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熱いロックを心に、SIAM SHADE

 1993年に結成された5人組ロック・バンド、SIAM SHADE。インディーズ時代から卓越したテクニックを軸としたハードロック・サウンドで頭角を現し、1994年に発表したミニアルバム「SIAM SHADE」がオリコン・インディーズチャート2位を記録します。

 1995年にソニーからメジャー・デビュー。1997年11月に発表したシングル「1/3の純情な感情」がアニメ・タイアップも手伝って約80万枚の大ヒットを記録。以降もコンスタントにヒット曲を送りこみます。2000年7月には韓国・釜山国際ロックフェスティバルに日本人として初めて参加して話題となります。

 2001年12月にふさわしいバンドになるまでステージに立たないと決めていた日本武道館公演を達成し、それを機に解散を発表。2002年3月に再度の日本武道館公演を経て、解散。しかしながら、2007年、2011年、2013年、2015~2016年と期間限定で再結成をし、ファンを喜ばせてくれました。現在は2016年10月の公演を最後にSIAM SHADEの活動を完結ということで、各自活動されています。

 わたし自身は、解散してからの復活公演は幾度も参加しました。特に2007年と2011年の公演が感動的でしたね。SIAM SHADEの何が凄いって、解散してから日本武道館を上回るキャパシティのさいたまスーパーアリーナを満員で埋め尽くしていること。彼等の音楽が時を経て評価されていったことの証だと思っています。本記事はそんなSIAM SHADEの作品について書いています。

目次

SIAM SHADE(1994)

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 オリコン・インディーズチャート2位を記録した6曲入りのミニアルバム。ジャケットのインパクトから通称“黒猫アルバム”と言われています。初期はVo.栄喜さんが”CHACK”と名乗っていたりするし(SIAM SHADEⅡの頃までかな)、ヴィジュアル系っぽいメイクしていたりします。

 SIAM SHADEらしいエッジの立ったサウンドは早くも確立。哀愁を帯びたハードロックを基調にし、テクニカルな展開もお手の物。#1「NO CONTROL」や#2「Imagination」はバンド後期、復活後でもライヴで頻繁に披露されるぐらいに馴染みのある曲です。

 初期衝動に満ち、2002年3月の解散公演でも演奏された#6「LOSE MY REASON」もインパクトがある。初期は、もろにハードロックですが、陰りと切なさを併せ持つメロディがいい味を出している。#5「時の川の中で」では栄喜さんとKAZUMAさんの絶妙なツインヴォーカル・スタイルが板についています。

 前述したようにバンドの基盤が本作である程度は完成。高校生の時に代表曲「Don’t Tell Lies」をつくったぐらいだから、当時から彼等のレベルの高さに驚く他ありません。インディーズとは思えないクオリティを持つ初期の名作。

 ちなみに本作は、2012年4月にスタジオ未収録の初期音源3曲を追加&リマスターで再発されている。なかでも、2011年10月のさいたまスーパーアリーナでの再結成公演のオープニングSEに使われた、「LIGHT FOR CLOSED YOUR EYES」の収録が嬉しい。

SIAM SHADE Ⅱ(1995)

 ソニーからメジャー・デビューを果たし、これが1stフルアルバム。全12曲収録。本作は2枚目のアルバムということで、Ⅱ。以降もミニアルバムとフルアルバムの区別なく、アルバムは出したらⅡ、Ⅲと順番にタイトルがつきます。

 インディーズ期からのメロディアスなハードロックという路線は大きく変えてません。デビューシングル#11「Rain」でも聴けるように、切ないメロディと疾走感のあるサウンドが特徴。哀愁を帯びたツインギターの仕事ぶりだけでもお腹いっぱいになりそうだが、変拍子や複雑な展開をものともしない安定したリズム隊、伸びやかでエモーショナルな栄喜の歌唱(先輩のRYUICHIをちょいと意識してる感じ)と、前作からビルドアップされてます。

 この時点では、ブレイク前だけに世間に知れ渡ったような有名な曲こそありません。けれども、#3「CALLING」なんて初期のSIAM SHADEを表現している切ないハードロックですし、ソフトで歯切れのよいメロディが印象的な#2「TIME’S」、LUNA SEAっぽいクリアなメロディが光る#5「夢の中へ」、メロディアスなバラード#7「大きな木の下で」も良い味わい。

