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2021/10/24 envy 『LAST WISH “Hidden secrets: Painful tired back in the same sky”』@大阪ANIMA ライヴ感想

 近鉄特急の揺られる車内で抑えきれぬワクワク感。同時にどうしても芽生えてしまう罪悪感のようなもの。これはもう某感染症が明けるまでは、決して無くならないものでしょう。ライヴを観に行く。本来ならだれに咎められることでもありませんが、今のご時世はどこか後ろめたさを覚えてしまう。県外であるならなおさらです。感染状況が落ち着き、わたし自身がお注射2回を済ませたとしてもです。

 2年ぶりに愛知県の外へ出ました。コロナ禍突入後、初めてのことです。目的は大阪までenvyを見るため。わたし自身、コロナ禍でのライヴはこれで4本目。1年3カ月ぶりの有観客ライヴを体感した5月のROTH BART BARON、6月に約2年ぶりのフェス「森、道、市場」、そして同じ1985年生まれのヒーローTHE NOVEMBERSをみたのが7月。 どれも今までと違う気持ち、感情でもってライヴを見ていた気がします。

 envyを体感する。思い起こせば、2007年3月に開催されたConvergeの来日ツアーで共演していたのを見たのが最初。約14年半前の事です。それからは幾度となく目撃。直近で見たのが2019年5月に開催された新オールスター感謝祭ことAfter Hours ’19で、この日が約2年半ぶりのenvyとなります。

 MONOから始まって、toeやExplosions In The Skyを経由し、Svalbardを経て総大将envyに繋がった同フェス。深川さんが復帰して6人体制となってからの彼等を初めて見ましたが、After Hours自体の熱気と相まって非常に感動した覚えがあります。

 腰を据えてじっくりみる、わりと小さめのライヴハウスでみる。今回の単独公演は、そんな贅沢な環境でenvyを体感できるので思い切って見に来た次第です。

目次

大阪&ライヴハウスANIMA

 2年ぶりに大阪へ。関東へ行くよりも関西へ行く方がアウェー感が強いのは、言葉の問題からでしょうか(笑)。移動は最低限にしようと思ったのもあって、難波駅に着いたのが16時10分ぐらい(開場時刻の1時間半前)。同駅から歩いて心斎橋へ行く。道中の商店街をチラッと横目にしながら。

 久しぶりに行ってみて、景色は少し変わっていたような変わってないような。ニュースで見るよりも人手は多く、活気づいているようにも感じました。名所&映えるスポットには人だかりができている。グリコの看板も久方ぶりに見れて、なんだか感慨深い。

 会場のLIVE HOUSE ANIMAは大阪・心斎橋アメリカ村にある。2年前にできたばかりだそうで、比較的新しいライヴハウス。階段を下りて地下にある。関西での公演は、同じ心斎橋にあるCOMPASSへ足を運ぶことが多かったので新鮮です。

 キャパ350人ということでしたが、入場制限でおそらく約50%のキャパで開催。でも、半分の満員近い客入りだったのでさすがにenvyだなと感じました。大半は男性客で、30~40代が多い。女性客はそこそこ。場内は立ち位置マークがあり、ディスタンスを保つように促される。

 ちなみに開演前はSkee Mask『Compro』から「Via Sub Mids」や「50 Euro To Break Boost」が流れてました。知らなかったのでShazamで確認しています。クールなダブ・テクノといった趣で良いですよ。

ライヴ感想

 18時の開演予定時刻から10分ほど経ち、暗転。SEの「ZERO」が鳴り響く中でメンバーが続々とステージに登場する。6人陣取るにはやや手狭な印象ですが、観る側としてはギュッとした塊感が心強く頼もしく思える。日替わりバンドTシャツ着用のyOshiさんは今回SUNN O)))のTシャツ。滝さんは相変わらずALLAROUNDのTシャツを着ていました。

 「Footsteps in the Distance」。いきなり必殺の轟音オーケストラ。トリプルギターの美しい連なりと深川さんの咆哮が心と身体を持ち上げるように響き渡る。光と音が一気に溢れ出す体感を前に我慢と言い聞かせていても、どこかから漏れる観客の声。わたし自身も、久しぶりの轟音体験に興奮してしまう。フジロックの配信を見ていたとはいえ、体感でしか得られないものがここにあります。

 新作『The Fallen Crimson』でわたしが一番気に入ってる「Swaying Leaves and Scattering Breath」が4曲目に披露。ベクトルは陽に触れ、叫ばないenvyを体現した曲。サビで歌メロがちゃんとあることに驚く。フジロックでも演奏していて配信で見入ってしまった曲です。本日も深川さんが終盤にフロアタムで加勢し、祭りのような狂騒を生み出していました。

 5曲を終えて、深川さんがボソボソとしゃべりだす。くれぐれもディスタンスを保って楽しむこと。気を付けて生きてください。こんな状況でもやるしかない。そして、このライヴハウスの姉妹店Pangeaのオーナー?との10年以上ある繋がりについて。

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 中盤に演奏された「HIKARI」。聴くのは2回目です。最初のAfter Hours’17で深川さんが脱退時の4人編成で披露していた曲。ギターの河合さんがヴォーカルを務めていたあの時の新曲。巡り巡って今の形となり、河合さんのヴォコーダと深川さんの叫びが混じる形へ昇華されました。それを4年半の時を経て体感する。時間の流れとタイトル通りに放たれる光にひどく感傷的になってしまいました。

 「狂い記せ」からはenvy名曲祭で「A Warm Room」~「さよなら言葉」で本編を締めくくる。壮大さと焦燥を叩きつけるように音が暴れるのと包み込むを行き来。アンコールは2曲で「Worn Heels and the Hands We Hold」、ラストは定番曲とはいえ最後に演奏するのは珍しい「左手」でした。

 18時開演-20時終演予定となっていたから2時間ぐらい演奏するのかと思ったら、そういうわけでもなく。全12曲で80分にやや足りないぐらい。でも時間ではありません。この日はenvyをみれたというのが何よりもうれしくて。久しぶりに大音量を浴びるということ、彼等の丸腰で放つ感情を受け止めるということが贅沢過ぎる体験だったのです。

 「左手」や「さよなら言葉」でまた騒げる日は来るのだろうか。そんな想いを馳せつつ、深川さんがMCで話したように「気を付けて生きていこう」に明日から務めて生きていく。感情そのものをぶつけるような音に煽られ、生きる糧を得る。だからこそenvyを卒業することなんてないのかなと思います。

セットリスト

2021/10/24 大阪ANIMA
envy『LAST WISH “Hidden secrets: Painful tired back in the same sky”』

01. Footsteps in the Distance
02. Two Isolated Souls
03. A faint new world
04. Swaying leaves and scattering breath
05. Marginalized thread
06. Dawn and gaze
07. HIKARI
08. Go Mad and Mark
09. A Warm Room
10. Farewell To Words

–ENCORE–
11. Worn Heels and the Hands We Hold
12. Left Hand

envyの全フルアルバム7枚、初期ミニアルバムについては以下で書いています。
併せてご覧いただければ幸いです。

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孤高の日本産ハードコア・バンド、envy 世界的に活躍する日本のポストハードコア・バンド、envyについて。活動は既に25年を超える彼等、名盤『君の靴と未来』から最新作『The Fallen Crimson』までのオリジナルアルバム7作品と初期EPの感想記事です。

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