Neurosisのヴィジュアル・ディレクターのJosh Grahamが中心となって結成された3人組。アート性の高いヘヴィロックを志向し、着実に知名度を上げている。
And We Wept the Black Ocean Within(2008)
NeurosisやRed Sparowesで活躍するJosh Grahamが中心となって結成されたバンドだけあって、そこで培った音楽性を大いにフィードバックしており、暗黒スラッジコアと深遠なポストメタルが顔を揃えるサウンドが特徴である。とはいうものの、聴いた感じではもろNeurorisと批判されてもおかしくはないほどの類似っぷり。しかしながら、その繋がりで本作を手に取った者に対しては間違いなく来る作品といえるだろう。濃密でずっしりと重いサウンドと身震いする混沌を生む絶叫は自我と精神の崩壊へ直結するような力を誇っている。3人という少数精鋭ながら、本家に劣らないほど負のエネルギーは強力で、無秩序に広がる闇に慄き、暗黒の渦が荒れ狂い蝕む。現実と異世界への距離をゼロとしてしまうような儀式的なサウンドは脳を圧迫し、この手のバンドを聴くうえで受け入れなければならない精神への負荷は避けられない。個人的にお気に入りはラストの#10「Iron Heart」で、NeurosisとRed Sparowesの美徳が交錯しているように感じれ、特に輝きを放っている。サイドプロジェクトとはいえ、聞き逃せないバンドと言えるだろうし、デビュー作としてもなかなかである。
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