豊かな音の広がりとそれを巧みにグラデーション化する妙技 Deftones『Gore』

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  アメリカ・カリフォルニア州サクラメント出身のオルタナティヴ・ロックバンド。1988年の結成以降、3rdアルバム『White Pony』などの作品を残してオルタナ・シーンに大きな影響を及ぼした人らです。日本への来日も多数あり。そんな前作では「Koi No Yokan」をこじらせたオルタナ・マンたちだったわけですが、3年5ヶ月ぶりとなる2016年発表の8作目は近作路線らしい(あまりハマれず、全作聴いてません)。

 2013年にはチノ・モレノのPalmsへの参加がありましたが、彼の艶やかさとセクシーさ、糖度の高いヴォーカリゼーションはとても魅力的であり、ISIS+Deftones以上の内容を引き出しておりました。本隊であればコンパクトな楽曲の中での転結が優れていますが、重厚なサウンドの中に浮かび上がる美しさはやはり専売特許。聴けば聴くほど味が出る。#1「Prayers / Triangle」、#5「Hearts / Wires」はまさしくという感じで、アルバムの中でアクセントとして機能しています。こうした叙情的なアプローチが効いた曲には、ヘヴィさの中に新体操選手ばりの柔軟性としなやかさを感じさせますね。

 逆に#3「Doomed User」や#9「Gore」におけるギターのうねりは強烈で、彼等らしさよりももっと獰猛な感触がありました。そして、Alice In ChainsのJerry Cantrellが参加したグランジを香らせる#10「Phantom Bride」も用意してドラマティックに聴かせる。豊かな音の広がりとそれを巧みにグラデーション化する妙技は、ベテランの追求心があってこそ。美しさの洗練がみえる安定した内容の1枚ですが、突出した感じはなくて賛否両論ありそうな作品だとは思います。

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