Rorcal ‐‐Review‐‐

vilagvege

Vilagvege(2013)

 殺戮の音が鳴る。スイスのドゥーム・サタンによる3年ぶりとなる3作目。本作で初聴きとなるんだけど、Primitive Manに続いての暴虐サウンドが、三途の川の向こう側へと誘う激烈作である。

 淡々としたドラムの進行と薄く広がるノイズ音が鳴り響く#1「Ⅰ」から身体の芯から恐怖が忍びより、次に炸裂するはドゥーム/スラッジをベースとしたどす黒い重音と凶暴な咆哮。そんな#2「D」は、お決まりのスロウテンポと共に9分半をかけてゆっくりと聴き手を痛めつけてくる。本能剥き出しの狂気、鉈のような重いリフ、唸り上げる音圧。手加減は一切ない。冒頭のこの2曲を聴いただけでも、相当なダメージを心身に受けることになるだろう。だが、当然ながら彼等の攻撃はこの程度で終わるはずもない。

 続いての#3「Ⅱ」ではここまで我慢していたブラスト・ビートを解禁して重轟音と激速でタコ殴りの刑に処す。もはや女・子ども関係なく焼き払うテンションであり、絶えず猛攻撃を仕掛けてくる無慈悲さがある。遅さと速さ、これらを研究し尽くした上での破壊力というのが尋常ではなく、それが顕著に表れているように感じる#7「Ⅵ」では嫌らしい緩急を使って悪夢を見せる。かと思えば、音による拷問#4「Ⅴ」やブラックメタル風のアプローチが印象的な#6「Ⅶ」の終盤で、サンプリングされたオペラが流れ、大仰ゴシックな演出が不穏な空気と緊張感をさらに高めていく。キチガイ染みたアグレッションに特化しながらも、計算尽くされたこういった仕掛けがまたこのバンドの恐ろしいところ。

 激速の序盤からひたすら遅く重く圧し掛かってくる最終曲#8「Ⅷ」に至るまでの全8曲。同郷の大先輩であるCeltic Frostの終末観を引き継ぎながら、煉獄の音は容赦なく続くのである。ThouやPrimitive Manといったバンドと同様に、腹を括って聴くべき脅威の作品。

 なお本作は、Bandcampで全曲試聴可。ページの下の方には、フリー・ダウンロードのリンク先も紹介されています。http://rorcal.bandcamp.com/

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でGrumble Monsterをフォローしよう!

スポンサーリンク


▼ フォローする