2017/07/01 SUMAC 『Japan Tour 2017』 @ 今池HUCK FINN

 SUMAC、約2年ぶりの来日でございます。思い起こせば前回はleave them all behind 2DYAS出演を果たし、僕はその初日を体験。スタジオ音源を遥かに凌駕する迫力や重低音にひたすら圧倒される、そんなライヴだったのをよく覚えています。もちろん、同日に出演していたBoris、MONO、envyとの相互作用もありましたが。

 今回は2ndアルバム『What One Becomes』を引っさげてのツアー。そのアルバムではデビュー作をさらに拡張した内容で、SUMACの前進を印象づけました。とはいえ、ライヴにおけるビリっと全身に行き渡る圧は半端ない。重量級リフの反復、そして怒気を吐き出すかのようなアーロン・ターナー先生の咆哮。メロディというご褒美はなくともそのサウンドには、ある種の解放であったり、快感であったりを誘発する作用があります。

 ニック・ヤキシンは主役喰いの正確無比かつ豪腕ドラムでみるものに衝撃を与え、前回の来日で乳首ギンギンとかいわれてたブライアン・クックのベースもまた絶妙な支え。そういったノイズ、アンビエント、インプロ要素などのプロットを配置しながら、複雑に展開していって聴き手を蹂躙しながらも引きずり込みます。多彩な闇のグラデーションをみせられてる気分。後半ではアーロン先生がドラムスティックを弦に細かく当てながらノイズを鳴らしたりも。

 この日は「Thorn In The Lion’s Paw」がベスト。曲間で話すようなことはありませんでしたが、ラストのアーロンが感謝の言葉を述べてた時だけは人間味を感じました。あとは本当に三鬼神がステージにいたような感じ。

 アンコール無しの60分一本勝負、問答無用で方をつける。

 久しぶりにみることができたENDONも強烈でした。まるで地獄めぐり2回のごとし。

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