「いい音楽」、「いい街」、「ヘンな人」との出会いの場、「今池」に「今行け」!!をコンセプトに産声を上げたサーキット・イベント、IMAIKE GO NOWがちょうど1年ぶりに2回目を開催。いわゆるインディ系好きのかゆいところに手が届く感じのラインナップで好評を博し、昨年は成功を収めています。僕は前回は行かなかったんですが、久しぶりにこういうイベントに行こうと思って足を運びました。まあ、行ってみたらお洒落な音楽好きがいっぱいおりました(棒読み)。
それにしても冒頭に引用した「いい音楽」、「いい街」、「ヘンな人」との出会いの場と紹介文にはありますが、今池は治安がー治安がー!とはよく言われております(苦笑)。自分は愛知県の人間ですが、正直なところライヴ以外の目的で来たことのない街です。バンドマンにとっては「味仙の町」と記憶されているんじゃないかという疑いが。
出演者ならびにタイムテーブルは上図。当日に行く前の段階では、最初がクウチュウ戦 → ACOさん、最後がAwesome City Clubってのは決めていました。それ以外はどうしようか迷いましたが、転換待ち時間にだいたい回るところを決定。行かなかったところだとjizueやSuchmos辺りに迷い、カラスは真っ白も見てみたかったなあ。
・クウチュウ戦
(ネット上で)仲良くさせていただいているMarunouchi Muzik Magazineさんにインタビューが掲載されたことで知ったバンド。今年初頭に『Sukoshi Fushigi』をリリースしていて、各地で取り上げられたりしています。ライヴで聴いた感じでは古めかしきプログレと歌謡曲、ハードロック辺りが豪快にかき混ぜられた破茶滅茶バトルモード。アグレッシヴな曲になると、ステージの上で動きまわったり、スピーカーの上に乗ったりと迷惑かけることもしばしば(笑)。それが歌ものになると、結構男の色っぽさみたいなの出しててスゴく驚きました(70年代の日本のフォークやロックの情緒的な)。
最後の曲はみんな暴れまくってて、ギターの人のシールドが抜けて音が出なくなってたけど、良いステージでしたよ。特にアクションの大きいキーボードの人は、そのうちキーボードの上で江頭倒立を決めてそう(それに近いことをやってたし)。それとかわいそうに思ったことがあって、ベースの人が告知してたけど、紙を震える手で持っていて緊張感と不慣れが伝わってきたので、変わってあげて欲しかった(苦笑)。
・ACO
クラブクアトロに移動してACOさんを見る。toeの楽曲に参加していた曲ぐらいしか知識なしですが、是非とも見たかったのでね。本日はギターのサポートを入れた2人編成でした(2人とも椅子に座ったままのゆったりスタイル)。定刻になるといきなりトークから始まり、彼女が名古屋が地元の人だと知ります(◯区と堂々と言ってたけどいいのかw)。
ライヴはというと、やさぐれ女の歌うたい@バーカウンター編みたいな感じで、ビールを飲みながらトークし、いいタイミングで曲を挟むという。基本、名古屋をディスったトークは河村市長は亀みたいな顔してるとか、若鯱家はもっとがんばった方がいいとか誰かに殺されそうになることを言ってましたが、歌うとハスキーな声と透き通った声を使い分けてじっくりと聴かせてくれます。歌ってる時間だけは本当に別の空気に満たされたといいますか。憂歌団のカバーやくるりの岸田さんとのデュエット曲などで楽しませてくれました。僕は、ACOさんってこんな人だったんだと驚きのほうが大きいですけど(苦笑)。
・トリプルファイヤー
HUCK FINNに行ったら満員。ギリギリで僕が入った後には入場規制が行われたほどだそうで。というわけでテレビ東京のスター(共感百景)、吉田さん率いるバンドを初めて見ます(曲をちゃんと聴いたことなし)。演奏隊はほとんどフレーズのループという感じで、歌を活かすために抑え気味。吉田さんの歌というかセリフがそこに乗ってきてインパクトを与えていましたね。最初の曲でいきなり「ロックはもう終わってる」と言い放ち、「結局、関根勤が一番おもしろい」と言い放ち、「この世はジミ・ヘンドリックを通過した人間とそうじゃない人間がいる」みたいなことを歌ってて、言葉の鋭さがとにかく刺さりました。笑いばかりが起きていた「カモン」っていう曲で誰もコール&レスポンスをしないのは仕様なのか。
