も含めて何だか不思議な思い出のある作品です。オリジナルメンバーは池田と私のみで、他に2人のドラマーが叩いています。

―― 続いて、1か月後に発売されたバンド名を冠した2nd EP『Portia fading』についてもお聞かせください。こちらは1曲目「I remember when the story was mine」がハードコア色が強かったり、5曲目「Decode」はアコースティック色を出したりと振り幅のある作品となっています。こちらのEPはどうでしょうか?

谷岡:『false pregnancy EP』が完成に苦戦している間にできた曲が入っていて、時間軸的にもレコーディングを同時並行させる場面があったので、2枚のEPは発表の間隔が近くなりました。音楽面で特に意識した変化はありませんでしたが、この頃から曲を作る上で「これ以上明るくしない/暗くしない」「これ以上激しくしない/静かにしない」という基準みたいなのを意識するようになりました。それはバンドの可能性を狭めるものかもしれないけど、バンド名の響きとか雰囲気で何か損ねたくないものがありました。

 制作は池田と私、そしてここから正式加入した時吉の3人で行いました。まだお互いの相性に慣れていないうちに録音を進めたので、作品はぎくしゃくとした音になりましたが、楽曲面では前作から自然な流れのように感じていて満足しています。

breathflows

―― その流れを踏まえて、1stアルバム『breath flows caressing a lips pour saliva』について伺います。まずはリリースしたことについての率直な感想をお願いします。

多田:色んな方から反応があってうれしい一方、もっと多くの人に聴いてもらいたい、というのが正直な感想です。自分達にできることはすべて詰め込めたと思うし、自信もあります。もちろんすごくお金がかかった高級な音楽の持つような魅力は無いかもしれません。けれども「自分達のこだわり」をしっかりと出せたと思います。とにもかくにも自分が加入してから初めてのしっかりした音源をアルバムとして出せて、とても満足しています。

時吉:確かに達成感もあり、けれど物足りない感もありますな。

池田:手応えありです。他人に勧めるには、まず自分が良いと思わないと失礼だと思ってるので、そんな作品ができて良かった。とにかくたくさんの人に聞いてもらいたいです。褒めるなり、けなすなりされたいですね」。

―― アルバムの制作はいつ頃から始まったのでしょうか?

多田:制作時間的には結構短かったかなと思います。「そろそろ音源を作りたいね」って話になったときに「In Thousand Lights」を含むデモが谷岡から送られてきて、すごく興奮したのを覚えています。初めは三曲くらいのリリースを考えていたのですが、谷岡のストックも増えていったので、じゃあアルバムにしようと。曲の追い込みからレコーディングまでは正味一ヶ月くらい。そこから紆余曲折あって完成までには時間がかかりましたが…。レコーディングは年末年始に一気にやりました。みんなでピザなどを注文しながらリラックスしてやりました。

谷岡:楽曲の準備期間をいれるともっと長いのですが、レコーディング自体は年末年始に集中しました。ちょうど2月にAvril Lavigneの来日が決まってて、なんとか間に合わせたい!という私の希望をみんなが最優先してくれたのが理由です。おかげで完成品ではないけど、CD-Rをスタッフの方に渡せました(笑)。

――  1stアルバムについては、音楽的にテーマやコンセプトを設けて制作されたのでしょうか?また、合わせてアルバム・タイトルやジャケットについても教えて下さい。

谷岡:特にテーマやコンセプトはなかったですが、個人的には楽曲を作ってる時期に19年間いっしょに過ごした愛犬が亡くなったことの影響があったと思います。タイトルや歌詞で直接そのことを書いてるものはありませんが、曲調にはある傾向が出てます。特にアートワークは初めて「これを描きたい」という強いイメージが湧いたので、1から全部やり直しました。

多田:「コンセプト」と言えるかはわかりませんが、今回はマスタリングとCDのプレス以外はすべて自分達でやりました。”自分達の力だけでどれくらいのものが作れるのか”というのを試したかったのもありますが、”自分達の色や個性をしっかりわかってくれる誰かにレコーディングをしてもらう”ということが非常に難しい気がしましたし、”みんなで気楽に、でも、こだわってやるのがいい”と思ったからです。

谷岡:確かに! 編集ソフトを誰も使えないというのもあるけど、補正等を加えてないMTRで録音したままの音だから。そういった揺らぎや不完全な部分にもバンドの音を作るメンバーの個性がちゃんとあると思うし、これからも補正等は行わないと思います。PCで音楽を編集するの難しそうっていうのも本音ですけど…。

Portia fading

―― 本作でも90年代エモであったり、ポストハードコアであったり、ポストロックであったりがリンクして個人的に表現するのが一筋縄ではいかないものだったんですが、中性的な魅力を放つ谷岡さんのヴォーカルやギターを中心とした叙情的なサウンドにとても惹かれました。この辺り、バンドの武器として意識しているのでしょうか?

