【ライブ感想】2007/11/18 SIAM SHADE LIVE in 武道館 「HEART OF ROCK」 @ 日本武道館

 ほんのわずかな伝説の時が訪れた。

 2002年3月10日、SIAM SHADEは解散をしました。5人が動かす時計は永遠に時を刻むことはない。そうずっと思っていました。しかし、彼等はSIAM SHADEとしての時間を再び刻むことになった。誰よりもSIAM SHADEを愛したチーフマネージャー・中村新一さんへの追悼を込めて。

 この日に初めて行った日本武道館という場所には、緊張感を覚えた。周辺にいるとリハの音漏れが聴こえてきて、あの曲、この曲やるんだ!という事にもなったり。でもそんなのは関係なく、気持ちは昂ぶるばかり。恒例のお花は敬称略でLUNA SEAの面々、Gackt、Janne Da Arc、西川貴教、東海林のり子・・・などから届いていました。

 午後4時開場、アリーナだったのでスムーズに入場。ちなみにアリーナHブロックの60番台でした。

・・・近っ!!!

 実際前から9列目。KAZUMAさんの前辺りの位置でめちゃくちゃ近かったです。こんな席になるとは!神様に感謝。座席は解散ライブのように360度全方向が人で埋めつくされていました。あの時のように武道館記録の15,000人入ってるんじゃないか?と思わせられるぐらいの数の人(翌日の新聞で確認したら13,500人と記述されてました)。

 僕自身、こんなに人の多いライブに行ったのは初めて。解散して5年半も経過しているのにこれだけ多くの人が集まる・・・すごいバンドだったんだなと改めて思いました。

 17時10分ごろ影アナ。今日、特別に影アナを担当したのは淳士氏とも共演した元日本放送アナウンサーの壮口さん。規格外の影アナで凄く盛り上がりました(”以上の事が守れるなら後は思う存分暴れてもよいという事です。待ちきれない方は、立ち上がってメンバーの名前を呼んでも構いません!もう少しで武道館にまた新たな歴史が刻まれます”って感じの)。

 いよいよ、夢の時間がスタート。客電が落ち、当時は音源化されていない「Light for Closed Your Eyes」が流れると歓声が一段と大きくなる。そして、曲の後半でメンバーが一人ずつ登場。全員いる、栄喜もKAZUMAもDAITAもNATINも淳士も!やばい、本物だ。目を疑うような光景。夢の中にいるみたい。しかし、淳士氏は赤いトサカみたいな頭になっててびびりました(汗)

 復活を告げる序曲となったのは誰もが予想しなかっただろう「NO CONTROL」。でも恐ろしいぐらいにハマってる。NATIN「イマジネイショーン!!」の叫びから「Imagination」。2曲ともインディーズのときの曲、もはや今日のライブは何が起こるのか?何を演奏するのか全く読めません。

 栄喜「5年かかりました。SIAM SHADEの栄喜です。今日は俺だけじゃなくて、SIAM SHADEのDAITAもいるし、SIAM SHADEの淳士もいるし、SIAM SHADEのNATINもいるし、SIAM SHADEのKAZUMAもいるんだぜ!」 

 このMCに大歓声があがります。確かに全員がステージにそろっている。この光景を見たかった人がどれだけいたことか。ライブはデビューシングル「RAIN」、そして驚きの「CAN’T FORGET YOU」と続き、KAZUMAのコミカルなロボットダンスで人気の少しエロティックな「Why not?」が続きます。

 大好きな曲の一つ「LOVESICK ~You Don’t Know~」では、SIAM特有のツインヴォーカルの真骨頂が発揮されており、メロディが駆け抜けていく爽快感がたまりませんでした。大合唱、大合唱。

 栄喜「次はみんなが一番愛してくれた曲を演奏します。Dear…」。先ごろファン投票で初日から1位を記録し続けたこの曲「Dear…」が染みます。しかし、次にはベクトルが正反対の猛進の「PASSION」で驚かせる。この曲のギターリフは生で聴くと全身に電流が駆け抜けていくような感覚でした。

 その後、切ないメロディと歌詞が交錯していくヒットシングル「曇りのち晴れ」、ミラーボールによる演出がさらなる叙情感を出したバラード「大きな木の下で」と進む。

 そして楽器陣4人によるインスト「Solomon’s Seal」を演奏。しかも曲間にドラムソロを挟むスペシャルバージョン(前の武道館のLIVEの時の「THE 武道」ですね)。7色にギターの音色が変化していく超絶インスト。目まぐるしく展開していくこの曲はまさに生き物みたいで、鳥肌が立ちました。この日一番衝撃的だったのはここかも。