・Lucky Kilimanjaro
noodlesを4曲ほど見てから、イマドキの踊ろうぜぇ系ダンス・ミュージックバンドへ移動。2014年結成の6人組で20代前半と思われる若いバンドです。パーカッション+ドラム+ベースの厚いリズム、そこにエレポップ的なキャッチーさと華やかさを加えてわかりやすく相手に伝える音楽。聴いてて歌が馴染みやすいと単純に思いましたね。仲良く盛り上がるには持って来いという感じでしたし、同世代に訴求しそうな感じもありました。あと、ちょっと検索したらメンバーの父親が愛の長文ダメ出ししてて笑った。大事なことですよ、本当に。
・BUGY CRAXON
ラッキー・キリマンジャロが終わってすぐに移動して15分~20分ぐらい見れました。my way my love、a flood of circleと一緒にツアーしてたのを見ているので、ブージー・クラクションは7年ぶりかな。とにかく真っ直ぐで、自分たちの歩んできた19年をしっかり力に変えて鈴木由紀子さんは歌う。そして鈴木さんの長いMCがまた熱く、イベントでこうして自分たちを選んで見てくれることが年々ありがたくなっていること、来年に迎える結成20週年について語っていました。半分ぐらいの時間しか見れなかったけど、「わたしたちらしさ」をステージから相手にぶつけるその熱さとメッセージに胸打たれました。来てよかった。
・MOP of HEAD
デジタリズムのオープニング・アクトに出演していた時から4年半ぶりの拝見(Twitterで6年ぶりと書いたけど、間違えてた)。結論先に言いますと、しばらく見ていない間にかっこ良く進化を遂げていました。エレクトロ/クラブ要素と生演奏がガチッと噛み合わせるインスト・サウンドは、数年経って相当な破壊力へ。2曲目(曲名わからない)のギターリフはうなったし、リズム隊は硬質で下っ腹にグイグイくる。ライヴになると肉体性とグルーヴの圧が本当に桁違い。また、電子音の多少のチャラつきはいい感じの味となっていたし、生音を基調としている分は近年のEDMとまた一線を画すMOP of HEADの音楽として昇華されている気がしましたね。次の時間帯に出演するCreepy Nutsとのコラボレーションとなった「爆ぜろ」は、この日一番の大爆発であり、ご褒美。久々に彼等を見てこんなに衝撃を受けるとは思いませんでした。
・MO’SOME TONEBENDER
僕がちゃんと通ってないオルタナ・バンドを見に来ました。アルバムを聴いたことなくて、数曲聴いた程度。そんな感じでほとんど曲を知らない状態でしたけど、ものすっごくガツンとくるライヴでカッコいい大人たちだなあと実感しました。最初に出てきての1曲目はベースの人がピンクに光るメガネしてて電撃ネットワークかと思いましたが、それ以降は快速球をズバズバ投げ込むみたいにぶちかまして、ぶちかまして、ぶちかます。そりゃあ熱くなりますよ、体中のいろんなところがね。ロックンロールのパワーを存分に感じた次第です。
・Awesome City Club
モーサムからオーサムへ。Suchmosに続いて、この1年で本当にイケてる集団に属した感のある注目の5人組です。シティポップを中心に器用に楽曲を構築しつつ、キャッチーでウケの良いサウンドに仕立てる上手さはアルバム2枚で聴かせた通り。その中でゆるやかさやフックが耳に引っかかりを残します。ライヴでは横ノリ推奨の空間が生まれ、今のバンドらしいきらびやかなオーラを感じさせました。小動物的でもあり、小悪魔的な魅力を持つPOLINさんを見ていると、売れるバンドだなあと思わされたり。新曲の「Vampire」はまさにPOLIN CITY CLUBの様相。本編最後の「涙の上海ナイト」やアンコールで「4月のマーチ」が鳴り響いた時は、イベント来てよかったなあという気持ちがすごく強くなりましたとさ。
13時から21時半過ぎまで、いつも通りに見れるだけ見れるぶっ続けスタイルにてできるだけ見ましたが、定価4500円以上分は見たんじゃないかなあと我ながら思います(笑)。発見あったし、おもしろかったし、行った充実感というのを帰りに感じましたね。末永くこのイベントが続いていけばいいなあ。