時吉:もちろん!

谷岡:メンバーそれぞれの個性が強みになってるとは思います。例えば時吉のドラム音には常に荒っぽさみたいなのがあって、曲調に合わせて流麗なドラムを叩く人だったら「Hurt Skips」辺りは、もっとしっとりした曲になってたと思います。でも、そういったメンバーの個性がアルバムのいたる所でバンドの音を作っていて、それが私は大好きで。全ては偶然だったのですが、今はそれが武器になってると思います。

多田:まず第一に谷岡の持つ雰囲気と声が一番の魅力かと思います。そこにバックボーンのバラバラなメンバーの色が加わることで、結果としてバンドの武器として全体が機能しているという印象です。

―― ちなみに楽曲はどのように制作されていますか?

多田:基本的に谷岡が持って来るデモをみんなで形にしていきます。デモの段階でかなり出来上がっていることも多いです。

谷岡:デモはただ指がおもしろいギターコードを探し当てるまで待つ感じです。ピンとくる押さえ方が見つかったら発展させて、そこにメロディを乗せていく。できるときは数時間で全体像までいくのだけど、ずーっと出て来ない時もあって。お腹の調子みたい(笑)。

―― 歌詞についてもお話を聞かせてください。Portia fadingの曲は英詞ですが、どういったことを歌っているのですか?

谷岡:もともと歌詞の内容を知られたくなくて英詞にしてたところはあります。気負いなく自由に書いたせいで、特定の物事やメッセージを持ったものはあまりないのですが、”あきらめたくない”っていう気持ちはどの曲にもあったかもしれません。大切な人に何も言えなくなったら悲しいから、どれだけ心が死んでしまっても最後の少しは誰かの為に人として生きることをあきらめたくないなっていう感じ。

―― ここでセルフライナーノーツのような感じで、1曲1曲について語っていただいてもよろしいでしょうか?

1. Sleep Like Coma
池田:Coma(=昏睡)ということで、意識が深く底まで沈んで行くような感覚を表現しようとした結果、全体を通してああいった音やフレーズになりました。バンドとしてもギターはキラキラふわふわとしているので、「低音」を大事にしていきたいです。

時吉:リズム隊の空気感とか間が重要な曲だと思います。

多田:個人的にはdownyの「アナーキーダンス」に影響受けまくっている曲です。一聴するだけではリズムがわからないようなのが理想です(笑)。

2. In Thousand Lights
池田:この曲ができあがった時に初めて、メンバーそれぞれの個性がガチッとはまったような気がしました。

多田:この曲が個人的に一番好きで、激しさと情けなさみたいなのがうまく共存できているんじゃないかと思ってます。途中の曲の雰囲気がガラッと変わるところが好きです。

谷岡:映画「塔の上のラプンツェル」のランタンを夜空に浮かべるシーンを観た時に溢れた気持ちと同じ感覚を表現したかったです。

3. Hurt Skips
池田:5曲目の「Un peu」にも感じられるようなアンティークさもこのバンドの特徴だと思います。ホコリをかぶったような、クモの巣がかかったような(笑)。

時吉:スロウかつ歌が前に出るように意識して叩きました。Portia史上一番しんどかったです。

多田:僕だけかと思いますが、初めてデモを聴いたときにElliott Smithみたいだなと感じました。あのやるせない感じを出せたらいいなと思って作りました。

4. Half That Halve Me In
谷岡:作ってた時、デッサンの狂った薔薇のイメージがずっと浮かんでました。そういうのがどこかに危うさとして残ってたらいいな。

多田:このアルバムでは異色なイメージです。それでも谷岡っぽいと言われればそうなんですが(笑)。間奏なんかでは中東とかの異国感をイメージしています。

5. Un Peu
谷岡:後付けだけど、感情の移り変わりみたいなのを上手く表現できた気がして気に入ってます。

時吉:イントロ、Aメロからドラムの全タイコを使ってリズムパターンを作ったりと、Portiaの新しい可能性が見えた気がします。

多田:この曲がアルバムのキーなような気がしています。比較的短い曲中にバンドの色がしっかり出ている気がします。これの間奏のクリーンのアルペジオの掛け合いがお気に入りです。

