【アルバム紹介】Echotide、シガー・ロスに似た天上界へ

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As Our Floodlights Gave Way To Dawn(2012)

   オーストラリア出身のシネマティック/ポストロック3人組による1stアルバム。一瞬にして緊張感を走らせ、儚い余韻を残しながら消えていくピアノとにグッと心を掴まれ、のたうつ美重音に気圧される#1に始まり、#2~#3とその深遠さに呑まれていく。聴き進めるごとに感動が止まらない本作は、5年の歳月をかけて完成したという、7曲71分の一大叙情詩。

 シネマティックで映像的な作風が、ポスト・クラシカルからの影響を感じさせます。ダークな世界観を持つあたりはGY!BEっぽいですが、なめらかに弾かれる麗しい鍵盤が作品の核。繊細なギターやエレクトロニクスとの重なりで、消え入るような儚さと幽玄の美を演出しています。

 さらに麗しいストリングスやフィールド・レコーディングスもEchotideの世界観を成すうえで無くてはならないものとなっている。また彼等のFacebookにもあるようにMogwaiやMonoからの影響だろう轟音ギターの洪水が、モノクロームの世界をこじ開けていく。なかでも白眉といえるのは、13分にも及ぶ#4「Embers Glow」。メンバーの3人だけでなく、8弦ギターやストリングス、管楽器等のゲストと共に彩られた優雅で華やかな世界は、力強いリズムに乗せて昂揚感をもたらします。

 静と動の見事な交錯、確固とした物語性、透徹とした美に本作は貫かれており、細部にまでこだわった構築からは作り手の信念を強く感じさせる。1stアルバムとは言え、シガー・ロスに似た天上界へと導いてくれる感動作。

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