初参加の愛知県フェス『森、道、市場 2016』

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 格別の空間を提供する愛知県のフェス、「森、道、市場」。海近くのロケーションにキャンプができ、各種出店も多くて自然を感じれるフェスとなっています。いわゆるフジロック文化圏的なもので(あっちは山ですが)、さらに国産インディー寄りといえるでしょうかね。お客さんもそういった感じの人が多かったと思います(家族連れも目につきました)。これまでも行こうと思いつつも面倒くさい気持ちが強くて行きませんでしたが、今回は行こうという思いがそれを上回ったので、ようやく初めて足を踏み入れることにしてみました。

 会場のラグーナ蒲郡までは名古屋駅からそれなりに距離があります。シャトルバスに乗り継いだりしなければいけないから、それなりに時間がかかります。バス待ちの列がそれなりどころではない長さで結構待ちました。乗れたら乗れたで、道もそれなりに混んでて時間がかかりました。やっぱりそれなりどころではなかったわけです(苦笑)。

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 家を出た時間からいろいろ込みで12時手前ぐらいに着ければいいかと思ってましたが、12時40分ぐらいに到着。ラグーナ、施設が整いすぎてて寄り道したくなるところが多々ありました。

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 会場内の雰囲気はまあこんな感じ。まったりゆる~い空気をもちつつ、にぎわってました。砂浜ステージの側でフリスビーやサッカーやってる人も(笑)。

 到着が遅くなったので、蓮沼執太さんのライヴから本日をスタート。彼を含む4人編成で、途中でとんちピクルスさんと坂本美雨さんが1曲参加(とんちピクルスさんは福岡での共作曲、坂本美雨さんは蓮沼さんプロデュースしたアルバムからの自身の曲「Waving Flags」)。「ゆるーく楽しみましょう」という言葉以上には、盛り上がりというのがあったと感じましたが、軽妙で柔らかいサウンドが心地よかったですね。歌とメロディのポップスとしての饒舌さが染み渡るライヴだったかと思います。

 続いて、芝生ステージに移動してCzecho No Republic。ドラゴンボールの曲を担当していたりするバリバリのメジャー・バンド。シンセポップとフェス仕様4つ打ち系な側面に、US/UKインディー感を少し足した感じかな。客をノセるという点では強さがあり、客席も大きく揺れていました。ドラゴンボールに使われている新曲「Forever Dreaming」がある分、(本人達いわく)お子様タイムを設けれましたしね。その中で去年に気に入った曲のひとつである「Firework」が幻想的なムードにライヴ向けの躍動感が加わって良かったです。ただ、全体的にウォー!とかイェー!が多いなとは思いましたが(笑)、それにしてもタカハシマイさんは尊かった。

 そして、ペトロールズ。昼を過ぎて会場全体のお客さんの数もドッと増した感じで遠巻きから見ることを余儀なくされましたが、シンプルながらも味のあるサウンドを持ち味に、大人たちのグッド音楽空間を広げます。3人のアンサンブルは見事であり、間を巧みに活かし、聴かせどころでは洒落て上品に。軽やかな演奏に柔らかい歌声は海風になびくよう。力まなくても丁寧にコーナーをつけば投手は抑えられるみたいな感じすらしました。なかでも最後に演奏された「」があまりにも素晴らしかったのです。

 そのまま砂浜ステージに居残って、前の方で水曜日のカンパネラを目撃しました。後ろのキャンプサイトまで人だらけ。それぐらい注目度高し。途中のMCで言ってましたが、最近の露出が多い人達なので(笑)。

 いきなりの「ラー」でカヌーに乗って登場し、漕ぎながら人並みを掻き分けてステージへ。そのどよめきときたらスゴい。人の数が半端なければ、歓声もこれまで以上に大きく、現れたカレーメシくんも気持ちよく踊っているではないか(笑)。それにしてもコムアイさんのオーラよ。軽やかなラップと奔放なパフォーマンス、フェミニン&セクシーさ。今の勢いを見せつけるかのようです。「シャクシャイン」や「ウランちゃん」「ディアブロ」などを投下し、客とのレスポンスも頻繁に行いながら盛り上げます。

 お待ちかねの「桃太郎」では透明ボール(バランスボール?)に入って客の上を転がっていく(SXSWの時と同じ)。ラストの「ドラキュラ」では海まで行けなかったけど、キャンプサイトまで辿り着いて終了。忘れられない瞬間/光景をどんどん生み出していくそのパフォーマンスはスゴいの一言。コムアイさんは尊い存在でしたが、「愛知県は治安が悪い」とMCではっきり言ってて笑わせてもくれましたよ。

 「今日は愛知県、蒲郡まで・・・。海を割りにきたーっ!。割れるわけないと思ってるだろー。そういう奇跡を見にきたんじゃないのか、お前らはぁー!」

 と痺れることをMCで絶叫してましたが、約1年8ヶ月振りぐらいに見た大森靖子さんのライヴはあまりにもカッコよかった。アカペラの「さようなら」から始まって、アコースティック・ギターの弾き語りで3曲ほど披露し、その後はバンド・セット(ドラムがピエール中野さんだった)でラストの「音楽を捨てよ、そして音楽へ」までの約1時間。もちろん、キュートな部分はあるんですが、彼女の言葉と感情の塊に胸が押しつぶされそうになりました。毒にも薬にもなる情念のシンガー・ソングライター、その切迫したパフォーマンスには本当に心を動かされます。

 バンド・セットでは初めて見たのですが、実力派達が豪華に装飾して、それに後押しされるように彼女が自由にパフォーマンスしている感じがあってよかったと思います。そして、またひとりひとりと対話しているような感覚を覚えたり。「絶対彼女」では女子とオッサンに分かれて、オッサンたちにマイクを渡してサビを次々と歌わしていくプレイも(笑)。さらけ出すというのが彼女の特徴のひとつだと思っていますが、こうしてライヴでその激情を突きつけ、共有できるのが強み。改めて言いますけど、カッコ良かったんですよ。

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 大森靖子さんのライヴを見終えて帰宅。時間帯も大いに関係していますが、帰りはスムーズでしたね。翌日はneco眠るやトクマルシューゴさんなど見たかったですが、今回は1日のみの参加。とても良いフェスだと実感したので、来年も行こうかなと思っています。

お読みいただきありがとうございました!
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