Fang Island、みなとハイタッチする豊かな音

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 ニューヨークのブルックリンを拠点に活動するアメリカのインディーロック・バンド。2005年結成。自身のサウンドを2みんなでハイタッチする”と表現し、目標を”音楽が好きな人のための音楽を作ること”でに置いていた。2010年リリースの1stアルバム『Fang Island』はPitchfork等で評価されました。2015年に解散。本記事は活動期間に残した2枚のフルアルバムについて書いています。

目次

Fang Island(2010)

   1stアルバム。全10曲約31分収録。この頃は5人体制。アニコレやアクロン・ファミリーがパンク/オルタナ/メタル/マスロックに視野を広げていくとFang Islandのような音になるのではないでしょうか。マスロック風味の展開を見せたかと思うと、重厚なギターがうねりを上げたり、サイケデリックな装飾が成されたり、祝祭のコーラスワークが高らかに響いたり。

 アイデアをどんどんと放り込み、ポップで潤わせながら軽快なフットワークで楽曲を構築。オルタナ/メタル/マスロックへの傾きが見て取れたかと思うと、アニコレのようなシンセの挟み方やローファイな感触で現代のインディー・ロックやサイケ・ポップとの共振が成されていて、予想以上の振り幅をみせる。好奇心と遊び心に満ちた若々しさがあります。

 ひねった部分は多いですが、ストレートに振りきれているように聴き手に思わせるのも上手い。そして、たくさんの要素をぶち込んでいてもポップなサウンド・デザインに仕上げている辺りは並じゃない。おもしろい作品です。

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Major(2012)

   2ndアルバム。全11曲約45分収録。本作から4人編成。その華やかで昂揚感溢れるサウンドに陰りは全くなし。美しいピアノが耳をひきつける#1「Kindergarten」の始まりで驚かし、躍動感あるリズムの上で伸びやかな歌/コーラス、メタリックな質感を持ったギターが飛び回り、カラフルな空間を形成していく。

 ひねりの効いた展開とともに突き抜けるようなハッピーな興奮に包まれる#2「Sisterly」や#6「Asunder」は、実にこのバンドらしい。インディー・ロックの流れを汲みながら、サイケ/オルタナ/ハードロック/マスロックまでを引き出しにできる強みがここに発揮されています。

 メロディはさらにキャッチーになった印象を受けるものの、メンバー減によるパワーダウンはそこまで感じません。ハードロックを上手く折衷させたインスト#8をぶち込んできたり、アヴァンギャルドな嗜好が発揮された#9~#10というラストの流れでも驚きを与えます。やはり非凡なセンスを持ったバンド、今回も笑顔で楽しめるポップにデザインされた良作かと思います。

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