 イントロのリフから痺れるメジャー・デビューシングル#11「RAIN」等々、楽曲は粒ぞろいです。切なげハードロック路線を推すファンも多く、初期の重要なアルバムです。本作にしかない疾走感と哀愁が癖になる。

SIAM SHADE Ⅲ(1996)

 「このサウンドは、もはや犯罪だ。」というキャッチコピーがついた約1年ぶりとなる2ndフルアルバム。全9曲収録と全フルアルバムの中で一番曲数が少ない。しかし、ライヴ定番曲が多数収録されていて人気が高い作品です。

 L.A.レコーディングもあってか、前作よりも厚く骨太なサウンドに進化。海外を見据えたヘヴィさがあり、ずいぶんとアグレッシヴな仕様で後のミクスチャーロックに通ずるような手触りもあり。卓越したテクニックを活かした構成、体育会系の熱量。しかしながら、メロディラインは実にSIAM SHADEらしいものがあります。

 キャッチーなメロディと絶妙なツインヴォーカルで軽快に疾走する#2「LOVESICK -You Don’t Know-」はライヴ定番曲にして名曲。#5「PRIDE」もプロレスのタイアップに使われそうな肉体派の曲でこちらもライヴ定番曲です。高校時代につくった曲をさらにヘヴィに進化させた#9「Don’t Tell Lies」は、SIAM SHADEのライヴになくてはならない重要曲として君臨。ほとんどのライヴの最後がドンテル(こう略されている)でしたね。

 また、後にシングルカットされた#1「Why not?」ではエロ歌詞とハードなサウンドで攻めるし、イントロにシンセを使って今までにないテイストを出した#5「Sin」も収録。アグレッシヴな音作りに特化した分、前作の流れを期待した人からするとがっかりする部分もあるけど、外タレにひけをとらない芯の強さをみせた作品です。

SIAM SHADEの男性限定ライヴの映像。暑苦しいむさ苦しい。でも、それがいい(笑)。

SIAM SHADE IV・Zero(1998)

 アニメ「るろうに剣心」のエンディングに起用されたことで約80万枚の大ヒットを記録したシングル「1/3の純情な感情」を収録した3枚目のフルアルバム。全11曲収録。メジャー・バンドとして一気に駆け上がったことが影響してか、ポップな要素を上手く昇華した作品に仕上がっています。

 驚くほどにキャッチーな曲もあれば、「1/3の純情な感情」で気になった人々を一蹴するようなメタル曲もあるし、マニアックなプログレ曲、哀愁たっぷりのバラード、ひたすらテクニカルなインストとこれまでの作品と比べても多彩な内容です。明石昌夫氏プロデュースの効果もあるのか(プロデュースは本作にも収録されているシングル「PASSION」から)。

 楽曲はいい意味でメジャー仕様ですが、変拍子やギターソロ等でらしい味付けで、自らの音楽性をしっかりとリスナーに提示。魂までは売ってない的な。2007年リリースのベストアルバム人気投票でトップを走り続けた#1「Dear…」を筆頭に、バンド最大のヒット曲#3「1/3の純情な感情」、間奏がめちゃくちゃカッコイイ#4「Bloody Train」、Dream Theater張りのインスト#7「Virtuoso」等を収録。

 歌詞とゴリゴリのサウンドでグイグイと攻める#10「PASSION」から、まさしく魂の叫びと熱唱#11「Shout Out」というラストの流れは熱すぎます。全体を通しても非常にバランスが良く、「1/3の純情な感情」で獲得したファンをしっかりと繋ぐ作品に仕上がっていて、オリジナルアルバムの中で一番入りやすい。オリコン初登場3位を記録していて、アルバムとしては売上枚数が一番多い。

 それにしても「1/3の純情な感情」リリースから24年近く経ってますけど、YouTubeで検索してみるとカバーの百花繚乱ぶりが凄い。時代を超えるとは、こういうことなのかと。

SIAM SHADE Ⅴ(1998)

 「グレイシャルLOVE」「Dreams」「NEVER END」と次々とヒットシングルを連発し、約11ヶ月という短いスパンでリリースした5thアルバム。全12曲収録しており、マスタリングはTed Jensenが担当。いやはや、年内にフルアルバム2枚ですか。