6. Doppelganger
時吉:ボーカルの邪魔にならないかつ主張のあるタム回し、イントロなどほんの少しジャズ要素を入れたつもりでした。

多田:これも比較的異色なイメージですが、あえていうなら異国感を出せていればという感じです。

谷岡:どのパートもゆらゆらしてて、夢の中にぬるっと入ってきた薄いピンク色の変な生き物みたいなイメージになりました。

7. Ruins Of Lion
池田:間奏では思い切ってエスニックなフレーズを入れてみました。遺跡の中へ突き進んで行くイメージで曲が盛り上がっていきます。個人的には探検気分で聴いて欲しいです(笑)。

時吉:間奏~サビ~アウトロまでの波が、全体的にすばらしいと思います。個人的にPortiaの曲で最も完成度が高いと思います。

多田: 初めからこれは「最後の曲っぽいな」と思って作っていました。1:40くらいからの展開がすごい好きで、自分ではちょっとExplosions In The Skyっぽいなとか思っています。

 
―― 1st EP~2nd EPの頃と比べ、このアルバムでどう変化/成長したと自身では捉えていますか?

谷岡:初めてオリジナルメンバーで作った作品だから、1stアルバムはバンドの最初の第1歩!という感じです。個人的には10年間ずっと作りたかったものに最も近づけて嬉しかったです。

池田:以前は谷岡の用意するデモがほぼ完成系だったので、その通り弾こうという意識が強かったですが、本作からは割と自由にやらせてもらってます。上手く交わっているかどうかは別として、メンバーの個性が良く出ているのではないかと思います。

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―― ここでちょっと幅を広げる形で伺いますが、これまでリリースした3枚の音源でメンバー自身が気に入ってる曲、オススメしたい曲、制作に苦労した曲などあれば教えて下さい。

多田:個人的には「True Archer」でしょうか。すこしゴリっとしたAメロから切なさ爆発のサビに流れるように展開して行く曲です。あと、ライブではやったことがありませんが「I remember when the story was mine」という曲は、いつかやってみたいなと思っています。激情的な激しさと情けなさがよく出ている曲です。

時吉:俺も気に入ってる曲は「True Archer」かな。オススメは「Ruins of Lion」で、苦労したのはやっぱり「Hurt Skips」だな。

谷岡:「In Thousand Lights」が好き。ずっと作りたくて、それがやっと形にできたから。

池田: もちろん全ておすすめですが、強いて挙げるなら「Thinking about the name」、「Ruins Of Lion」、「In Thousand Lights」の3曲ですね。

―― ちなみに1stアルバムのリリースからは2ヶ月ほどが経ちました。周りの反響はどうですか?

時吉:思っていたよりも遥かに高評価でした。感謝感激です。

多田:周りの人が聴いてくれているのに加えて、知らない人にも届いていることを感じて喜ばしく思っています。またこうしてインタビューをしてくれる方がいたり、興味を持ってくれるきっかけになれば最高です。

谷岡:本当に「ありがとう」って言いたいです。感想やレビュー、メッセージにどれだけ救われて日々を乗り越えられたかわからないです。

―― 今のところ、1stアルバムの流通はSTMonlinelonglegslongarms(3LA)といったオンラインショップやディストロ、また自身のBandcampによる配信となっています。そういった中で今後、音源を届けるというアクションで何かお考えはありますか?

多田:これは反省していますが、単純にリリースするにあたってあまり流通のことを考えてなくて。単純に今まで繋がりのあった方や場所に手伝ってもらって今はやっていますが、もっと多くの場所に置いてもらおうという話はしています。海外なんかにも聴いてくれる人が結構いて、そういった面ではデジタル媒体で気軽に聴いてもらうことにも特に抵抗はありません。しかし、フィジカル的に手にとったときにうれしくなるような、そんな物を作って行きたいとは思っています。聴いてくれる人の気分に任せるというか、その辺の入り口は広くしていたいという認識はあります。

Portia fading

―― youtubeで2年前のレコーディング時の映像を拝見したのですが、おもしろいですね。いくつかのライヴ動画もライヴのみでなく、準備している時の映像や楽屋裏のリラックスしている風景までを流しています。この辺りは意識してそういった素の部分を公開しているのでしょうか?

池田:おそらく大体の人が音楽と人柄にギャップを感じるんじゃないかなーと思います。また、メンバーそれぞれの好きな音楽や辿ってきた人生は全く違うのに、こうやって一緒にバンドをやっていることに違和感を感じます(笑)。

谷岡:音楽面では自分達の描きたいことが優先になってしまって、それがとっつきにくいイメージにつながったら嫌だなと思いました。「たくさんの人とおもしろい事を一緒に共有できるきっかけ」がつくれたら嬉しいです。

―― ライヴについてもお伺いします。ライヴを行う上で意識していることはありますか?

