2022/11/30 Buffalo Daughter x Boris with TOKIE「New Rock Universe」@ 名古屋クラブクアトロ

 約30年のキャリアを持つバンドが共闘する。”90年代から現在までインディペンデントでの国内・海外での活動を続けている”という言葉通りの歴史を持つ両バンド。これが初めての共演になるそう。

 Borisがこの日のMCで言っていた通りに22年に発売した『W』と『Heavy Rocks(2022)』のプロデュースをBuffalo Daughterのシュガー吉永さんが務めている(+シングルも含めて3作品)。その縁があってここに繋がったとのことです。

 BorisはTOKIEさんを加えた4人編成で、5月に東京とオーストラリアで行われた初代の『Heavy Rocks(2002)』セットを再現。Buffalo Daughterは98年作『New Rock』と01年作『I』の2023年春にアナログ化を記念したセットリスト(会場では3ヶ月早く現物が買えました)。

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Boris with TOKIE

 約2年10か月ぶりのBorisのライヴ。前回がコロナ禍ギリギリ前の20年2月上旬。the原爆オナニーズ主催のお年玉GIGでGASTUNKを含めた三つ巴という貴重な体験でした。長い歴史を持つ3バンドが相対するということで、それぞれのカラーを思いっきり感じるライヴだったのを覚えてます。コロナ禍に突入したり、GASTUNKはBAKIさんが抜けてしまったしであの時に体感しとかなきゃ次は無かったなと改めて実感するところ。

 今宵は前述したように『Heavy Rocks(2002)』の再現。ヘドバン VOL.35のインタビューでは”YEAH!!て言えるまでに10年かかった” “YEAH!!は魔法の言葉”、”ロックってやっぱりYEAH!!なんです”と言ってて笑いましたが(もちろん良い意味で)、スラッジ/ドローン・メタルから突き抜け、Borisがロックンロールした最初の作品です。

 「Heavy Friends」からド級のヘヴィネスと甲高く響くギターソロ。Borisのライヴに来たことを実感するスタートですが、TOKIEさんのベースが加勢することで分厚さは増す。TAKESHI氏はギターとベースを使い分けるのは変わりなし。”YEAH!!!!!”の合言葉からノリの良いロックンロール「korosu」をようやくライヴで聴けたのに気分がアがる。20年の時を経たHeavy Rocksの力強いウネりを感じさせます。

 正しくロックするなんてことはしない。 変化なんて当たり前、固定観念クソくらえな姿勢でBorisは常に自分たちが今やりたい音楽を形にしてきました。”NOISE”を根幹にボーダーレスな音楽は、振れ幅がありすぎて人々を射抜くこともあれば、戸惑わせることもあり。しかし、その不定形さの積み重ねこそがBorisというバンドのおもしろさだと思うわけです。

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 途中でシュガー吉永さんをゲストに迎えた5人体制で2曲「Rattlesnake」と「Reincarnation Rose」。めちゃロックンロールというか古き良きハードロックというインパクトで、ギターヒーローたちが掻き鳴らすギターソロ感が増し増し。Astuoさんが「最高っしょ!」と声かけたくなるのもわかります。

 最後は『PINK』から代表曲となる「決別」。やたらと甘い匂いのスモークと振動を引き起こす大音量が三半規管をおかしくする。これぞBorisたる所以を証明して幕を下ろしたのでした。20時10分ぐらいまでの演奏で60~70分ぐらいのステージ。

—setlist—-
01. Heavy Friends
02. Korosu
03. Dyna-Soar
04. ワレルライド -Wareruraido-
05. Soft Edge
06. Rattlesnake (with シュガー吉永)
07. Reincarnation Rose (with シュガー吉永)
08. Death Valley
09. 孤映
10. 鐘 -The Bell Tower of a Sign-
11. 1970
12. 決別 -Farewell-

Buffalo Daughter

 Buffalo Daughterは30を超えるセットチェンジ後に登場。山本ムーグさんが欠席で電子音とその他もろもろ担当の奥村健氏、ドラムには元bloodthirsty butchersの小松さんがサポートで入る。この日は『New Rock』と『I』と最新作『We Are The Times』を基にした曲。久しぶりにやる曲も多数あったとMCで語られました。

 ちょくちょく聴いてはいるものの、ライヴをみるのは初めて。Buffalo Daughterは電子音楽とロックの実験的融合のイメージはずっとある。本日はロック寄りの躍動感があったのは小松さんの影響か、Borisを意識してなのか。それでもミニマルな「Super Blooper」の心地よさ、「Times」の近未来感がとても良かった。

 アンコールは最初の曲でBorisの3人と「Autobacks」。へんてこりんなロックンロールがさらに魔改造されて、音楽ってこういう風に楽しむんだよねっていう狂った感じが凄かった。ラストは「New Rock」をWataさんと一緒に奏でて新しい地平へ。”New Rock Universe”というツアータイトルがなんだかしっくりくる2組の共演でした。

—setlist—
01. I Know
02. Five Minutes
03. Volcanic Girl
04. Don’t Punk Out
05. No New Rock
06. Global Warming Kills Us All
07. Socks, Drugs And Rock ‘N’ Roll
08. Super Blooper
09. ET (Densha)
10. Moog Stone
11. Times
12. Interstellar Journey

–encore–
13. Autobacks(With Boris)
14. New Rock(with Wata from Boris)

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最後の集合写真が素敵でした。30年バンドの存在感。

お読みいただきありがとうございました!
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