 #1「BLOW OUT」、#2「Monkey Science」と冒頭からハード&ポップに疾走する本作。前作と比べると幾分かハードロックに回帰している印象はあります。けれど、マニアックな嗜好がさらに発揮されているのは彼等だからこそ。卓越した技術を駆使してポイントは抑え、バンドマンが喜ぶようなテクも随所に入れています。

 HR/HM色を必要以上に削ぎ落すことなく、ここまでポップと巧みに折り合いをつけるのは職人技と言っていいのかもしれません。バリバリの変拍子で押してくる#4「NEVER END」をシングルで出せるのは、SIAM SHADEぐらいだろうし。また、高い技術力の結晶であるインスト#6「Solomon’s Seal」や三柴理がピアノで参加した美しいバラード・ナンバー「Tears I Cried」等も収録しており、楽曲の多彩さは前作と比べても遜色なし。

 突き抜けるような爽快感とポジティヴなメッセージに背中を後押しされる#11「Dreams」から、故・hide氏に捧げた#12「Grayish Wing」での締めくくりも見事。緊張感が走るピアノのスタートから、哀愁疾走ロックで切に想いをこめて歌いあげる。飛翔感のある終盤には胸を熱くさせられてしまう。ファンならずとも耳にして欲しい1曲。

 本作も前作『SIAM SHADE Ⅳ』と並んで入門盤にオススメしたい。

SIAM SHADE Ⅵ(2000)

 最後のオリジナル・アルバムとなってしまった1年8ヶ月ぶり5枚目のフルアルバム。これまでと違う試みとしてヘヴィかつハードなDISC1、ポップ・サイドの曲を集めたDISC2という2枚組仕様となっています(共に8曲入りの全16曲を収録)。

 全てのHR/HMファンに捧ぐ。そんなキャッチコピーもつけたくなるDISC1は、そんじょそこらのバンドが束になってもかなわない破壊力が備わっているます。流行していたモダンヘヴィネスを柔軟に取り入れながらも、技巧派集団によるテクニックとセンスで昇華したメタル・チューンのオンパレード。マニアックな展開、前作から一段も二段もヘヴィになったサウンドに打ちのめされます。そして、男性から支持を得る暑苦しさも変わらず(笑)。

 新たなバンドの代表曲としてバンド後期を支えた#1「GET A LIFE」を始め、#3「Outsider」、#5「Allergy」、#6「BLACK」と彼等らしいスパイスを交えた攻撃的な楽曲が並びます。その中で、メロコア風の#2「Fine Weather Day」がいい味を出しており、相変わらず超絶と言いたくなるインスト・ナンバー#8「Triptych」まで隙はありません。

 対する2枚目は、ポップ・サイドだけあってキャッチーな楽曲をそろえています。しかしながら、ただただ単にポップじゃない。その象徴といえるのが#3「せつなさよりも遠くへ」で、DAITAさんがサビ始めからタッピングの嵐でギター弾きの度肝を抜きますが、全体を通すと非常にポップかつメロディアスに昇華しています。個性がポップに埋没してしまうようなバンドでは決してない。

 SIAM SHADEⅡ期の叙情的なハードロック調を深化させたような#2「MOON」は胸に訴えかけるものがあるし、掛け合いのツインヴォーカルが決まる#5「1999」のような曲も揃っており、曲調はDISC1に比べると豊かなのも良い。締めくくりは、深田恭子さん主演のドラマ主題歌になっていた#8「曇りのち晴れ」。強いメッセージ性に満ちたサビが胸にじんとくる泣ける1曲です。

 わたしとしては本作が最高傑作だと思っています。ですが散漫であったり、方向性が見えなくなったと言う意見もあるので、やはり人それぞれというところでしょう。

SIAM SHADE Ⅶ(2000)

 既存の楽曲を全曲英詩に変更した5曲入りミニアルバム。リマスタリングは、N.Y.の巨匠ロック・エンジニア、ジョージ・マリノが手がけています。こういう企画モノって、オリジナルと比べるので賛否両論が巻き起こりますが、わたしとしてはアリ。