時吉:平常心。あと許される範囲で面白いことできないかなーとか。

多田:個人的にはやはり【バンド=ライブ】という認識は強く持っていて、「音源を再現する以上に強く印象に残るものになるようにしたい」といつも考えています。谷岡の世界観を崩さず、それにいかに自分の持っている強みを出すかというところが大切かなと。

―― それを受けて、12月21日(日)に西荻窪FLATにて行われる初企画について詳しく教えて下さい。

時吉:ある意味、初ライブみたいなところが多々あります。我々を音楽的にも人間的にも知ってもらいたい、けれどもゆるい感じで打ち上げなどでも交流を深めたいです。

多田:今までこのバンドで企画というものをやったことが無かったのですが、せっかくならCDを出したし、企画をやろうということになりました。個人的には色んな雰囲気のバンドを呼んで飽きのこないようなライブにしたいなと思っています。西荻窪FLATには別のバンドでもお世話になっていて、友達がやっているような、ブッキングとバンドの距離が近いような感覚がとても好きです。またフロアライブの観客との距離が近いことも個人的には好きです。

―― 最後に今後の展望をお聞きして終わりたいと思います。

谷岡:いつかこのメンバーでTVに出てみたいな。紅白歌合戦で年末過ごすのもいいし、バラエティーとかもおもしろそう!あと皆でいろんなところでライヴしながら旅行したい。

池田:映像も音楽もパフォーマンスも、全てにおいて底上げをしなければと思います。まだまだ発展途上ですので今後とも応援よろしくお願い致します。

時吉: 今までと違う形で曲作りに挑戦したり、ライブも今までと違う展開でできたらいいなあと。あとは演奏の精度を上げる!

多田:基本的にマイペースにやっていますが、せっかく音源も出来たことなのでこのペースを崩さずやっていきたいと思っています。先日海外から「スプリットを出さないか?」という話しがきまして、メンバー一同興奮しています(笑)。まだ寒いうちにリリースできるといいなあと思っておりますが、そこも気負わずにマイペースに進めていければという感じですね。


Portia fading – Disc Guide

 

 これまでにリリースしたEP2枚、フルアルバム1枚の簡易レビューを掲載しています。

falsepregnancy

false pregnancy EP(2012/07/23)

結成からわずか3ヶ月ほどでリリースした5曲収録の1st EP。透明感のあるメロディを重視したエモ~ポストハードコアの路線を当初から貫いており、美しいギターや歌がバンドの根幹を成す。しかし、不穏さやしんみりとした情緒も感じさせ、ややダークな側面も垣間見える。それは#2「True Archer」や#3「Cautions of Love」に反映されている。

portiaf

s​/​t EP(2012/08/12)

2ヶ月連続で発表となる5曲収録の2nd EP。前作と比べて曲調に広がりを持たせた作品で、これまでにないPortia fadingを堪能できる作品となっている。なかでも#1「I remember when the story was mine」は激情ハードコア寄りの激しさが目立ち、彼等の楽曲の中でも特に異色。#5「Decode」もアコースティックな風情を感じさせる柔らかな曲。一番振り幅の大きな作品といえるだろう。

breathflows

breath flows caressing a lips pour saliva(2014/08/21)

約2年の時を経て完成した1stアルバム。よりメロディアスに洗練された作品となっている。クリーントーンのギターを中心に紡がれるサウンド、そして中性的な魅力を放つヴォーカルによる透徹とした美しさ、それでいてブレない芯の強さ。シリアスな風情を持ち込むこともあれど、全編にわたって儚く淡い光に照らされているような感触、心地良い浮遊感があるように思う。1stアルバムにして円熟味すら感じさせるもので、腰を据えてじっくりと噛みしめながら聴きたい作品だ。


Portia fading – Live Information

portialive

 Portia Fading PRESENTS
 1st Album『breath flows caressing a lips pour saliva』 Release Party

 2014年12月21日(日) 西荻窪FLAT
 OPEN 15:30 / START 16:00   ADV/DOOR 1500円

 【出演】
 Portia fading / andsole / Upwife / inthenaMEolove …and more


Portia fading – Links

 

Portia fading

 

  Facebook  : http://www.facebook.com/portiafading
  twitter      : http://twitter.com/PortiaFading
  Bandcamp : http://portiafading.bandcamp.com

 

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