Amalthea、美と気品に重きを置くポストメタル

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2004年の結成以降、地道に活動を続けているスウェーデンのポストメタル・バンド。それまでスクリーモ/ポストハードコア・スタイルでしたが、2011年に音楽性をガラッと変える。2014年に発表した8年ぶりとなる2ndアルバム『In The Woods』では美麗ポストメタルを展開している。本記事は同作について書いています。

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In The Woods(2014)

 2ndフルアルバム。全7曲55分収録。ex.Gantzから成るハードコア・バンドのHiroとのスプリットやEP等リリースもありましたが、フルアルバムの発表は実に8年ぶりとなるよう。本作では、同郷の大御所であるCult Of LunaのMAGNUS LINDBERGが、ミックス/マスタリングを務めています。

 一聴した印象で言えば、美と醜、静と動を行き来する王道系ポストメタルという様式には違いない。だが、ここまで静や美に対して重きを置いて作られた作品を聴くのは、久々かもしれません。近年で言えば、ベルギーの新鋭であるGrown Belowが耽美なポストメタルを追求し、この界隈で賞賛を集めたと思います。Amaltheaはそれ以上に美麗さを積み上げている。

 ストリングス、トランペット、トロンボーン等を交えて壮大な光のマーチを奏でる#1「Rain」からして他とは一線を画すものだろう。やたらと多用されているアルペジオやクリーン・ヴォイスは艶やかな詩情を息づかせ、重圧的なスラッジを暴発させながらも、起伏豊かな楽曲を聴かせてくれています。

 それこそインストのポストロック寄りの穏やかなトーン、美しさが引き立った音像。Cult Of Lunaをさらにセンチメンタルかつ叙情的に落としこんだ#2「The Fall」や#4「Field」を聴いていると、余計にそう感じます。また、この系統にありがちなダークでシリアスな雰囲気は薄く、ジャケットの様に柔らかな光が差しんでくるかのようなイメージの方が顕著になっている。

 特に#3「Harm」は、序盤と終盤こそ怒気のこもった重轟音で攻め立てるが、中盤はExplosions In The Skyを想起させる多幸感に満ち溢れたインストゥルメンタルを奏でており、とても印象的な1曲。小さなオーケストラのように織り上げていくのに加え、しっかりと落差のあるダイナミズムを表現しています。

 聴いていると、そのクリーン・ヴォイスからJuiniusばりのエモーショナルな歌心を感じる場面もあるし、あらゆる要素を結集して本作を壮大に締めくくる#7「End」のカタルシスも絶品。とてもメロウなポストメタル作品といえる本作が生まれた意義は大きい。結成から10年、地道に歩んできたことがしっかりと結実した一枚に仕上がっています。

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