D’espairsRay、ダークと破壊をコンセプトに国内外に挑んだバンド

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 1999年9月9日に結成されたヴィジュアル系ロック・バンド。バンド名は絶望と光に由来し、”ダークと破壊”をテーマに活動。ニューメタル寄りの重厚なサウンドにゴシック、インダストリアル要素を交え、そこに乗るヴォーカルHIZUMI氏の歌やシャウトが体と心を揺さぶる。

 活動初期から海外も含めた活動を展開。ヨーロッパのメタル・フェスティバルに出演があり、2006年にWacken Open Air、2007年にTUSKA OPEN AIRを経験。また2008年にはアメリカのTaste Of Chaosツアーにも参加。

 バンドは4枚のフルアルバムを発表しますが、Vo.HIZUMIの喉の回復が見込めないため、2011年6月を持って解散。それからおよそ3年後となる2014年7月開催のAngelo主催イベントで一度だけ復活しています。現在はそれぞれに活動していますが、ドラムのTSUKASA氏が”最上川司”名義でヴィジュアル系演歌歌手として活動したことが話題になりました。

 本記事は全フルアルバム4枚について書いています。

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目次

Coll:set(2005)

 1stフルアルバム。全14曲約64分収録。当時から”ダークと破壊”をコンセプトに制作。00年代前半からヴィジュアル系がニューメタルの影響で重低音化していく中、彼等もその潮流に乗る。HIZUMI氏のシャウト、トライバルなビート、弦楽隊の重厚なサウンドメイクを軸にしたメタル寄りの強度がありますが、シンセサイザーや効果音を頻繁に用いています。

 その影響でゴシック&インダストリアルな意匠は強く、闇に没入していく雰囲気は強い。ただ、その闇はDIR EN GREYやMUCCとは違うもので、負の感情から来るというよりは宗教やホラーめいたものがあります。#6「Garnet」で顕著ですが、音や雰囲気からしてもマリリン・マンソンは近しい印象を受ける。

 また#5「月の記憶」や#10「灰と雨」では、ヴィジュアル系由来の艶やかなリリシズムと歌メロが噛み合っていることを示しています。しかしながら一番の持ち味は#2「Dears」~#4「Grudge」辺りのゴリゴリの圧、獰猛なシャウト、ミクスチャー感を醸す打ち込みが組む異色のヘヴィネス。

 後のピコリーモ勢に転用されていそうな#9「Forbidden」みたいな曲もおもしろい。アルバムとしても一貫した雰囲気が通底しているのも見事。本作リリース後の2006年8月にヨーロッパ最大のメタルフェス”Wacken Open Air”にこの年唯一の日本人として参加。

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Mirror(2007)

 2ndアルバム。全12曲約56分収録。ミドルテンポ主体だった前作よりも全体的にスピード感があり、歌ものが増えています。いい意味でスリムになって風通しが良くメロディアスな作品に仕上がりました。闇成分は薄まってますが、ヘヴィな圧力とインダストリアル~ゴシックな旨味はしっかりと乗っけている。

 #1「DAMMED」は前作の儀式的なムードを引き連れるゴリゴリナンバーで、マンソン・リスペクトな#4「Sixty-Nine」はシャッフル・リズムを軸に途中で大胆な転調を挟む。それでも本作で前面に出ているのはメロディアスな主張であり、バンドとして強化してきたのは”歌”の側面だと感じます。

 #2「TRICKSTeR」はハードながらも疾走感ある歌ものとして機能し、シングル曲#5「凍える夜に咲いた花」と#11「Squall」にはその狙いが明確に反映されています。この辺りは王道のヴィジュアリズムの表れ。表題曲#3「MIRROR」は前作と本作の中間に位置する味付けが成された代表曲。

 掲げるコンセプトを維持しつつ、良い意味でアクが抜けて聴きやすくなったので本作から入るのもあり。1st派か2nd派に分かれるのも納得です。

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REDEEMER(2009)

 3rdアルバム。全12曲約55分収録。タイトルは日本語訳すると”救世主”の意。遅まきながらのメジャー・デビュー作ということが手伝ってか、前作を引き継いだ路線でさらにキャッチーな楽曲が充実しています。ということで逆に”ダークと破壊”・・・?状態になってしまいました。

 閉塞感よりも開放感、闇よりも光の方が勝っていると確実に感じるぐらいです。それもあって評価が分かれる作品。インダストリアルよりはシンフォニックという表現の方が似つかわしいシンセの使い方が目立ち、#8「HORIZON」や#10「夜空」はどこのラルクかと思う歌メロがリードしています。

 それでも小粋なチャラい感があり、以前よりもわかりやすくストレートに伝わる良さがある。加えて#4「琥珀」や#7「R.E.M -冬の幻聴-」といったバラードが以前よりも存在感を発揮しています。

 マニア向けではなく、大衆へ向けた歌や音像の整理が成されている。初期のサウンドの重厚さや暗黒を期待していると物足りなさを覚えることは確かです。海外人気の高かったディスパですが、メジャー以降の明らかな変化があちらではどう捉えられていたかは気になるところ。

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MONSTERS(2010)

 4thアルバムにして最終作。全10曲約40分収録。”アグレッシブで芯の太いアルバムを作ろう”という言葉がokmusicのインタビューに残ります。発言通りに前作よりは激しさや重みを取り戻していますし、シャウトの使用頻度も増えていますが『Coll:set』まではいかず。

 初期のアングラな雰囲気も引き続き薄く、むしろチャラくなってないかという印象の方が強いです。同時期に活躍したギルガメッシュ辺りの影響があるのか。電子音はディスコ風モードが増え、ダンサブルな要素をさらに強化。#5「DEVILS’ PARADE」や#6「dope」で感じ取れる異国情緒もまた変化の証。ヴィジュアル系ロック+ミクスチャー+メタルコア+ダンス的な要素が混成し、彼等なりのモダンなロックとして昇華。

 ヘヴィネスに乗せてあやまんJAPANよりも先にデスの”ポイ”していた#2「DEATH POINT」のインパクトはなかなか。シングル曲としてはアゲアゲ・タイプの#4「LOVE IS DEAD」、アニメ主題歌にも起用されそうなポップさと疾走感を持つ#9「FINAL CALL」の2曲収録。

 やはりメジャー以降2作品はバンドとしてのアプローチの変化を如実に感じさせます。それゆえにファン心理としては肯定的-否定的に揺れる部分があるのは仕方がない。結果的に最終作ですが、この先の変化がどうなっていたのかは知りたかったことでもあります。

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