#1「LOVESICK -You Don’t Know-」は爽快感とパンキッシュな勢いが増しているし、#2「Bloody Train」や#3「PASSION」はさらに攻撃的に変化。英詞に変わったことでまくし立てるように歌っているのもあって、スピード感が増している感じもします。なかでも本作の肝となっているのが、#4「Don’t Tell Lies」と#5「GET A LIFE」の2曲。もともと全編英詞で作られていてゴリゴリなロッキンチューンでありますけど、ヴォーカルの再録と再アレンジによってさらに良くなっています。特に#4は段違いの破壊力。

 リマスタリングの効果もありますが、既存の楽曲はかなり引き上げられています。もうちょっと曲数を増やしてリリースしても良かったかなと思うところ。

SIAM SAHDE Ⅷ B-SIDE COLLECTION(2002)

 シングルのカップリング曲を集めたタイトル通りのB面集。全15曲収録。アルバム未収録のシングル「RISK」が15曲目になぜか収録されています。カップリング曲からもライヴで演奏する定番曲が多く、#1「PRAYER」や#6「D.Z.I.」、後期では#13「JUMPING JUNKIE」等は必ずライヴで披露されていて、人気も高い。

 さすがにカップリング集ということもあって、シングルではちょっと・・・・となるような重厚でハードな楽曲が大半を占めているのが特徴的。#1「PRAYER」なんてデビューしたばかりなのに、既にこんなにも力量があるのかと驚かされる秀曲でありますし、「Don’t Tell Lies」と並んで強力メタル・ナンバー#6「D.Z.I.」は、2002年3月の解散ライヴで最後に演奏したぐらいに重要。

 それにテレビ朝日系『ワールドプロレスリング』のテーマソングに使われた#13「GET OUT」も、これぞSIAM SHADEという漢気に満ちたヘヴィ・ロックです。もちろん手抜きなど一切無し。バンドマン達が喜びそうな痺れる曲は多い。加えて#4「D.D.D.」や#5「ブランコ」のような切なげハードロック、「LOVESICK」ばりの爽快な疾走感が気持ちいい#8「Happy?」、KAZUMAさんがメイン・ヴォーカルを取る「OVER THE RAINBOW」も収録。

 寄せ集めなので時期による趣向は感じ取れるにせよ、多彩な曲調でオリジナルアルバムと変わらぬ感じで聴けるのが嬉しい。続くシングル・ベストとともにしっかりと聴いて欲しい作品。

SIAM SHADE Ⅸ A-SIDE Collection (2002)

  2002年3月10日の日本武道館公演にて解散を迎えたSIAM SHADEのベストアルバム第2弾。メジャー・デビュー・シングルの#1「RAIN」から、メジャー6年半の活動で発表した全16曲のシングル曲を発売順に収録。ジョージ・マリノによる全曲リマスタリング。

 #4「RISK」を除いて、#1「RAIN」~#13「せつなさよりも遠くへ」まではオリジナル・アルバムに収録された曲になる。2000年リリースの『SIAM SHADE Ⅵ』が最後なので、本作では2001年以降に発表したシングル#14「Life」~#16「LOVE」の収録が役割として大きい。

 結成当初からのメロディアスなハードロックを基盤に洗練と成長を重ね、収録された16枚のシングルだけでも曲調はバラエティに富んでいます。メジャー感のあるポップな曲もあれば、売れるのを度外視したゴリゴリのロックもあるし、卓越したテクニックを集約したような曲もある。「1/3の純情な感情」が売れすぎたので勘違いされがちですが、シングルを順に聴いてくだけでもバンドの力量が存分にわかる仕様。

 彼等を語る上で絶対に欠かせない楽曲が#14「Life」です。「人生」をテーマにしたこの曲は、静かなイントロから徐々に感情が高まっていく壮大な展開を持つ。ミディアムテンポのなかで魂のこもった演奏と歌が胸を強く震わせます。サビの栄喜の叫び、DAITAのギター・ソロ、情熱的なアウトロには何度涙腺が緩んだことか。

 わたしは高校1年生だった2001年のシングル・リリース時に聴きましたが、生涯を通してどれだけ聴いてきたかわからないぐらいに、「Life」に人生を鼓舞され続けてきました。自分にとって一生連れ立っていくようなそんな曲です。だからこそ、SIAM SHADEのことをよく知らない人にはまずこの「Life」を聴いていただきたいのです。

