weave ‐‐Review‐‐

2007年に結成された横須賀発のエモーショナル・ロック・バンド4人組。90’sエモをベースにした美しくも力強いサウンドを主体に、地道な活動を続けている。2013年8月には待望の1stアルバム『The Sound』をstereotype芹澤氏運営のレーベル・FURTHER PLATONIXよりリリースした。


thesound

The Sound(2013)

 2007年に結成された横須賀発の若きエモ・バンドの1stフルアルバム。PenfoldやMineral等を下敷きにした90’sエモを基本軸に置いて、繊細でいて力強いサウンドを継承しながらも、独自のエモーションが迸る。聴いていると懐かしい感触もあり、新しい感触もあり。何よりも、ピュアな感情表現の上に成り立っているからこそ感じさせるバンドとしての芯の強さに惹かれる。作品を通しても変に背伸びをすることなく、等身大の自分達を真っすぐに貫き通している印象は強い。folioや静カニ潜ム日々等とは、また違った国産エモーショナル・ロックの形を体現していると思う。

 透き通るようなメロディとアルペジオは清らかな河のように流れ、練り上げられたアンサンブルから初期衝動が随所で爆発。情感豊かに歌い上げるヴォーカルもまた、染み渡るように心の内に響く。地平線を見つめる様に美しいフレーズが折り重なるインスト#1「fount from the fountain」から、Penfoldばりの哀愁エモに揺さぶられる#2「need for solitude」という流れがまず絶品。真正面から向き合える彼等の音楽には、曇天を突き抜ける様な力強さとまろやかな温かみ、柔らかな包容力が備わっているのが、この冒頭だけでも伝わってくる。

 また、繊細なメロディに乗せてポジティヴに一歩ずつ踏み出していくような#6「let me alone」、素朴なアコギ・サウンドからこれまでにない激しい情熱が表出する#7「walk a bit slowly」、ストリングスの麗しき音色が美に拍車をかける「appearance to confront」辺りも耳から離れそうにない。そのなかでも、特に素晴らしいと思うのが#10「into the everyday life」。陰陽/静動のドラマティックな展開と共に心の葛藤と向き合い、乗り越えていくかのようで、終盤での唸りを上げるギターに昂揚感を隠すことはできない。実に味わい深い1曲である。

 ゆったりと確かめる様に前に進んでいく全11曲が奏でる、感傷的な心象風景。これから先もじっくりと向き合っていくだろう事を強く感じさせる、秀逸な1stアルバムである。

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