Bluebeard ‐‐Review‐‐

1990年代後半~2000年初頭にかけて活動した日本のロック・バンド。2枚の7inchと1枚のフルアルバムと残した作品は少ないながらも、未だに日本最高峰のエモ・バンドとして後世に大きな影響を与え続けている偉大なバンドである。


bluebeard

Bluebeard(2001)

 既に活動休止という道を辿ってしまったが、未だに日本最高峰のエモ・バンドとして後世に影響を与え続けているBluebeardが、産み落とした最初で最後のフルアルバムである。全8曲で約27分という短い収録時間ながら、エモを語る上で絶対に欠かせない大名盤として評価は非常に高い。

 紺碧の空に広がっていく美しいギターの旋律にただならぬ昂揚感を覚える#1「Intro」から、キャリア屈指の名曲#2「Room 501」への繋がりは、本作の完成度の高さを物語る。蒼く感傷的なメロディはそれだけで感動を呼ぶものであるのだが、バンドの中核となっている高橋氏のヴォーカルが特に印象的だ。その伸びやかな歌声は、どんよりとした雲を突き破る様な一筋の光のよう。また、音楽的には非常にアメリカナイズされていて、歌詞は全て英詩であるし、Sunny Day Real EstateやTexas Is The Reason、Mineralといった90’sエモの情緒を受け継いでいるように感じられる。

 しかし、それだけで終わらないのがこのバンド。独自の美意識から日本的な叙情性と奥ゆかしさがプラスされている。壮大な展開を持つ#3「Over Again」は心の芯から熱くなるものがあるし、粉雪が舞う景色の中でしんみりと聴きたい#5「Snow」、起伏に富むドラマティックな#7「Can’t Rely On」の普遍的な美しさは多くの人の共感を誘うものだろう。

 理想的な形で90’sエモのフィーリングを凝縮し、その上で日本人の視点から再構築したような感触もある。それゆえにひとつの完成系を本作で表現したといえるかもしれない。伸びやかなヴォーカリゼーションと一級品のメロディ、蒼い情動が生んだ奇跡の様な1枚。

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