2021/12/10 sukekiyo 『TOUR2021「隣の癖子」 -漆黒の儀-』@ ZEPP NAGOYA ライヴ感想

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 sukekiyoを前回みたのが、2020年2月29日。新感染症が世界を蝕み始め、大規模ライヴが軒並み開催中止。ライヴハウスでは集団での感染が発覚して叩かれてた時期であって、開催の是非が問われていました。公演自体は開催されましたが、それが満員のスタンディングで観た今のところ最後です。2年近く経っても世界は戻っていない、どころか新しい変異株の登場でさらに悪化している。

 2021年、わたしは再びライヴへ足を運ぶようになりました。5月にROTH BART BARONをみてからポツポツと行っていて、これでコロナ禍突入後は7公演目。先月は同じZEPP NAGOYAにてDIR EN GRREYを2年ぶりにみることができたのは感慨深かった。

 そして、sukekiyo。映像作品音源集『Candis』のリリースがトピックとなる中で、東名阪Zepp3公演です。一般で取ったからか2階席での鑑賞でした。Zeppの2階席は、多分2019年4月のPassCode以来ですかね。

 以下、ライヴの感想を述べていきます。

目次

ライヴ感想

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 約95分に及ぶ“哀と愛の劇場“ともいうべきものでした。全編に渡って紗幕による映像演出があって、幕越しに5人のメンバーの演奏する姿を見る形。ほぼ定刻通りに開演のブザーが鳴って、静寂の中でメンバーが登場。そのまま美しくも不穏なセッションが繰り広げられ、いきなり代表曲「ただ、まだ、私」から公演は始まる。MVの映像が映し出される中、感情的な演奏&唄に包まれ、sukekiyoの世界が広がっていく。

 sukekiyo公演は、おそらく4回目。初めての”漆黒の儀”へ参列。”漆黒の儀”というのを説明しておくと、黒を基調とした服装で行く、声をあげてはいけない、曲間の拍手すらNGという縛りがある。人間だから微妙に動いてしまうのですが(苦笑)、舞台から放たれる音と映像をじっくりと追うこと、浸ること。また同時に自分なりに咀嚼して考えていくことが、漆黒の儀では拍手代わりに送れる賛辞かなと感じました。

 紗幕を使った演出。雨とか風景だったりが映し出される中、歌詩が視覚的に入ってくるのが一番強く印象に残りました。本公演は「ただ、まだ、私」からラストの「憂染」に至るものでしたが、女性側からの報われなさや愛憎を表現することの多いsukekiyoによって、繰り返される”愛”という言葉がより痛切に響いてくる。

 加えて、京さんの黒ブラを使った新手の誘惑もある。「 マニエリスムな冷たい葬列者 」が顕著でしたが、ところどころでブラチラ。忘れたころにブラチラ。寡黙にみることを要求される中、イケナイモードに突入してしまった未亡人は多そう。2曲目「Foster Mother」では既に煙草吸いながらの歌唱。以降の80s歌謡曲ムードが強い「Valentina」~「Candis」等でのアイドルっぽい振り付け/動きといい、sukekiyoの京さんはその立ち振る舞いをみるのが楽しいもの。

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 YUCHIさんが一番忙しいマルチっぷりをみせる「偶像モラトリアム」を経ると新曲ゾーンへ。わたしは7月にリリースされた『LUXURIA』の初回盤を所持しているので、4曲(接触 、触れさせる、Valentina、夢見ドロ)はライヴ音源として聴いてます。

 歌もの&歌謡曲に寄ったという感じがある中、新しくリリースされる「Creeper」だったり、音源化はまだ先のようですが「The Hole」だったりは妖しく毒々しさのあるオルタナ系の曲で驚き。「Creeper」の記憶ですが、”美が世界を変える”というTHE NOVEMBERS的な詩が飛び込んできたのが、特に印象的でした。utAさんと匠さんのツインリード的な部分もあったし。

 ラストの3曲は、”ロマンティックなものでなくてもいい、それでもあなたが”という悲哀と憐憫が高まるもの。「濡羽色」は小雨から土砂降りに映像演出が変わっていく中、京さんの情念と表現がさらに濃く放たれる。続けての「白濁」は、イントロで”こんなわたしでも愛してください”というセリフが追加。この曲は、右隣りに居た女性が演奏された瞬間にのけ反るほど驚いてたのが印象に残ってます。

 ピアノ&詩によるセッションが壊れそうなぐらいに切なさを増して、最後に演奏されたのがわたしが何百回と聴いてるsukekiyoで一番好きな「憂染」。全てがこの美しいエンディングに繋がっていたともいえるもので、慰謝するような音と唄に包まれて演目は終わりを迎えます。”おやすみ”を言わずに静かに去る京さん、追って退場していく4人。

 そして、最後の最後でようやく巻き起こった拍手もどこか奥床しい上品さがあるものに感じました。濃ゆい舞台を心ゆくまで堪能した、そういった印象の方が強い。わたしにとっては2021年は本公演でライヴ収めですが、最後にとても良い体験ができたと素直に思えるもの。願わくば、早くsukekiyoの新しいアルバムが出て欲しいですね。それ言うと、DIRもそうだし、新しく始まるPetit Brabanconもそうですが。

セットリスト

2021/12/10 sukekiyo TOUR2021「隣の癖子」-漆黒の儀-@ ZEPP NAGOYA

01. ただ、まだ、私
02. foster mother
03. mama
04. 純朴、無垢であろうが
05. マニエリスムな冷たい葬列者
06. 偶像モラトリアム
07. Creeper
08. 接触
09. The Hole
10. 触れさせる
11. 愛した心臓
12. Valentina
13. Candis
14. 夢見ドロ
15. 濡羽色
16. 白濁
17. 憂染

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