【アルバム紹介】vistlip『CHRONUS』

2007年7月7日結成のヴィジュアル系ロックバンド5人組。バンド名の由来は”vista(視覚)”と”lip(聴覚)”を合わせた造語。活動は15年を超え、フルアルバム7作とミニアルバム5作と精力的に活動し続けています。本記事は3rdアルバム『CHRONUS』について書いています

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アルバム紹介

CHRONUS(2013)

 3rdフルアルバム。本作で初めて聴きますが、ファンタジックで壮大な作品であることにまず驚きました。タイプとしては近年のAlice Nineをマイルドにしたような聴きやすさ。そこに華やかでエレガントな煌きを加えた様な上品さがある。

 親しみやすいJ-POP、エッジの立ったハードロック、軽やかなUKロック、涼やかなエレクトロニカといった要素を交えながら、vistlipなりの美点で上手くまとめられています。始・中・終に配置されたインスト3曲が作品に一本芯の通ったストーリー性を持たせており、聴き手のイマジネーションをふくらませる。

 瑞々しい鍵盤とストリングスの交錯が麗しい#2「TELESCOPE CYLINDER」、鮮やかな羽を広げるようなスケールと疾走感が心地よい#4「Recipe」、清冽としたエレクトロニックなアプローチにも踏み込んだ#5「Dr.Teddy」といった前半戦だけでもスムーズな流れの良さを感じます。

 インスト#7「Second DIMENSION」を挟んでの後半戦もまた聴きどころ多し。厚みのあるアンサンブルで迫るヘヴィネス・チューン#8「深海魚の夢は所詮、」、古き良きV系の耽美さと疾走感に惹かれる#9「aquamarine」、エレガントな美しさと大空を舞う飛翔感が印象的な#14. 「CHIMERA」等々。

 ラルクやラクリマ、プラトゥリっぽい要素を感じることもあるし、さらにはMUSEっぽく感じる部分もあったりとそのサウンド構築からは、彼等のバックボーンが透けて見えます。全16曲約67分と長めではあるものの、プリズムの様な輝きを放っていて充実した内容です。

メインアーティスト:vistlip
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