1995年から活動を続けるドイツのザールフェルト出身のメタルコア・バンド。バンド名はMardukのアルバム『Heaven Shall Burn… When We Are Gathered』に由来する。
Caliban、Maroonと並んで3大ジャーマン・メタルコアバンドと評される音楽性であり、デスメタル色の強いサウンドが聴き手をねじふせる。これまでに全9作のオリジナル・アルバムを発表しています。
本記事では現在のところ、2nd、5th、6thアルバムの計3作品について書いています。
アルバム紹介
Asunder(2000)
1stアルバム。
Whatever It May Take(2002)
2ndアルバム。いやはやこの徹底した残虐無比っぷり。ポップやキャッチーなんて言葉を全く感じさせないデス・メタリック・サウンドを全編貫いています。
絶対零度とよべるぐらい冷たく無慈悲なサウンドが所狭しと暴れ狂る。この残忍なエネルギーは一体どこから出てくるのか?
ザクザクと刻むギターリフ、全身を焼け焦がす絶叫スクリーム、ノせるなんて優しさがみじんもないリズム。それらの波状攻撃は破壊力がずば抜けています。
その中にもイエテボリ・スタイルとおぼしき叙情性も組み込まれ、かすかに感じさせる哀愁。ちろんそれは前述したとおりこの獰猛さがあってこその事で、これほど攻撃に特化した作品を作るとは痛快の一言。
この先、CalibanやMaroonと共にジャーマン・メタルコアと呼ばれていますが、特にデンジャラスな香りを振りまいてるのはHSBですね。
Antigone (2004)
3rdアルバム。
Deaf to Our Prayers(2006)
4thアルバム。
Iconoclast(2008)
5thアルバム。北欧メロデスからの影響を感じさせるブルータリティとメロディの混合が肝ですが、やはり徹底して容赦の無い獰猛さが持ち味です。
メタルコアとはいえ、デス度の高いサウンドで一網打尽。まるで“地獄列車にでも乗せられてしまった”と錯覚するような戦慄の光景が浮かんできます。
荘厳で儚いピアノインスト#1から、怒りと衝動を全解放した凶悪ナンバー#2の流れは全くと言っていいほど容赦がありません。
#2の勢いそのままに猛進する#3、小気味よいリズムとザクザクのギターリフで突き進む#4、激烈さと叙情性が融合した#5、ブルータルさと慟哭の共存#6、壮絶な肉弾戦を思わせる激烈チューン#12とオススメの楽曲は多い。
ストリングスがメランコリックな氾濫を起こす#13、ドラマティックなインスト#14とラスト2曲はこれまでの楽曲とは違うアプローチで作品を締めくくります。ちなみに#9「Black Tears」はEdge of Sanityのカバー。
Invictus(2010)
6thアルバム。前作『Iconoclast』の続編ですが、やってることはほとんど変えません。これぞ不変の美学。
作品を出すごとに軟弱化するメタルコア・バンドが数多いる中で破壊神であることを選び続けています。ブルータルなリフを繰り出し、ツーバスを含みつつもミッドテンポで怒涛の猛進。
そこに北欧の叙情性をポイントで取り入れることで、楽曲や作品の強度をビルドアップしています。エクストリームな攻撃性に焦点を絞っているため、メロディアスな味付けは小さじぐらい。
しかしながらインダストリアル、テクノ/トランス要素も隠し味に混ぜていて、それはそれでいい塩梅。#11におけるゲストのフィメール・ヴォーカルとエクストリームな絶叫との対峙もまた驚きと新鮮さを与えています。
前作の#2「Endzeit」のような必殺曲はないにせよ、血が騒ぐケンカっぱやさはさすが。昔から頑固一徹の一品料理ではあるが、新旧共に納得する作品を安定供給しています。
Veto(2013)
7thアルバム。
Wanderer(2016)
8thアルバム。
Of Truth And Sacrifice(2020)
9thアルバム。