
アメリカ・オハイオのインストゥルメンタル・バンド5人組。2005年から活動を開始し、トリプルギターによる美と重のインストを武器に世界的に活躍。これまでにフルアルバム3作とミニアルバム1作を発表。3rdアルバム『The Bones of a Dying World』はあのMetal Bladeからリリースされています。
本記事は3rdアルバム『The Bones of a Dying World』について書いています。
アルバム紹介
If These Trees Could Talk(2006)

1st EP。全6曲約32分収録。

Above the Earth, Below the Sky(2009)

1stアルバム。全10曲約45分収録。

Red Forest(2012)

2ndアルバム。全9曲約47分収録。

The Bones of a Dying World(2016)

の4年ぶり3作目。スタイルは、”ぼくたち・わたしたちのかたるしす”が終盤に訪れる静動型インストです。かのMetal Blade Recordsからのリリースですが、特段にメタル成分が高いというわけではなし。
ときおりポストメタル的な重圧/ダイナミクスは感じます。ですが、トリプルギターを擁した美しいメロディを中心とした組み立ての方に分があります。
クリーン・トーンを中心に織物職人のようにギターを重ね、いずれもドラマチックに展開。終盤における轟きで全てをかっさらう仕様。Caspianと並んで重さと美しさが良いバランスで共存していると思います。
冒頭から心をわしづかみにされる#1「Solstice」は特にその傾向が顕著であり、静から動へ丹念かつ大胆に奏でる。
轟音なしで流麗に聴かせる#2「Swallowing Teeth」、Explosions In The SKyをさらにメタル強化した#3「Earth Crawler」、初期のPelicanを思わせるどんよりとヘヴィな#6「Iron Glacier」等も印象的な曲で彼等のポテンシャルを物語ります。
劇的な瞬間が何度となく訪れる本作は、今年のインスト・ポストロック作品として逃さず聴いてもらいたい1枚。
