【アルバム紹介】The Psychic Paramount、やかましいインスト狂騒。

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Ⅱ(2011)

   ニューヨークを拠点に活動するオルタナティヴロック・トリオ。実に5年ぶりとなる2ndアルバム。初っ端から雷雨の様な爆音の猛威にさらされる強力作。ノイジーなギターが自由に暴れ、分厚いベースライン、乱打されるドラムが圧力をより高めながら、空間に轟きます。こんな嵐ゆえにLightning Boltと似ていますが、こちらではギターが入ってるので表情が多彩に感じられますし、空間を圧し歪ませるだけでなく伸びやかな飛翔感があるところが特徴的。叙情的なフレーズを前振りに見事なアンサンブルと問答無用の爆音に乗せて大空を飛ぶ#2、出だしから圧倒的ダイナミズムで押す#5はその辺りが顕著。シューゲイザー・ライクなギターの音使いや薄靄がかった幻想世界も描くなど、弛緩の部分も興奮度を高める作用が大きいのも強み。爆音のカタルシスを幹に据えているとはいえ、それだけに頼らない熱い展開を見せる所がまた良くて、インプロ等を交えながら荒々しく牽引して狂騒の渦へと放り込む。全7曲40分はハードコア/オルタナをぶち破る、やかましいインストゥルメンタルでスカっと気分も晴れる。

 

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