2021/11/02 DIR EN GREY 「TOUR 21 DESPERATE」@ ZEPP NAGOYA ライヴ感想

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 コロナ禍に突入後、わたしは1年3カ月ほどライヴからは遠ざかりました。そんな状況下で久々の有観客ライヴの予定は当初・DIR EN GREYでした。ライヴが日常から本当に遠ざかった中、久々に行くのであれば自分の中で納得できるアーティストにそれを託したいという想いが強くありました。わたしが中学1年生だった1998年から23年聴き続けているバンドですからね、

 仕切り直しとなった東京ガーデンシアターでの『疎外』。チケットを取得して行く気でしたが、あれの影響で5月の開催が6月に延期になり、緊急事態宣言は発出し続けたので行くのを諦めてしまいました。結局は5月に行ったROTH BART BARONが久々の有観客ライヴとなりました(でも、こちらがとても感動的なライヴでした)。

 昨年12月、今年3月の爆音上映会(両公演ともにZEPP NAGOYA)にわたしは参加しています。オフィシャルが用意した場所で、大勢のDIR EN GREYファンと共に彼等のライヴ映像を観る。それはそれで稀有な体験ではあります。12月はDIeさんとToshiyaさん、今年3月なら京さんと薫さんのトークが聞けたわけですし。行った人はわかりますが、フィレオフィッシュのフォルムの話とか(笑)。

 ただ、ZEPPの環境でライヴ映像を観てもライヴとは別物というのは拭えませんでした。実際に生で体感してこそ心身に残るものがある。それをようやく2年ぶりに体感します。前回が2019年11月15日の三重公演。Dieさんが地元ということもあってライヴ後にひとり残ってMCをしてたのをよく覚えています。

 その日以来の公演。以下にて感じたことを述べていきます。

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目次

ライヴ感想

 ほぼ定刻スタート。SEが鳴り、ステージ上のスクリーンにTOUR 21 DESPERATE用の映像が流れる。これまで通りにShinyaさんから順にメンバーが登場。大きな拍手と心の声で彼等を出迎えるのが新鮮であって、不思議な気持ちです。凄まじい声でメンバーを叫ぶ人がいたりするけど、そういうのも聞けないというのが遠い世界の出来事のようで現実なんだなと痛感します。

 2DAYSでセットリストは違いますが、この日は「Spilled Milk」からスタート(前日は「輪郭」が最初)。「朔 -saku-」というDIRのシンボル的曲が早めに披露され、ボルテージは高まります。その場から動けない、声が出せない。制約はあってもヘッドバンキングをし、腕をふりあげ、大きな拍手が響きわたる。おそらくは心の声を共にしながら、できる最大限のことをして、今この場を分かち合い共有しあっている感覚があります。

 黄緑の髪の毛、ほぼノーメイクで上下ジャージとスニーカーを装った京さん。「人間を被る」でいつも観客に歌わせるところも自身で歌う。というかできなくなったので95%ぐらいは歌うようになりましたけど、時たまこちらにマイクを向けて、集まった人たちの想いを受け止めているように見えました。

 それでも、ユニゾンリフで押しまくるアグレッシヴな「落ちたことのある空」は観客の歓声と共に完成する曲のようにも感じます。歌詩の8月6日辺りの映像が1941年から1945年までカウントダウンされていたので、やはりそこを題材にしていたのかと再認識する。終盤では「生きてるか」と叫び問いかけられる中で、客席は拍手で応えていく。

 スロウで濃度の濃い「谿壑の欲」~「赫」と続き、京さんが自らのゾーンに潜り込んでいった中、立て続けに披露された最新曲「朧」。音源の印象はそれこそ美しいバラード調なのですが、ライヴという場では既に別物になってる。最初だけ元の曲調で歌ってましたが、サビで痛みを乱拡散するようにがなり叫ぶ。そのまま元の歌メロは無視して感情の赴くままにラストまで歌い叫ぶ。後ろスクリーンの映像がまたエグい。”京さんが産まれる”という話は見てましたが、グロテスクな生誕がここまで赤く痛々しく表現されていたとは。

 本日はこの「朧」を体感しただけでも来た甲斐がありました。スタジオ音源を聴いてるだけでは、絶対にたどり着けない場所へ連れていかれること。それこそライヴというものの醍醐味を味わえたと感じています。

 ライヴ終盤は5年ぶりぐらいに聴いた「浴槽にDREAMBOX~」が相変わらず狂っていて最高でしたし、「Devote My Life」からは薫さんもDieさんもToshiyaさんも持ち場を離れ、ステージ上をフリーダムに動きまわる。以前のライヴってこうだったよねと思い出させるように。

 本日で初体感となる再録の2曲「T.D.F.F」と日本語「CLEAVER SLEAZOID」が意外とライヴで聴くと馴染みます。正直、日本語クレバーは未だに慣れませんけど(汗)、生で感じることで納得をもらえた気はしています。

 不揃いな拍手(笑)が10分近く続いたのちのアンコール。アンセムの「THE FINAL」で”ひとつ”となり、それからは馴染みのアッパーチューンが披露されていきました。「Sustain the untruth」で心の声を響かせ、声がだせないなら首を持ってこいと「詩踏み」が非日常の最後を飾る。アグレッシヴに駆け抜け、100分も経たないうちにライヴは終わってしまいました。

 京さんはマイクを通さずに叫んではける。楽器陣はギター2人が長くステージに残っていましたが、最後にピックもドラムスティックも投げないんだなと、当たり前だった光景を思い返しながらしみじみとした気持ちになったりもしました。あの時間はまた戻ってくるのでしょうか。

 コロナ禍において本日を含めて5本ライヴを観ましたが、お客さんの声の必要性ってのを一番に感じたのは本日の公演ですね。自分自身はそんなに叫んだりはしないのですが、周りを見渡すともどかしさを抱えている感じが強くて。「心の声」というのは本日よく使われた言葉ですが、しばらくはそれが想いとして共有されながらライヴは作られていくのかなと思うところです。

 なんだかんだで京さんが最後の最後にツボになって連呼してた「にゃーご~や~」が一番印象に残ってたりします(笑)。

セットリスト

2021/11/02 DIR EN GREY TOUR21「DESPERATE」@ ZEPP NAGOYA

01. Spilled Milk
02. 朔 -saku-
03. REPETITION OF HATRED
04. 人間を被る
05. 滴る朦朧
06. 落ちたことのある空
07. てふてふ
08. 谿壑の欲
09. 赫
10. 朧
11. 「欲巣にDREAMBOX」あるいは成熟の理念と冷たい雨
12. Devote My Life
13. T.D.F.F.
14. CLEVER SLEAZOID

–ENCORE–
15. THE FINAL
16. THE FATAL BELIEVER
17. Rubbish Heap
18. Sustain the untruth
19. 詩踏み

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