2015年ベストアルバム20選

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2015年ベストアルバム20選

bacho『最高新記憶』

足掛け13年の魂のハードコア。とにかく泥臭く不器用だけれども現実に歯を食いしばり、踏ん張って生きていく。その強い想いを宿した1stアルバム。詞やメロディを通じて、リスナー自身も自問自答して奮い立たせられる作品になっており、聴く度に熱くなれるのも良いです。老若男女問わず、とにかく聴いて欲しい。毎日に喝を、そして最高の新記憶を。

Caspian 『Dust And Disquiet』

ベーシストの急逝があった中での3年ぶりの4作目。気鋭の新人轟音系インスト・バンドも結成から早10年以上が経過しましたが、メンバーを4→6人に増員する人海戦術で悲劇を乗り越える。しかもポストロック・バンドがハードコア&ヘヴィネス化する手本も示してくれております(特に3曲目)。そして、いずれの曲もやはり過剰にドラマ性がある。アルバム出す毎に必ず力強く進化していただけるので、安心のバンドであります。そして、彼等は2016年3月に日本の地を初めて訪れる。

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BOMBORI『PRAYGROUND』

2015年のフジロック・ルーキーステージに出演を果たしたエクスペリメンタル系6人組の2作目。ヘヴィネスをキーワードに、あらゆるジャンルに飛び火する形で覚醒の音楽を鳴らしております。獣性むき出しの攻撃性とトランスめいた快感の双方が噛み合い、ガッツリと体を揺さぶってくるのが良かった。VJを合わせてこそ本来の力が発揮されると思いますが、これはこれで強烈な作品。

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Chelsea Wolfe『Abyss』

碇◯ンジくんと並んで暗いので安心してください感のあるウルフ姐さんの5作目。これまでの作品と比べても深い闇が一層の重圧感を持っていて、でも結局は姐さんの歌がそこから解放するような感触もあって癖になります。もはや一種のクスリ。暗黒ルネッサンスは今後も続く。

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MONOEYES 『A Mirage In The Sun』

 近年はthe HIATUSを中心に活動する細美さんを中心とした新バンド。音楽的には、ELLEGARDENの延長上にあるみんな好きなヤツです。僕としてはやっぱり懐かしい感触。「RUN RUN」聴いてうおー!っとなって、「明日公園で」を聴いてやっぱりみんな好きだ!ってなる。ライヴに是非とも行ってみたい。

METZ『Ⅱ』

 カナダ・トロントのオルタナティヴ・スリーピースの2ndアルバム。本作で初めて聴いたけど、凶暴な喧騒とアクセルをかなり踏み込んだスピード感がとにかく良い。勢いって大事やんみたいな。かつてのSub Popを蘇らせたかのようなグランジ~オルタナ系の爆音疾走サウンドは、刺さる人が多いはず。またライヴ映像を見ると、文系青年たちのヤケクソ感が強いのがおもしろかったり(笑)。

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清 竜人25『PROPOSE』

一夫多妻というコンセプトを大きく広げまくってのアイドル/J-POPのエクストリーム展開。ハーレムをワンダーランドに変えれたのは、清竜人だからなのでしょう。第一夫人推し。もう間もなく開催の倦怠期ツアー見に行きます。

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IZAH 『Sistere』

 オランダのアトモスフェリック・スラッジ/ポストメタル6人組の1stフル・アルバム。母国のRoadburn Festivalとかいう煙たく重たくてイケナイ祭典にも参戦済みの新進気鋭の実力派。全4曲全てが10分超えと敷居がかなり高い本作ですが、この手のバンドにふさわしい長編物語が繰り広げられております。静動速遅激美の落差が大きく、ダイナミックな構成で心臓のチューナーを狂わせる。極悪と極美でつづる約72分、衝撃的です。約31分に及ぶ#4「Sistere」は、Cult Of LunaとAltar of Plagueがタッグを組んだかのよう。

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溶けない名前『タイムマシンがこわれるまえに』

名古屋の歌謡シューゲイザー・バンドの1stアルバム。80年代の歌謡性、シューゲイザーの要素が主体ですが、そこに収まりきらない魅力に溢れています。こじらせた青春の妄想を文字に起こし、男女ツインヴォーカルや可憐なメロディがそれを膨らませて強烈に結びつけるのは、聴き手それぞれの胸に眠るノスタルジー。制作はレトロ感、80年代歌謡感をさらに意識したそうですが、以前の作品よりも思春期のあの頃へと向かう感触は確かに強い。そして、このバンドならではのゆるふわ感があり、親しみやすい音色の裏側に儚さと脆い狂気がしのばせられているのも特徴。

Mew『+-』

 デンマーク・コペンハーゲンの4人組による5年半ぶりの6thアルバム。氷のオブジェのような澄んだ透明感と芸術性を備えた音楽性、それにメインストリー ムを走れるポップ性と温かさを備えていて素敵。10分を超える大曲#9「Rows」なんてこのバンドでしか成し得ない曲でしょう。聴けば聴くほど深みにハマる清く美しい作品。

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envy『Atheist’s Cornea』

 激情系ハードコアとポストロックの錬金、エンヴィズムの集大成。20年を超えるキャリアの全てが詰まった力作。ライヴでは「次はガンダムの必殺技(照)」と恥ずかしそうに話し、3曲目の 「Shining Finger」を演奏してたのは、さすがに笑ってしまったけど(知らずにこのタイトルをつけたらしいです)。

