2014/10/16 downy 『無題』 TOUR @ 名古屋クラブクアトロ

downy

 ようやくの初downyである。結論から先にいえば、極上であった。2004年の解散後にその存在を知った身ではあるが、彼等がいかに大きな存在であったかを、遅まきながら身をもって実感することができたのだ。あの絶妙なアンサンブルから生み出されるグルーヴ感に揺さぶられ、ひんやりと冷たい妖刀で斬られるような感覚が追い打ちをかける。その緊迫感のなかで、しんみりとした哀愁を漂わせるメロディや青木ロビンの歌声が色を灯す。バックに映し出されるVJもまた鮮やかに視覚に刺激を与えていく。この5人で紡ぎだすdownyという世界、巻き込まれるのに時間はかからなかった。

 序盤では「酩酊フリーク」が幻惑する不穏なリフ、変幻自在のリズムで煽る。そして、リズム隊が叩き出す強烈な推進力と艶やかなキーボードが印象的な「春と修羅」が鮮やかなVJと共に景色を次々と塗り替えていく。もともと演奏に定評があるとはいえ、情熱を音符に重ねながら的確に再現していくその様には驚かされる。当然、彼等の活動休止前のパフォーマンスについてはわからないが、今こうして体感してみても先駆者としての格の違いというのが如実に感じられるのだ。空間も時間も掌握するそのパフォーマンスに終始釘付けである。

 「左の種」や「或る夜」といった変則的でありながらもエモーショナルな衝動を持つ曲には痺れたし、終盤に披露したスリリングな「曦ヲ見ヨ!」のドラム捌きには口あんぐり。楽曲ひとつに込められた情報量が違いすぎて、置き去りにされることも多々あるが、脳も体も鋭い刺激に見舞われる。これぞdownyのライヴの醍醐味だろう。圧巻である。

downy

 それ故に嵐のように時間は過ぎる。いつの間にかラストの曲になっていたが、演奏前に青木ロビンがようやく語りだす。ここで「名古屋、久しぶり。10年数年ぶり? じゃあ、また10年後に会いましょう」という冗談交じりの言葉を残すのが、彼等らしいところだろう。そして、最後に放ったのはファンの中ではお馴染みの「猿の手柄」だ。美しい衝撃が会場を一閃し、圧倒的なギターノイズが鳴り響く中で鮮やかに彼等は去っていった・・・。

 ここで終了になると誰もが思ったと思うが、まさかのアンコールに突入。「初めてだよ」なんて言葉も出たが、彼等はアンコールをやらないバンドとして知られている。それがこんなに客が少ない本日の名古屋公演で初?のアンコールが実現するとは、驚くほかなかった。多分、クララが立った時と同じぐらいの衝撃。「1人が3人ずつ連れてくれば名古屋でも何とかなるから、またすぐ来れるから」とのことだが、集客面でまさかdownyまでもが辺境地・NAGOYAに飲み込まれてしまうとは・・・。

 それはさておいて大ラスに演奏されたのは、「安心」である。音楽性自体が洗練されていった中、バンドの根幹にはハードコアがあるというのを印象づける初期の楽曲だ。変則的で苛烈なサウンドは展開を追うごとに激しさと勢いを増し、青木ロビンの叫びが一層の熱気を放ったところで大団円。圧巻のクライマックスであった。こうして初?のアンコールまで突入したdownyの10数年ぶりの名古屋公演は終了。まるで色褪せず、進化を続けるdownyという強烈な個に平伏した一夜となった。

 

 

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