Burial ‐‐Review‐‐

00年代のMassive Attack”とも評されるダブ・ステップの潮流を巻き起こした張本人。


Untrue [解説付 / ボーナストラック2曲収録 / 国内盤] (BRC322)

Untrue(2007)

    前作から1年というハイペースでリリースされた2ndアルバム。リリースは前作に続いてKode 9によるハイパーダブから。灰色の雨がじっとりと体を濡らすような感触は相変わらずで、重たいベースラインに暗く深い音処理を緻密に施したダブステップが主体となっている。っが今回はBPMがより速めの印象。さらには前作以上にソウルフルなヴォーカルをフィーチャしたことでダークなR&Bとしての機能性が高い。故に本作は、メロディアスな感性が随分と根付いたことでかなり取っ付きやすくなっている。冒頭の#2「Archangel」や#3「Near Dark」からクールに刻まれる重いベース/キックにゆらめくヴォーカルが入っていく事で、コンクリートのような重みと物憂げなサウンドスケープを形成。時にはアンビエントなエレクトロニカ風味の曲を挟みながら、ひたすら孤独と戦いながら闇を小気味良く疾走していく。”真夜中のサウンドトラック”という言い得て妙な形容も納得、そんな冷やかな緊迫感とリリカルな美しさを内包しながら鳴らされるフロア・ミュージック。ブリアルは本作でまた、ダブステップの地位を全世界で押し上げたのである。


Burial [解説付 / ボーナストラック2曲収録 / 国内盤] (BRC321)

Burial(2006)

   “ダブ・ステップといえばBurial”というほどの知名度を誇る新世代の旗手による1stアルバム。マッシヴ・アタックの進化系とも評価されるブリアルだが、深い陰影に富んだディープ・ダブは極めて内省的で暗い。抑圧されたダンス・ミュージックといえそうだが、MOODYMANNにも通じそうな黒さが渦巻いている。地を這う重たいベースとキックの音を中心とした鈍色のインストが主体。そこに浮かんでは消える幽玄なヴォーカルや緊迫感を煽る信号音のサンプリングを絡ませることで、虚無の煙たい薫りや空間的な奥行きを拡げている。実際にダブステップはドラムンベース/2ステップにダブが掛け合わさったことに起因するらしいが、ミニマルやトリップホップなどの影響も濃く滲ませている印象。そして、UKブリストルの暗さや内省も内包しながら無機質でストイックなフロア音楽として深遠に鳴り響く。知的でクール、だがどっぷりと沈んでいくような重たいグルーヴを有しており、聴けば聴くほどに深みにはまっていってしまう。個人的には特に#4と#12が潜在意識すら憂鬱で塗らすほどのディープな空気と重たさがあって素晴らしく感じる。そんな本作は全世界にダブステップを知らしめた脅威の一枚である。

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