Overhead, The Albatross ‐‐Review‐‐

2009年にアイルランドで結成された6人組のインストゥルメンタル・バンド。2016年に1stフルアルバム『Learning to Growl』を発表。


ota16

Learning To Growl(2016)

  2009年結成のアイルランドのインスト・バンドによる1stフルアルバム。いやはや初のフルレングスにして、この完成度に惚れ惚れとします。いわゆる轟音系ポストロックを専攻し、研究した内容。やってることは既存のことだし、作戦は「静から動へ」のほぼ一点張りです。

 ただ、聴後の快感指数と幸福指数は高い値を計測。なぜか。あげるとすれば、展開がこれでもかというほどドラマティックであり、ダイナミックであることでしょう。そして、聴かせる力があります。冒頭を飾る#1「Indie Rose」、#2「Telekinetic Forest Guard」等で伺えますが、トリプルギターをサウンドの中心にして、Caspian辺りを彷彿させるメロディの饒舌さ、柔らかなノスタルジー、脅威の爆発力を備えています。また鍵盤やホーン、ストリングス、声の絡ませ方が絶妙で、曲の表情をグッと鮮やかに引き立てる。隅々までコントロールし、スタイリッシュなまとめかたをしている印象はありますが、生まれてくる熱量や昂揚感は相当なものです。

 本作中で最も幻想的な美しさを表現する#4「Daeku」は時間をかけて心を満たし、ラストの轟音シンフォニー#9「Big River Man」は輝かしい歓喜が訪れます。脱世界、豊かな白への同化と羽ばたき。全体を通して、繊細な温かみや大らかな優しさを感じさせるのも惹かれる点でしょう。2016年の注目されるべき1枚だと思います。自分としては、今年のポストロック / インスト系では特にインパクトのあった作品。

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