2014/09/20 Boris 「Live Noise Alive Japan tour 2014」 @ 池下CLUB UPSET

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  約3年ぶりとなるニューアルバム『NOISE』を発表し、新しいツアーのサイクルに突入した、日本のヘヴィロック・トリオのBoris。近年では彼等を取り巻く環境が国内でも変わってきているのはご存知の通り。だが、新作の発売に伴った日本ツアーがこうしてちゃんと発表/開催されることに関しては、個人的には多少の驚きがあったりする。地方住みとしては大変嬉しい事でありますが。しかもその東名阪ツアーが、ここ名古屋から始まるのだ。共演に日本の若手オルタナ系バンドのTHE NOVEMBERS、地元・名古屋のハードコア重鎮のNICE VIEWを迎えてね。これまた約3年ぶり(正確には2年9ヶ月ぶり)となる池下CLUB UPSETを舞台に、彼等がどのようなライヴを繰り広げるのか。期待を胸に足を運んだ。会場に到着すると、お客さんにBorisのファンらしからぬ(失礼w)KAWAiiおなごが多いこと多いこと。こんなオシャレ化した客層を見てさすがに驚いたけど、THE NOVEMBERSの勢いや動員力って凄いなと実感した。

 まずはトップバッターに古くからBorisと親交があるNICE VIEWが登場。ご存知、名古屋のハードコア・バンドの重鎮である。Drの竜巻氏はTurtle IslandやVampilliaで活躍されているし、Vo&Gのテライさんは最近だとソロユニットのGofishでの活動のほうが多いか。しかしながら、彼等らしい爆速鋭利の直情ハードコアを会場に叩きつける30分はあっという間だった。THE NOVEMBERSのファンにハードコア・カルチャーを突きつけるかのような熱演、痺れるものでしたね。この後、竜巻氏は今池まつりでTurtle Islandに参加し、その後にもうひとつのバンドで叩いたらしいので、売れっ子ドラムアイドルじゃねえかと思いました(笑)。

picnic THE NOVEMBERS To (melt into)

 そして、2番手にTHE NOVEMBERS。Borisよりも彼等目当ての人の方が多いのでは?と思えるほどに若者たちとKAWAiiおなごが集結していたが、音を聴く限りでは、そういった層に強くアピールできるものではないのに不思議だなあと思った。自分は1stアルバムしか聴いたことはないが、仄暗い地の底に向かうようなスロウでサイケデリックな曲調から、打って変わって大きく波打つ轟音ロックンロール、それに最終曲では渋味の効いた柔らかい歌ものまでを披露。約40分という持ち時間ながら多彩な面を鮮やかに表出してみせたのだ。今ツアーの名阪公演に彼等が抜擢されたのも大いに納得する、Borisのファンにも確実に刺さるライヴであった。

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 21時前ぐらいに大トリのBorisが登場。新作『NOISE』の幕開けを告げる「黒猫メロディ」からライヴをスタートし、待ちわびた名古屋のファンにその勇姿と音を届ける。耳馴染みの良いメロディを流れるように紡ぎだすキャッチーな疾走曲がまず会場を暖めると、間髪入れずに「Vanilla」へ。アルバムのリード曲であるこの曲がさらなるスピード感とポップネスを持って襲いかかり、中盤では鼓膜を制圧するようなヘヴィリフが隆起を繰り返す。そして、ファンならずとも狂喜乱舞するだろう「PINK」と「Statement」の轟音ロックンロール2連発が炸裂。「ナゴヤァー、イェー、フォー」などとタイミング良く煽るAtsuo氏の活躍もあって、序盤からライヴは熱い盛り上がりをみせた。

 4曲終わったところでAtsuo氏のMCがあったが、 「最近、外人さんたちは東京から名古屋飛ばして大阪へ行っちゃうけど、僕たちは飛ばしません。名古屋でやります。」・・・って 現実は名古屋でライヴするのは約3年ぶりなんですけど(苦笑)。僕自身、彼等を見るのはいつぶりだろうかと振り返ってみれば、昨年のDEAD ENDとcali≠gariと共演を果たした「四鬼夜行-五喰-」以来で1年以上経っていた。ワンマンの尺に近いライヴだと本当に前回の2011年12月以来だ。7月にMONOが10年ぶりに名古屋公演を行ったことを思うと、わりと名古屋に来ている錯覚を起こすけど、もうちょっとインターバルを短くしていただけると大変ありがたいのでございます、Boris様(笑)。

NOISE まあ、そういった冗談も交えつつライヴはディープな方面へ。美麗なギターのヴェールとwataさんの細い声からゆるやかに始まる「雨」では、静寂をかき消すように黄昏色のヘヴィドローンが幾度か衝撃を与える。打って変わっての軽快なポップロック「太陽のバカ」で場を弛緩させてムードを一変。Pitchforkにて過去の膨大なディスコグラフィーへの挑戦と評された最新作『NOISE』は、タブーのない様々なジャンルへの挑戦と集約だが、ライヴでもこの幅広い調和をしっかりと聴かせてくれる辺りは、さすがは歴戦のバンドである。長尺曲の「Angel」がもたらす昂揚感もBorisらしいものだろう。美しいクリーントーンのギターの反復、どこか艶かしい響きのTakeshiの歌声が情緒を添え、ゆったりと進行。やがてはfeedbackerを経由したようなシューゲイズ風味の轟音が会場を包み込んでいく。侘しい情感を膨らませながら起伏あるドラマティックな展開が続く本曲は、『NOISE』の中でも核となる曲だろう。クライマックスでは最初のパートが再び鳴らされ、静かに余韻を噛み締めさせてくれるのも良かった。

 そして、向こう見ずな猛烈爆走スラッシュ・チューン「Quicksilver」がライヴ前半以上の激しさを誘発。ところどころでブレーキを入れてアクセルを踏み直すようなタメがあるとはいえ、ツービートで限界を超えて走りまくるこの曲の衝撃は大きかった。しかしながら、これを上回るラストが待ち構える。「Vomitself」という曲でね。エフェクター?を持ったAtsuo氏に指揮されるように大量のスモークの中、3人が大音量のサウンドを反復させ続けたのだ。「逃げちゃダメだ」と言い聞かせながら轟音とスモークを浴びる会場の猛者たち、「笑えばいいよ」と心の中で思っているかは知らないが、これでもかと音圧を上げていくステージの3人。「Boris伝統芸能アンプ電源落とし」がここ名古屋でもようやく実現・・・はしなかったけど、明日からの生活に支障をきたすだろうクライマックスにファンは歓喜し続けたのだった。まあ、僕は「Vomitself」をやってると思ってなかったというオチがありますが・・・(苦笑)。

 この後、視界がスモークに乱され、聴覚がキーンと麻痺に近い状態にある中で熱心なファン達は、アンコールを呼びつづけたが、無常にもカーテンが閉められて終演。しかしながら、久しぶりの名古屋で響き渡った、Borisの研ぎ澄まされた轟音に多くの人々は酔いしれたことだろう。THE NOVEMBERS、NICE VIEWという見事な人選も含めて、贅沢な夜となった。

‐‐‐setlist‐‐‐
1. 黒猫メロディ
2. Vanilla
3. Pink
4 .Statement
5. 雨
6. 太陽のバカ
7. Angel
8. Quicksilver
9. Vomitself

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