STORM OF VOID、デュオ編成で突き詰める重量級インスト

 bluebeardやNAHT、TURTLE ISLANDなどで活躍をしてきたGeorge Bodmanと、envyの元ドラマーDairokuの2名から成るインストゥルメンタル・デュオ。5iveやOmega Massifを思わせる重量級のインスト・サウンドで鼓膜を制圧する。2013年にEP『STORM OF VOID』をリリース。2017年9月、待望のフルアルバム『War Inside You』を発表。

 本記事では1st EP『STORM OF VOID』、1stアルバム『War Inside You』の2作品について書いています。

目次

STORM OF VOID(2013)

 1st EP。全3曲約18分収録。SONZAI RECORDSからリリース。本作時はToku(ex-FC FIVE)を含む3人編成でした。作風としては、5iveやOmega Massifなどを髣髴とさせる重戦車インスト・スラッジ。特徴的なのは8弦ギターを駆使した超ヘヴィなサウンドです。地を這いずるようなリフでひたすら攻め込んできます。ベースがさらに一段と重量感を与えるために加勢。手数多めのドラムが加速度と迫力を加えていき、プログレッシヴな展開も力強く牽引します。挨拶代わりというには、あまりにも強烈すぎる#1「ICE LUNG」は、Southern Lord移籍以降のPelicanのようにであり、後半では眩惑のサイケ・ギターが狂い咲くという発展的な要素も加えています。中盤の嵐のように畳みかけるリフとドラムに悶絶する#2「SILENT EYES」、序盤のスラッジ重爆撃からタメの効いた所で一気にスピードをあげて攻め、ラストはハートウォーミングな終末を迎える#3「HULLUCINATE REALITY」と収録曲はいずれも高い品質を誇ります。曲数と収録時間は短いが、今後の活動に大きな期待を抱くほかないEPに仕上がりました。

War Inside You(2017)

 1stフルアルバム。全9曲約48分収録。Tokuさんが脱退し、デュオ編成で制作。ストイック&ヘヴィの極地ともいうべきサウンドを轟かせるのは変わらず。8弦ギターによるリフの波状攻撃、シャープなドラムによる牽引が肝であり、楽曲自体は起伏が多くて複雑に展開していくことがほとんど。熟練した2人が放つリフとドラムの殴打にサンドバック状態で耐え続けることを要します。ドラマティックなフレーズを盛り込んではいますが、全体的にはストイックすぎるほど。体脂肪率3%ぐらいに無駄なく引き締まっている印象があります。それぐらいじゃないとこのシャープさとキレ味は出せない。EPとの違いで言えば、ゲスト・ヴォーカリストを加えた2曲の存在感。ナパームデスのMark “Barney” Greenwayを迎えた#2「Bow And Scrap」ではどん底へ叩き落とすスラッジメタルを彼のヴォーカルがよりどす黒くし、J.Robbinsとの#7「War Inside You」は作品の中で最も明度が高くてメロディックに振れている。戦慄のヘヴィネスを基盤に、各自のキャリアを少しずつ音に表しながら独自のインストゥルメンタルを奏でています。

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