 男気に溢れたアグレッシヴな#15「アドレナリン」、ファンへの感謝を込めたバラードであるラストシングル#16「LOVE」で締めくくられる。SIAM SHADEが歩んだロックの道をしっかりと辿れる、シングル集。

SIAM SHADE XI COMPLETE BEST 〜HEART OF ROCK〜(2007)

 最初の再結成ライヴ時にリリースされた2枚組ベストアルバム。一番に入門編に適し、SIAM SHADEへの理解度が高まるのがこれ。ファン投票によって選曲された全30曲を収録。しかしながら、30位までに入ってない曲も収録されていたりするので、その辺はバランスみてSIAM SHADEらしさを押し出した選曲にはなっています。

 コンプリートベストだけあるし、ファン投票で選ばれた曲なのでほぼ納得するものです。だからあまり語ることはないんですけど、とりあえずこれを聴け!と言いたいがために本記事に入れてます。

SIAM SHADE XII ~The Best Live Collection~(2010)

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 メジャーデビュー15年を記念しての初のライヴ・ベストアルバム。2枚組で全26曲を収録。主に1999年の代々木第一体育館、2000年8月に男性限定で行われた「LIVE男樹」、2001年12月の初の日本武道館公演、2002年3月に行われた日本武道館公演からの収録。これまで未発表だったライヴ・テイクも入っています。

 初収録となる音源は26曲中5曲。大半はDVDで既に発売されたものからの抜粋なので、持っているファンからするとあまり購入意欲をそそられないかも。ただ、彼等のライヴを体験したことない人にはもってこいの作品であるのは間違いないです。

 選曲は「Life」が収録されてないこと以外は、妥当だと思います。、IAM SHADEのライヴバンドたる力量や所以を感じ取れる内容。解散ライヴの1曲目を飾る#1「GET A LIFE」から始まって、代表曲である「Don’t Tell Lies」までの全26曲。当然、「1/3の純情な感情」や「Dreams」のように世間的な代表曲は入ってるわけだけど、「大きな木の下で」や「Sin」のような意外な初期曲が収録されていたりもするし、超絶インスト「Virtuoso」が収録されている点も嬉しい。

 聴いていてもスタジオ音源よりもさらに激しさと熱さが増す楽曲がどれだけ多いことか。なかでも、ライヴでも定番の流れ「PRAYER」「PRIDE」はスタジオ音源を遥かに凌駕するかっこよさ(本当は「GET A LIFE」と続くんだけども)。曲順には??が浮かぶ部分もあるけれど、オーディエンスとの一体感がしっかりと伝わってくる点は良いですね。

Still We Go(2013)

  オリジナル曲としては、2001年11月に発表したシングル「LOVE」以来となる12年ぶりのニュー・シングル。iTunesを始めとした配信限定でのリリースが基本となっています。12年ぶりとなるライヴ・ツアー『HEART OF ROCK 7』の各会場にてパッケージとしても限定販売されました。

  「希望も 未来も 前にしかない」という詞からもわかる通りに、後ろを振り返ることなく、明日を力強く生きていくことを歌ったメッセージ性の強いロック。彼等らしい超絶テクニックを散りばめたわけではないし、ゴリゴリのメタリックなサウンドというわけではない。「Dreams」や「曇りのち晴れ」のようなシングル曲に近いポップでメロディアスなナンバーです。

 さらにつけ加えるなら、ここ最近の栄喜ソロの流れも汲んでいるようにも感じます。今この時代だからこそ伝えたい、ポジティヴなメッセージと輝く未来へ希望を持って突き進むことをストレートな曲調と歌詞で表現している。

  栄喜さんの伸びやかな歌声は何も変わらないし、そこに絡んでくるKAZUMAさんとのツインヴォーカル、強さと優しさを兼ね備えた4人の演奏も然り。この5人が再びひとつになることで、SIAM SHADEはSIAM SHADEとして輝く。もちろん、根っこには体育会系であるがゆえのエモーションを迸らせて。

 途中に出てくる「今 俺達は 一つの SIAM SHADE」という昔では信じられない歌詞も、12年経過した今だからこそ6人目のメンバー(ファン)と一緒に力強く歌えるのであると思う。

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