Deafheaven『New Bermuda』

 ピンクのジャケットでオシャレぶってた前作(内容もポストブラックとはいえ、シューゲイザー要素が強めの配分)から、本作は原点への揺り戻しを感じるでしょうか。ポストハードコアやブラックメタルといった鋭利でアグレッシヴなサウンドを強化し、かと思えばシューゲイザーしてないわけでもなく、1st-2nd の中間地点のようなバランスの取れた作風という印象。ナンダカンダ言われてるけれど、頭ひとつ抜けてる感じあります。有無を言わせない一流の味。

NETWORKS『Dynamic Nature』

 ガットギター、シンセ、ドラムの編成による人力ミニマル・ミュージック・トリオの5年ぶりとなる2ndアルバム。2010年発売の前作は、個人的ベストアルバム第3位に選出するぐらい素晴らしかったですが、本作も素晴らしい。心も体も弾むこの変拍子パラレルワールドは、全世界全宇宙において無敵。 なかでもPhoenix + Energyからタイトルがきている#2「Phoenergy」が最高で、間違いなく踊りたくなる昂揚感で満たされます。

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Shizune『Le Voyageur Imprudent』

 プレイステーション(ファイナルファンタジー)で日本語を勉強したヴォーカルを含む、日本愛に溢れまくったイタリアのハードコア・バンドの1stフル・アルバム。12月下旬の来日ツアーに足を運んだということもあってライヴ補正が入りますが、Touche AmoreとRaeinの流れを汲む力強さと繊細さとエモさを持つバンドでカッコいいです。ライヴにおける切れ味と手数の多さは強烈だったし、井上陽水の「傘がない」を歌える程のヴォーカルのこじらせ気味の日本愛は、逆に見習わなければいけないかもしれません。ちなみに彼等の曲には「青木ヶ原」や「秋葉原」というのがあったりします。

ゆるめるモ!『YOU ARE THE WORLD』

 「ツラかったら逃げてもいい」というメッセージ、そしてニューウェーヴを基軸にしたアイドル・グループの2作目。昨年に発表した1作目からニューウェーヴどころではない幅広い音楽を包括しておりましたが、全17曲約74分にも及ぶ本作は、本当にいろんな音楽が耳に飛び込んできます。それは音楽ライターでもある田家プロデューサーが「フジロックのホワイト・ステージに出ても遜色ないものをやってるんだよってことを世間に知らしめたい」と語るほどに自信を持ったもの。1曲をあげるとすれば、やはりラストの#17「Only You」。ボアダムスを骨格にマイブラやHolyfuckをぶち込んで「すべて壊します」と叫ぶコズミックな大開放は、新しい宇宙を見せます。「たびのしたく」を終えたからこそ、この全17曲の特大ボリュームで紡ぐことができた狂騒と祝祭のYOU’LL ワンダーランド。

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Maserati『Rehumanizer』

 Temporary Residence所属のインスト4人組の6作目。ポストロックとクラウトロックとプログレとサイケを並列にして表現し、快感中枢を高速で刺激し続ける彼等ですが、今回はよりビンテージな感じするかな。海外のサイトでは”retro-futurist sound “なる形容もされておりましたが、レトロ趣向がこれまでの持ち味と咬み合って、音楽性がさらに発展していく → バンドとしての魅力がさらに増す。そうした形をMaseratiは続けております。今回はヴォコーダを使った歌入りの曲もあり。

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Presence of Soul / All Creation Mourns

 国内外で活躍する日本の轟音系ポストロック・バンドの7年ぶり3作目。シューゲイザーの甘さと幻想性に目眩を覚えることもありますが、Year Of No Lightにも比肩する重音製造兵器ぶりが目立つ衝撃作で驚きました。想像以上にヘヴィです。それでも、Yukiのヴォーカルが女神のような慈愛に満ちた歌で寄り添い、Lauraのメンバーを含むゲスト陣によるストリングス隊が参加してたりで、曲の終盤で壮大な希望と救済を与えるところが良いですね。ラストを飾る「Circulation」は涙腺が緩みます。

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The Black Heart Rebellion 『People, when you see the smoke, do not think it is fields they’re burning.』

 ベルギーのエクスペリメンタル~ハードコア・バンドの3作目。タイトルの和訳は「野を焼くと人な思ひそ一と煙」で、日本の俳人・北川楳價(ばいか)による辞世の句からの引用。初期は完全にハードコアでしたが、前作からアヴァンギャルドな方向性を見出し、本作にてハードコアではないどこかへと胸を焦がして、禅なる別天地へ完全に行きました。パーカッションを中心に強化した独特の民族風リズムを主体にして、実験~宗教音楽に密接してきたサウンドは、新たな到達点にきております。ちなみに本作品は、CVLT Nation「AVANT GARDE Releases of 2015」の第1位に選ばれております(総合でも4位)。

cali≠gari『12』

 武井氏の衝撃の脱退があり、第8期として再始動したcali≠gariの3年ぶりのフルアルバム。1曲目の冒頭から「死ねばいいのに~♪」と歌っているけど、メジャー発売であります。80’sを手引にしてJ-POPとニューウェイヴをグラマラスかつエッジィに昇華するエンターテイメントの痛快さ、 そしてアダルト・ヴィジュアル系の側面を強化した充実作。第8期もとりあえず安心ですね。

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Bring Me The Horizon 『That’s The Spirit』

 デスコアから00年代オルタナティヴへの変容。わかりやすくメジャー感を伴った音楽性へとシフトしていますが、その変化を肯定したくなる説得力を個人的には感じていてとても気に入った作品です。「Throne」とか間違いなくリン◯ンなんですけど、これではこれでカッコいい。前述した「Drown」が本作でベストですが、冒頭の「Doomed」もモダンなテクスチャーを構築していて好きですね。

お読みいただきありがとうございました!
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