Seila Chiara ‐‐Review‐‐

今、最も急成長を遂げているフランスの5人組若手激情・エモ・ポストハードコアバンド。


rive

Rive(2011)

   Tokyo Jupiter Recordsより発表された1st EP(7曲入り約26分)。そのTokyo Jupiter Recordsの今年2月発表のコンピレーションでも繊細でエモーショナルなロックを奏でていて、キラリと光るものをアピールしたのも記憶に新しい彼等が満を持してのリリースである。本作はどうやらその曲よりもずっと前(2年前のものと聴いた)に製作されたもののようだが、オーナーが自身をもって世に送り出すのがわかる内容だ。

 エモ/ポストハードコアからポストロック寄りにした繊細なメロディラインと拡がりのある音使いを主軸に、情念を振りまく細く枯れた絶唱が乗り、聴き手の胸を打ち震わせる。ギターのフレーズからはPeleやtoe的なニュアンスを感じるし、クリーン・フレーズやトレモロの多用もポストロック的。隙間や空間性にも細心の注意を払っている。逆に疾走する場面は少なくて、故にエモーショナルな攻撃性よりもメロディと楽曲の起伏で勝負するタイプという印象を個人的には受けた。けれどもヴォーカルのエモーティヴな絶叫が鼓膜からヒリヒリと熱を伝える。何よりも誠実で真っすぐなんだ。ホント、痛いほどに感情的な表現力が伝わってくる。様々な音楽的エッセンスを散りばめて、情緒の揺れ動きを奏でつつも、芯のしっかりとしたロックを鳴らしているのが聴けばわかるだろう。それはもちろん若さと透明感、それに蒼さが滲み出ているからでもある。

 美しいトレモロを生かしながら歌・メロディのエモさに揺れ動く#1に始まり、タメの効いたリズムから風のように心地よく駆け抜け、ダイレクトに音が刺さる#2という幕開けで鷲掴み。ピアノを生かしたショート・チューン#3を挟み、音色や感情表現のコントラストと楽曲の構築がさらに冴える後半4曲もまた印象的。美しいメロディラインが楽曲を引き締めながら、情熱と迫真性を持って鼓膜と心に迫ってくる。激情・悲哀・憂い・優しさ・孤独・喜び・・・etc。情緒的に揺れ動く若者の想いがダイレクト/ストレートに伝わるのがよけいに熱い。感情表現の繊細さと壮麗なるスケールにいつの間にか引きつけられているラスト・トラック#7で締めくくられるのも劇的だ。しっかりと聴かせる演奏といい、人間の弱さも強さも滲み出た楽曲群といい、これからの成長を期待したくなるEP作品である。

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