Story of the Year ‐‐Review‐‐

1995年にセントルイスにて結成された5人組ロックバンド。Usedに続けとばかりにシーンに登場した彼等の音楽性はずばりエモ・スクリーモ直系であり2003年に発表した1st「Page Avenue」はまさにその通りの作品だった。しかし続いて2005年に発表した2nd「In the Wake of Determination」ではかなりメタリック色を強め、タイトな作品になっている。来日公演も単独公演やフジロック、Taste Of Chaosと様々な形で実現、日本のオーディエンスを熱狂させた。そして2008年、エピタフレコードに移籍し初の作品である3rd「Black Swan」が発売される

レビュー作品

> Black Swan > In The Wake Of Determination > Page Avenue


Black Swan

Black Swan(2008)

   エピタフレコードへ移籍しての2年半ぶりの3rdアルバム。2ndのエッジの効いたハードで重厚なサウンドはそのままに1stのような幅の広さを持った作品だ。ハードコアのような強さも目立った前作に比べ、マイルドになり聴きやすくなった。とはいうものの全体的にはとてもエネルギッシュ、いい意味であくが抜けているという感じ。ヘヴィでラウド感全快の#1で激しく攻め立て、リードシングルとなった#2できっちりとハートを鷲掴み。2ndで聞かせたあの良さを十分に残しつつ、#7や#9といった楽曲は非常にドラマティックに盛り上げ、#11では初のピアノバラードを収録するなどの試みも。こういった聴かせるタイプの楽曲が1stのあの名曲を除き、これまでやや弱いかなという印象だったが、ヴォーカルやギターの表現力アップで十分にレベルアップしている。映画風のインスト#12から繋がり、一気に昂揚感を掻き立てる#13でラストを駆け抜けるのはとても爽快。大衆性を意識したという意見も多々出るかもしれないが彼等のこれまでの魅力だった部分は十分に反映されているし、新たな試みとなった部分も含めて面白いバンドになったなと。アメリカを社会風刺した歌詩を書くようになったこともバンドとしての成長の証。個人的には2ndのラウド感とテンションの方が好きであったが、アルバム全体としてのバランスを考えると、この作品が過去3作の中でも一番だろうと思う。


In the Wake of Determination

In The Wake Of Determination(2005)

   前作より2年ぶりの2ndアルバム。全体的にヘヴィ・ラウド方面へとビルドアップし、タフさと強靭さを増して攻撃的な作風にシフトしている。ハードなエッセンスを塗した事により、ダイナミックな躍動感が加わり、昂揚感高まる仕上がりだ。それでいてこのバンドの根幹であるキャッチーさであったりノリやすさであったりそういった重要な要素が全く弱まっていない。むしろパワフルになった楽曲との関係を考えてもメロディが際立って、全体を通してもプラスに働いているように感じる。1stと比べると明らかにヘヴィな方向にシフトしたこともあり、前作のような哀愁漂うようなメロディが好きだった人は肩透かしを食う作品であるかもしれないが、本作で見せた作風の変化は楽曲のクオリティを下げているものではないはず。単純にかっこいい、これを聴いて俺は素直にそう思いました。モダンでキャッチーな#1を筆頭に、アルバム全体の核となっている爆走チューン#2,#5,#8,前作風のメロディを加味させながらもさらにバンドとしての進化を見せた#6、フックの効いた展開が見事な#12とすばらしい楽曲がそろっている。しかし、今作のセールスはどうやら前作よりも悪かったらしい。ウソだろと言いたくなるような結果なのでありました。従来のリスナーはこういう路線は求めてないのかもなあ・・・。


Page Avenue

Page Avenue(2003)

   Linkin ParkやHoobastankなど名だたるロックバンドとツアーを周り、話題を読んだニュー・ヒーローStory of the Yearの1stアルバム。冒頭の#1を聴くとおお、かっこいい・・・けれど今、流行のエモ・スクリーモバンドなのかな・・・なんて油断したらバンド随一の名曲#2のあまりの素晴らしさにやられてしまった。エモ・スクリーモという括りでありながら、それだけに頼らず哀愁漂うメロディラインやストレートに胸を締め付けるような楽曲も多くUsedに近い印象。メタリックなアプローチやパンク精神を受け継ぐようなアピールもしており本作においては楽曲の幅が広い。#3や#4のように美しいメロディラインを奏でている楽曲も好みだが、#12のようなノリの良い楽曲を彼等に大事にして欲しいな。実際に#12はライブで見てもかなりハイテンションにさせられたし。ただ、個性の強い楽曲やメリハリはしっかりしているのだから、もうちょっと全体を通した強さが欲しかったというのが本音。キャラ立ちがはっきりせずにやや目立たない楽曲も多くてその辺りが惜しい。もちろん#2の名曲っぷりもあり、これはこれで評価されて然るべき作品だと思いますがね。エモ・スクリーモ系が主食のリスナーであれば、2ndよりもこちらの方がオススメ。

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