vistlip ‐‐Review‐‐

CHRONUS(初回生産限定盤)(DVD付)

CHRONUS(2013)

 2007年結成のV系バンドの新鋭、vistlip(ヴィストリップ)の約1年半ぶりとなる3rdフルアルバム。彼等の音楽は本作で初めて聴くのだが、あまりにファンタジックで壮大な作品であることに驚かされた。タイプとしては近年のAlice Nineをマイルドにしたような聴きやすさに、華やかでエレガントな煌きを加えた様な上品さがある。親しみやすいJ-POP、エッジの立ったハードロック、軽やかなUKロック、涼やかなエレクトロニカといった要素を交えながら、彼等なりの美点で上手くまとめられた印象が強いか。始・中・終に配置されたインスト3曲が作品に一本芯の通ったストーリー性を持たせており、ドラマティックな起伏を持つキャッチーな楽曲の数々は、聴き手のイマジネーションを膨らませる。

 瑞々しい鍵盤とストリングスの交錯が麗しい#2「TELESCOPE CYLINDER」、鮮やかな羽を広げるようなスケールと疾走感が心地よい#4「Recipe」、清冽としたエレクトロニックなアプローチにも踏み込んだ#5「Dr.Teddy」といった前半戦だけでも淀みない流れの良さを感じさせる。前述のインスト#7「Second DIMENSION」を挟んでの後半戦もまた聴きどころ多し。厚みのあるアンサンブルで迫るヘヴィネス・チューン#8「深海魚の夢は所詮、」、古き良きV系の耽美さと疾走感に惹かれる#9「aquamarine」、エレガントな美しさと大空を舞う飛翔感が印象的な#14. 「CHIMERA」等々。徹底して”作品の流れ”を意識している辺り、偉い。また時折、ラルクやラクリマ、プラトゥリっぽい要素を感じることもあるし、さらにはMUSEっぽく感じる部分もあったりとそのサウンド構築からは、彼等のバックボーンが透けて見える。全16曲約67分は、やや冗長ではあるものの、プリズムの様な輝きを放っていて充実した内容だと思う。

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