To Destroy A City ‐‐Review‐‐

名門n5MDに所属するシカゴの3ピース・エレクトロニカ/ポストロック・バンド。


To Destroy a City

To Destroy A City(2011)

   名門n5MDからリリースされたデビュー作。このレーベルから出てるってのは音を聴けばすぐわかるでしょう。エレクトロニカ、ポストロック、シューゲイズ、アンビエントなどの混合で形どった音像は、American Dollar辺りを思わせる。繊細な電子音と生音の共鳴が軸足になっており、それがオーロラのように煌き、感傷的に揺らぐ。生ドラムと打ち込みを交えたゆったりとしたリズムにギターやキーボードが重なり、大らかに拡がっていくインストが核となっている。レーベルメイトになるLights Out Asiaも引き合いに出されたりしてるが、確かにゆるやかな起伏とメロウネスは、全体を通して隙の無い美麗さを保っているように思う。適度な緊張感を保ちながらまどろみの中へ連れて行く。

 デリケートなタッチでつづられるアンビエント調の#1に続き、ウルリッヒ・シュナウス辺りに影響を受けた様な#2は、メロウなキーボードの旋律の中でシューゲ風のギターで眩惑し、終盤にかけてはダイナミックな展開も見せる。優美かつノスタルジックに聴かせることもそうだが、機械的な冷たさや生楽器の温かみの寒暖の生かし方も上手い。聴いているとエレクトロニカ色の方が強く感じるのだが、Efを思わせるエモーショナルの泉に放り込まれる。また、舞台の語りのようなサンプリングを用いた#3やダンス方面の躍動感を滲ませた4つ打ちトラック#6も用意してきており、色々な方面に色気を見せているのもおもしろい。その中で、静から動への美しい世界へと誘う#5や#のような曲が個人的にはストライク。心地よい安らぎを覚える美麗エレクトロニカ系の良作である。

 自身のBandcampにて、本作をまるごと曲順通りに演奏した2012年1月28日のシカゴ公演のライヴがフリーダウンロード可能です。

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