BVDUB、白昼夢のようなアンビエント

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アメリカ人トラックメイカーBrock Van Weyによるプロジェクト。BVDUBの由来は彼のイニシャルであるBVWを単に短くしたものに由来。現在までに既に40以上の作品をリリース。白昼夢のようなアンビエント~ミニマル・ミュージックは、静謐だがとても深い余韻をもたらす音楽にまで昇華されており、瞑想的な快楽に包まれる。本記事は3作品について書いています。

目次

Tribes at the Temple of Silence(2011)

   wikipediaによると7作目。ほぼ10分越えで全7曲79分のフル・フルヴォリューム儚い輝きを持った細かい音の精微な連なりが、幻想的かつ浮遊感ある世界へと誘う。白昼夢のようなアンビエント/ミニマル・ダブ/テクノ・サウンドが特徴的。

 柔らかなシンセが時を丁寧にほぐし、儚く淡い女性のサンプリング・ヴォイスが抑揚をつけ、可憐なピアノの調べが幻想的でロマンティックな雰囲気を生み出します。そのゆるやかな反復の中で徐々に変相を遂げる。次第に鼓動を高めていくかのようにビートが高まっていきますが、一歩下がった奥ゆかしさを感じさせるとともにとても優美。

 繊細な煌きを放つ電子音の存在、所々のダビーな音響処理など随所の小技も聴いており、その全ての諸要素が精巧な意匠によって音の波動となって表れており、清らかな空気感、流麗な時間の流れは神経の隅々にまで心地よい安らぎを与えていく。

 おぼろげながらもメロウなサウンド・デザインは、ソフトに鼓膜を揺らして胸の奥に染み入るような感動までも与えてくれる。とても美しく澄みきった音楽。しかしながら、どこか慈悲を背負ったかのような重みがあって、静かだがとても含蓄の深い作品となっています。

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The Truth Hurts(2011)

   BVDUBとHome Normalを主宰するIan Hawgoodによるコラボレーション作品。リリースはIanが新たにはじめたレーベルNOMADIC KIDSから。Ianによる1999年から2011年のレコーディング素材にbvdubが新たにアンビエントの魔法をかけた4曲73分が本作品の全容。

 霧のようなシンセ・レイヤーにアコースティックな生音やフィールド・レコーディングした素材、さらにミステリアスな女性Voサンプリングが絡みます。ほぼビートは無く、延々と続くドローンの海に全身が包み込まれていくような。さながら優しい昇天。

 オーロラのようなシンセの揺らめきやヴォイス・サンプルに浸っていたかと思うと、徐々に膨れ上がっていく音圧にいつの間にか陶酔し、時間すらも忘れてしまう。自分はIan Hawgoodの作品は聴いたことは無いですが、BVDUBの流儀・美学による透徹とした儚い美が貫かれています。

 ただ、どこかノスタルジックでもの悲しさも作品の底を流れている。12分台の曲が2曲、24分台の曲が2曲とかなり聴き手を選ぶ忍耐がいる作品であるが、アンビエント~ドローン・ファンの心はきっちりと掴むはず。

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Then(2011)

   おそらく13枚目。きめ細やかなサウンド・デザインはもはや孤高の領域。永続的な心地よさが続くアンビエント/ドローン。そこにフロア寄りのビートが詰め込み、柔らかな昂揚感をも誘う仕様。大らかな海のように広がっていくシンセ、揺らめく茫洋としたノイズ、幽玄なヴォイス・サンプリングがデリケートに重なります。

 いつも通りに包み込むような柔らかさ。その中にどこか泡のように散って聞く儚さや哀しみも湛えている。さらに本作でより顕著になったのは奥ゆかしいシネマティックな作風。崇随所に織り込まれるエレガントなピアノの旋律、そして絶妙な場面で差し挟まれるビートがミニマルな構成の中で上手く挿入され、五感を揺らがせる。

 このように柔らかな音響の中で絶妙なタイム感で変調させることで、曲のスケールとヴィジョンは果てしなく拡がっていく。また、アンビエントな趣はもちろん強いが、フロア感覚は今年の作品の中では一番に感じる。聴けば聴くほどにはまる。多作だった2011年の締めくくりにふさわしいBVDUB流の美意識が貫かれた4曲76分にも及ぶ安らぎと祈りの鎮魂音楽。

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