【アルバム紹介】KYOTY『Undiscovered Country of Old Death and Strange Years in the Frightful Past』

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アルバム紹介

Undiscovered Country of Old Death and Strange Years in the Frightful Past(2012)

 USニューハンプシャー州発のインスト・ポストメタル3人組の1stアルバム。『TOKYO JUPITER Compilation II』のラストを15分超の大曲「Nine」で締めくくり、聴き手を驚かせたKYOTY。

 本作は”Next Pelican”とも評された実力を大いに示すデビュー作となっています。

 轟音系ポストロックからポストメタル、スラッジ~ドゥーム勢にも親和する重く強い音が鳴っている。ギターにしろベースにしろ非常に重厚な旋律を轟かせており、それがメロディアスな色彩を伴って鼓膜を蹂躙しながら心を傾けていく。

 #1「14」からしてその実力を発揮。ポストメタルをよりヘヴィにチューンアップしつつも、美しい詩情が楽曲へと引き込みます。#3「08」でも顕著ですが、時に繊細に時に凶暴に吹き荒れるサウンドは、激情ハードコアへの憧憬も重なって壮大なものへと発展する。

 Mouth Of The ArchitectからGifts From Enolaまでが横切るダイナミックな音像、そして引き合いに出されるPelicanにも通ずる構成力はなかなかのもの。

 本作はTokyo Jupiterから国内盤が発売されましたが、本国アメリカでは、HydraheadとThe Mylene Sheath辺りから作品が出てもおかしくない。本作の出来を確信へと変えていく圧倒的な力をもったラストの#8「15」はその証明。

お読みいただきありがとうございました!
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