 DAITA「まだまだいけるかぁー!気合いれてこいよーっ!!」という掛け声から、「GET OUT」。プロレスのテーマソングだったこともありヘヴィな楽曲、クールなメタルナンバー「NEVER END」を挟み、「Shout out」を演奏。この曲では炎が噴出するという特効で、さらに武道館の熱気が高まっていました。

 おなじみのバスドラとベースの音が聴こえる、栄喜が煽りまくる次は間違いない「PRIDE」。もうこの辺りから自分はさらに大きく頭振ってました。サビの「Don’t Look Back!!」でさらに熱量が上がる上がる。テクニカルなギターが印象的な「PRAYER」では鮮やかなギターフレーズに耳を奪われます。そして、これを聴かなきゃ帰れねえ!定番3連発の最後「GET A LIFE」がブチ切れモードのテンションで圧巻。

 栄喜の新一さんへの想いと武道館にいるみんなへ”いつかは死ぬんだから精一杯生きてください、今日、この曲を捧げます”という言葉を贈り、始まった「Life」。僕は今まで何度この曲に助けられただろう。そして数えられないぐらいこの曲を今まで聴いてきた。

 生命の誕生を表すようなイントロ、徐々に人生の階段を登っていく展開、魂に響くヴォーカル、あまりにも切なすぎるギター、情熱的でドラマ性に富んだアウトロと全てが完璧とも思える“人生”をテーマにした壮大なミドルチューン。それをようやく体感できるととの幸せ。

太陽に目を閉じて 永遠を夢にみて
永遠に眠り付く 階段を上るだけ
So faraway So faraway So faraway So faraway
So faraway So faraway So faraway So faraway
So faraway No faraway So faraway No faraway

SIAM SHADE「Life」より引用

 特にここで泣きそうになった。言葉も発することができないぐらいの感動。

 アンコールでは“俺達の飛び道具の曲”という言わずも知れた世間一般で最も有名なヒットシングル「1/3の純情な感情」を演奏。続いてプロ野球ニュースで流れてヒットした「Dreams」。高揚していくメロディがたまらない。”もっと もっと 風を蹴って” は歌詞の一部ですが、発売された当時よく聴いて励まされた中学生の時を思い出す。

 再びのアンコール。KAZUMA氏が側転・バク宙しながら登場した(笑)。猛烈!の一言がよく似合う「D.Z.I」から始まり、イントロでシビれ、コーラスに悶絶する。次はまたお馴染みのドラムソロ、その間にNATINがTシャツ脱いでステージ後方のスタンド1階席に投げ入れる。そして、「Don’t Tell Lies」がやはり最後を飾る。頭振って、拳振り上げて、叫んで、燃え尽きて・・・

 終わって欲しくない、その思いも虚しく2時間強のライヴは終わってしまった。まだ夢から覚めたくなかった。けれども、終わりは必ず来る。ライブ後に会場内に「Dear…」が響き渡ってからは会場全体がずっと歌ってた。

 SIAM SHADEのファンの一体感というものは今まで感じたこと無いぐらいのものがあったし、最後の再びの影アナ「良いお酒で飲みましょう」という言葉が何とも印象深いものでした。

—setlist—
01. NO CONTROL
02. Imagination
03. RAIN
04. CAN’T FORGET YOU
05. Why not?
06. LOVESICK ~You Don’t Know ~
07. Dear…
08. PASSION
09. 曇りのち晴れ
10. 大きな木の下で
11. Solomon’s Seal & Drum solo
12. GET OUT
13. NEVER END
14. Shout out
15. RPIDE
16. PRAYER
17. GET A LIFE
18. LIFE

—encore1—
19. 1/3の純情な感情
20. Dreams

—encore2—
21. D.Z.I
22. Don’t Tell Lies

 演奏の所々で5年間の空白を感じるところもありましたけど、何より感動がそれよりも勝っていたのであまり気になりませんでした。SIAM SHADEを感じることが出来た喜び。夢心地とはこのことか?まだこの夢を見続けたかった・・・。

 全22曲・2時間強という時間、ファンになり6年経ってようやく見ることのできたSIAM SHADEはとにかく凄くかっこよかった。この2007年11月18日は忘られない一日となりました。

正直、何年かに1回はこうして夢を見させて欲しいと切に思いました。まだ見足りない、伝説の時をまたいつか刻んで欲しいものです。

そして締めくくりはやはりこの言葉でなくてはならない気がします。ではまたSIAM SHADEに会える日を願って・・・

蛇!

お読みいただきありがとうございました!
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