準交響的ポストハードコアを掲げる北欧バンド、Tengil

スウェーデンの若手ポストハードコア・バンド。自らのスタイルを「Quasi-symphonic post-hardcore (準交響的ポストハードコア) 」と称し、活動中。2015年7月に1stフルアルバムをリリース。

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Six(2015)

 スウェーデンのポストハードコア・バンドの1stフルアルバム。マスタリングに同郷の大御所であるCult of LunaのMagnus Lindbergを起用。国内盤は、我らがTokyo Jupiter Recordsからのリリースと高品質保証委員会の如きタッグが作品の良さを物語る。

 レーベルインフォによると、このバンドは「Quasi-symphonic post-hardcore (準交響的ポストハードコア) 」と自らのスタイルを称しているとのこと。実際にミュージカルや古典交響曲から大きな影響を受けているという。確かに起承転結をはっきりさせた展開の大仰さからは、そういったものからインスピレーションを得ていそうな感じを受けます。

 ただ、ハードコアというよりはスクリーモっぽい印象があって、これはヴォーカルがクリーンで歌う場合はUKロック、叫ぶ場合は若手スクリーモっぽく感じるからでしょう。もっといえば骨格は轟音ポストロック静動型に準拠している形だと感じる。空間・奥行きの捉え方にRosettaの影響がありそうだし、ハードコアやシューゲイザーにミュージカルまでの要素を馴染ませていく手法はなかなかに心憎い。コロコロと表情を変えていく#3「My Gift To You // The Tunnel At The End Of The Light」は彼等のキメ曲のひとつとして結構なインパクトを誇ります。

 個人的には繊細な表現力が際立った#4~#6の終わりの流れが好み。約14分にも及ぶ#5「Gehenna」では、透明感と構築性によってKscopeレーベルを思わせる世界観へと発展。Rosettaのごとき天文宇宙広がる#6「All Paths // Qwoulrflpvoynvlrgkrt」による空間の編み方も見事。ある種の暑苦しさを過剰に感じさせずに、スマートにまとめている点が良かったりします。故にスウェーデンの新鋭として確かな魅力を提示した1枚。

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