【アルバム紹介】静カニ潜ム日々『The Present』

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アルバム紹介

The Present(2013)

 2007年に横浜で結成された3人組(現在は4人編成)の1stフルアルバム。そのシンプルなサウンドの中にキラリと光るメロディセンス、丁寧に歌いあげつつも、時に声を荒げるほどのエモーショナルな歌唱が印象に残ります。

 90’s~現代的エモをまとめ、インディーロックやオルタナ系の風情を加味。また、日本らしい情緒も上手くプラスされています。決して力と勢いで押すタイプではなし。しかし無駄をそぎ落としているからこそ、その真っすぐな歌と演奏に備わった説得力があります。

 どこか枯れた哀愁と物憂げな空気感、一方ではいたわるような優しさと澄んだ美しさを感じ、聴いてると懐かしい感触を覚えることがしばしばあります。

 アルバムの構成としては、立ち上がりこそ歪んだギターや力強いリズムの胎動、エモーショナルな歌唱が目立ちます。それでも曲が進むにつれて、落ち着いたものへとシフト。アコギやグロッケンを取り入れた曲もあり、エモという単語だけではくくれない旨味がありますね。

 特に#7「Carry On」からラストの#9「Isotope」までの流れは、Mineralを思わせる泣きとノスタルジーが感じられる。長く向き合っていけるだろう、歌心とメロディは結成当初から育んできたバンドの強み。

 多くの人の胸を熱くするものが本作には詰まっています。

メインアーティスト:静カニ潜ム日々
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