NAHT ‐‐Review‐‐

東京のオルタナ/ポストハードコア・バンド。サンディエゴ周辺のポストハードコア勢に影響を受けつつも、バイオリニスト加入、電子音の導入など積極的な姿勢を打ち出して日本のオルタナ・シーンを彩った。


the spelling of my solution

the spelling of my solution(2000)

  東京のオルタナ/ポストハードコア・バンドの最高傑作とされる2ndフルアルバム。トイズファクトリーからリリースされた本作は海外録音を敢行し、かのJ.Robbinsをプロデューサーに迎えていて、新たにヴァイオリニストがメンバーに加入している。

 前作は未聴であるが、サンディエゴ周辺のポストハードコアの流れを汲んだサウンドで、それこそFUGAZIやJawboxといった精鋭達の影響下にあるものだという。ただ、本作では前述したようにヴァイオリニストの加入で大きな変化を伴っている。ハードコアの推進力と破壊力の中で、全曲に渡ってストリングスが優雅な響きを与え、穏やかな揺らぎをもたらした。それがひいては大陸的なスケールの造形に繋がり、ナイーブでいて力強い音像を支えているように思う。遊牧民達のアンセムになりそうな叙情的なアコースティック・インスト#1「spelling my name」から、多くのロックバンドが嫉妬するだろう名曲#2「either way you want」というコンボに昂ぶりを覚える人は多いはず。作品からは彼等の美意識や実験精神を強く感じるのだが、情緒的でメロディアスであることで耳を引くし、ありのままの感情をぶつけるヴォーカルにも感情を強く動かされる。

 転調に次ぐ転調とソリッドな音で切り裂く#4「Scenery」や勇壮な疾走曲#8「I Disperse」と等の攻撃的な曲、Mineralの2ndアルバムにも似た叙情性を湛えた#6「Last Word Of The Remarks」、#7「No One…」といったメロディアスな楽曲も本作では完備。ストリングスを上手く取り入れたことで、ポストハードコアの枠組みを突き抜ける普遍性も得たことは間違いないだろう。理想的な深化を遂げた本作を最高傑作に挙げる人は多いし、今でもその輝きと効力に陰りは無い。名作である。

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