ハイスイノナサ ‐‐Review‐‐

ポストロック~エレクトロニカから現代音楽までを横断するデザイン性に長けたサウンドで魅了する男女混成4人組、ハイスイノナサ。残響レコードからフルアルバム1枚、ミニアルバム2枚をリリースしている。バンド名は、背水の陣とNASAを組み合わせた造語。


動物の身体

動物の身体(2016)

   これまでもその独特な音作りで評価されてきたハイスイノナサの待望の1stフルアルバム。キーボーディストの脱退を経てのリリースとなるが、そういった心配を振り払う見事な作品を造り上げてきた。

 紹介される通りにミニマルミュージック~ポストロック~現代音楽を巡りながら、独自の美学と高い技術に裏打ちされた楽曲の数々。それが静かに心の内から広がっていく。特徴的なのが変拍子を多用しつつも流麗なアンサンブル、時に慈愛のように時に人工的な感触をもたらす鎌野愛の凛とした歌、そして瑞々しいキーボードだろうか。それらが絶妙な交錯を成す事で、アイスランドのポストロック的なイメージや透徹とした美を貫いている。空間を鮮やかに捉え、的確に音を配置していく構築/デザイン性の高さもまたバンドの強みだろう。ベクトルは静に保たれ、ひんやりとした冷たさも感じるが、無駄がないからこその美と迫力というのを手にしているような気さえしてしまう。

 特にそれが顕著なのは#3「地下鉄の動態」。絶妙なアンサンブルの元でスリリングに聴き手を楽しませてくれる。しかも#4「波の始まり」や#7「モビール」を聴いているとメルヘンチックで温かな包容力を感じるし、#6「logos」ではメタリックなギターをフィーチャしながらも自らの音楽性を上手くミックスさせ、透明感のある叙情性をもたらしている。全体を通しても実に優雅でエレガント。実力派の証明とも言える見事な作品である。

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