カナダ・トロントを拠点に活動するシューゲイザー/ドリームポップ・バンド、the nevermindsの来日ツアー初日・名古屋は鶴舞DAYTRIPへと足を運びました。先月に出向いたSVALBARD来日公演と同会場。
かねてから日本の音楽や文化からの影響を公言しているバンド。本日の公演中にherveilのMCで語られましたが、日本好きだからツテがない中でも無理にでもツアーに出たと語っていました。そんな無謀ツアーだからこそ輝きと感動が生まれるといいますか。
加えて、名古屋周辺でシューゲイザー/ドリームポップのイベントを企画するDREAMWAVESが大きく貢献。過去20回を超えるイベント数で得た安心と信頼の実績はさすが。とはいえ、わたしは初めて行きましたが(汗)
本日はthe nevermindsをトリに、6バンドが出演。herveil以外は愛知県のバンドのはず。間違ってたら言って。全バンド持ち時間30分。スケジュールは以下の通り。気になったバンドについてざっくり書いていきます。ちなみにthe nevermindsは予習しましたが、リリース時にちらっと聴いてるsoftsurf以外は全く何も知らずにみてます。
ライブ感想
Blurred City Lights
2022年結成、名古屋のシューゲイザー3人組。今年2月に1stフルアルバム『天使のいない街で』を発表しています。
絵本から飛び出してきたような天使系純白シューゲイズがもたらす癒しとカタルシス。メンバーが影響元に羊文学とシガーロスをあげられていますが、音と歌の背景は確かにその系譜にあるのを感じさせます。デリケートなタッチで叙事的に。そして迫力のある音圧でもっていく。
添えられる可憐なメロディと歌声は物語のこれ以上ない案内役として、パウダースノウのように降り注ぐ。黒という色、それに雑菌や汚れの一片すらも許さない”白の世界”。浄化浄化浄化からの轟音で満たされた30分となりました。
softsurf
活動8年目となる名古屋のシューゲイザー5人組。先に個人的なことを話しますと以前に某所で開催されたヴィジュアル系勉強会でご一緒して以来、ベースの方とは知り合いです。・・・のわりに初めてみます(前のバンドはみてる)。
通常は前述したように5人組ですが、この日はお休みのためにトップバッターとして出演したNight Gloryから桃さん(Vo&Syn)とけいやさん(Gt)がサポートする6人編成でした。ライブ自体は半年ぶりのようですね。
6バンドの中では最も王道なシューゲイザー/ドリームポップという印象で、トリプルギターの分厚い音で包み込み、男女ヴォーカル+コーラスで包み込む。軽快な疾走曲もミドルテンポの曲もジャンル特有の煌めきと甘美さが乗っていて、正統派をより印象付ける。私的には一番最初の曲が好みでした。
2024.6.8
— softsurf (@softsurf_music) June 9, 2024
the neverminds Japan tour 2024 in NAGOYA
at 鶴舞DAYTRIP
-softsurf set list-
1. Blue Swirl
2. Beautiful Day
3. Hello My Shadow
4. Song for the Star
5. Momentrail
6. Dawn of the Sun
今回、ライブ写真をUnoさん(@thee_uno)に撮影していただきました。
ありがとうございます! pic.twitter.com/wGHZWYmpaJ
herveil
横浜を拠点に2022年よりライブ活動を開始した4人組。メンバーにはパンク・エモ・ハードコアシーンで活躍してきたflorence、Acleのメンバーが在籍しているとのこと。ただ、それらのバンドのことは存じ上げなくて申し訳ない。
見た目/ファッションが今どきの若者という印象。ですが、出している音が一番好みだったのはherveilでした。NothingやWhirr系のヘヴィ・シューゲイズにちょっとJesu入ってる感じ。重さとイカつさのある音をスロウテンポで操縦・展開していくのが響きます(途中で1曲だけ疾走曲があった)。そこに乗るmoehaさんのウィスパー系ボイスは、繊細さの裏に情念が込められる。それがヘヴィ一辺倒ではない祈りの音楽へと昇華。
そんな中でスロウコアに通ずる静と緊張感にも遭遇する。空間を枯らす場面と満たす場面を繰り返す中で、herveilの音響に身体も心も浸っていく。先月のLOST COASTの来日ツアーに出てたのも納得します。この日の体感から2022年12月にリリースされているEP『SWIRL』をようやく聴いてますけど、とても良いですね。
the neverminds
トリにthe neverminds。体感してみて思ったのは予想以上にラウドなバンドだということ。まずドラムが重くて迫力があり、長身のギタリストはヒーローかよと思うぐらい弾きまくりで魅せまくり(途中で弦を切ってしまう)。ベースの彼は堅実なプレイぶりでMCでよくしゃべる(マイニチ、ファミチキ)。
バンドの顔として中央に位置するJinnyさんは繊細な歌声を乗せる。日本語も堪能でしたね。いきなりボウイング奏法もやりだすし、予想外のこともやってのける。
音の印象としてはシューゲイズというよりはオルタナっていう側面の方が強かったような。「somewhere」とか「melt」はそんな感じ。ただそれ以上に日本人に響くメランコリックさがあって、本編ラストで演奏した「endroll」はひたすらセンチメンタルなフレーズが連呼されて涙腺直撃。アンコールではなんとslowdive「Alison」をカバーしてたし、機材不調もありましたが30分がとても早かった。
しかし日程を見ると週末ライブで2週間ぐらい滞在するみたいですが、滞在費はどうしているんだろうと気になっている今日この頃です。本記事をアップした段階で残り5公演ありますので、お近くの方はぜひ。