激情ハードコアの連続攻撃 blue friend『I will be your blue friend』

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I will be your blue friend(2014)

 既に国内のハードコア・シーンで話題のblue friendの待望の1stフルアルバム。akutagawaのメンバーが在籍していることでも知られます。2013年にはDuck. Little Brother, Duck!、2014年にはcalculatorといった海外バンドの招聘を行っており、アンダーグラウンドの活性化に一役買っている存在。彼等に関しては、5way Splitをかつて聴いています。

 しかし、猛嵐に巻き込んでいく本作のインパクトたるや凄まじいものがあります。紫電一閃のキラー・チューン#2「Midikai」であっさりと仕留め、以降も全身を熱くさせるような激情ハードコアの応酬が続く。KidcrashやBeau Navireといった海外のバンド達に呼応し、比肩するようなそのサウンドは、推進力のあるリズム隊を基盤に、ソリッドなギターリフと魂の限りに絶叫しづけるツインヴォーカルが炸裂します。

 愚直なまでの真っ直ぐさとハードコアへの愛、それを体現することで「初期衝動の塊」と表現したくなるほどに壮絶な音を掻き鳴らしています。しかも繊細な叙情性が絶妙なさじ加減でミックスされており、余計にハートに火をつける結果をもたらしている。ギュッと凝縮した熱量を一気に放出するような#3「Warui」、やや変則的な展開を持つ#4「Neri」。さらに静と動の鬩ぎ合いを見せつつ、フィールドを鋭く切り裂くような高速カウンターをラストに決める#7「Kowai」も衝撃的です。

 ここまでのレビューを見てきて感のいい方はお気づきだろうが、曲名は「warui」だとか「dasai」といった適当なものであり、タイトルに拘りませんスタイルを貫く。極めつけは#6「Mezura-C」でしょう。アルバム内でも静と動の対比が一番取れていて、作品を締める役割を果たしている良曲。タイトル的にはアニマル浜口をリスペクトした「Kiaida!」があっても良かったと思います。

 ノスタルジックな旋律の反復から激情ハードコアとは何たるかを苛烈に叩きつける再録版#8「dasai」、その感情的な絶叫がドラマティックにすら感じる#9「Saisho」と終盤の2曲もまた強烈です。ラストはタイトル通りのエピローグ#10「Musubi」が、ここまでの9曲を聴いてきて灼熱と化した心と体を鎮めるアンビエントで幕を引く。これからを担うバンドの決意の一枚。国内と海外を結ぶ激情ハードコアというものを身をもって体現した本作に衝撃を受ける人は多いです。

 ちなみに2021年現在は活動休止している模様。

お読みいただきありがとうございました!
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