【アルバム紹介】Lifelover『Konkurs』

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アルバム紹介

Konkurs(2008)

 スウェーデンのディプレッシブ・ブラックメタルバンドの2008年発表の3rdアルバム。2011年に入ってAlcestも所属しているProphecy Productionsから再発された。

 ”Konkursはブラックメタル、インディーポップ、ポストパンク、シューゲイザーの要素を取り入れながら、現代の都市の絶望を荒涼としたディストピア的なヴィジョンとして描いている“とBandcampには説明があります。

 Alcestと同じく既存のブラックメタルとは一線を画すバンドであり、その個性は本作に十二分に表れている。陰湿に闇を押し広げるギターリフ、哀切としたトレモロ、精神イッチャッてる感ありありのヴォーカルとブラックメタルらしい基盤を持ちつつ、実験的な作風で聴き手に迫ります。

 ピアノの旋律が優しくも悲劇的にも奏でられ、意外とダンディなクリーン・ヴォーカルに心を許し、エレクトリカルパレードがよぎる様なSEや不穏な効果音で数々の場面を煽る。さらには波のサンプリングや女性コーラスを用いることで幅と奥行きを出しています。

 そういった独特のユーモアを差し色として効果的に使用しつつ、ミドル~スロウと結構遅めのリズムを主体にして不可解なほどに凝った展開をみせるのが特徴。暗欝としながらもメランコリックな表情がこぼれるのは、孤独感から来る崩壊ギリギリの狂気を示しつつ、負を湛えたメロディに気品があるからだろう。

 ピアノがここぞという場面でセンチメンタルに琴線を揺さぶり、静と動でじっくりと練り上がっていく展開の妙が本作では味わい深い。加えてポストロック/シューゲイザーとの親和性も高い。

 悲哀と狂気の狭間で掻き鳴らす精神崩壊の序曲#1から、イカれた個性が発揮される#2や#4、血が噴き出すかのようなグロテスクなVoの表現力に圧倒される#6、しめやかでダンディな#9、悲痛なドラマが繰り広げられる#13などネガティヴな藍闇へと誘ってくれる曲ばかり。

 ちなみにDISC2の方では、背筋を凍らすような空間系のSEと物静かなギターで綴られる奈落のアンビエント・ドローン。死霊のすすり泣きそのものが表現された約28分の#1、約25分の#2とひたすら内省に影を落とし続けるおぞましい時間があなたを襲います。

メインアーティスト:Lifelover
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