【ライブ感想】2023/05/05 DIR EN GREY『TOUR23 PHALARIS -Vol.II-』@ 京都KBSホール -「a knot」 LIMITED 25TH ANNIVERSARY LIVE-

 ファンクラブ25周年記念公演。虜の熱と一体感に感動する夜になりました。

 ツアータイトルは『TOUR23 PHALARIS -Vol.II-』。昨年リリースされた11thアルバム『PHALARIS』ツアーの第2弾が1年越しに開催。昨年6月~8月に行われたVOL.Ⅰでは同アルバムから5曲のみの披露でしたので、新たに披露される曲への期待が高まります。

 今宵の京都KBSホール公演初日は”「a knot」 LIMITED 25TH ANNIVERSARY LIVE“と銘打つもの。オフィシャル・ファンクラブ「a knot」の25周年記念公演ということで、会員本人だけしか申し込めない完全限定です(通常は複数枚申し込める)。わたしは何とか当選したので参加できました。

 3年半前に同会場へファンクラブ限定公演を見に来ていますが、ラストに「Schweinの椅子」を演奏するサプライズがあったのを思い出します。本日はよもやそれ以上の衝撃を受けるとは。

 700番台後半で会場イン。入口では紙チケットと本日限定?っぽいカードが配られる。ちなみにShinyaさんでした。

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ライブ感想

 ライヴ本編は、ツアータイトルに掲げた『PHALARIS -Vol.II』まんまでした。今回も未披露となった「カムイ」、シングル2曲を除いた計8曲を披露。それでもライブは十分に『PHALARIS』のもやがかった鬱蒼とした世界が浮かびあがる。ただ会場の関係だと思いますが、京都公演は映像がなかったのだけが惜しかった。

 それでも補ってあまりある存在が客の“声”。わたしにとってはDIRの声ありライブは3年半ぶり。数日前の横須賀公演からツアーで本格的に声出し解禁に踏み切りましたが、つんざくような歓声がなつかしさとこれからへ向けたエネルギーをふくらませます。

 また京さんの歌わせるモードを味わうのが久々。「人間を被る」のサビは確かにあの頃の一体感を思い出させる。両親に懺悔する「Devote My Life」の残酷コーラス、イントロで大きくわいた「鱗」でも”声”があることでの”熱”を感じる場面が多かった。

 それでも胸に響くのが彼等が発するメッセージ。「人間を被る」や「13」にて”誰のために生きてんだ”、”生きろ”と個人は真剣に問いただされる。DIR EN GREYの痛みや言葉を通して己を見つめ直す。どんな自己啓発よりもその重要性を強く感じるのです。

 記念公演ということでアンコールにサプライズ。「JEALOUS」と「惨劇の夜」という25年も前の曲が演奏されました。少々のぎこちなさやこっぱずかしさも見受けられましたが(実際に歌詞があやふや・・・)、とんでもないファンサービスには痛みが伴うということで。でも、ライブで一生聴くことがないのでは?という曲が演奏されると本当にアがりますね。

 アンコール最後の「Sustain the untruth」が終わる。それでも止むことなく続くアンコールを求める声。5分以上も鳴りやまない・・・どころか大きさを増していく。そしてまさかのダブルアンコールへ。

 「本編より声でてんじゃねーか。ここまで響かせてくれよ」と煽るすっぴんの京さん。大ラスの「Un deux」はほぼ歌わせるモードでしたが、これまで行ったライブの中でも格別の一体感がありました。終わってから京さんがペットボトル水かけマシーンと化し、笑顔で最前の人に水をドバドバかけてたのはハイライトのひとつでしたね。

 終演後も鳴りやまない拍手。これだけだったらいつもの光景でしたが、驚いたのはその後。突発的に「DIR EN GREY! DIR EN GREY!」と多くの人々がコールしていました。ライブ終わってからのファンに一番の感動をもらうとは! すさまじい熱量と愛。少なくともこの現場にいられたことを誇りに思える、そんな公演だったのです。

セットリスト

01. 響
02. Schadenfreude
03. 盲愛に処す
04. Devote My Life
05. 現、忘我を喰らう
06. 人間を被る
07. 13
08. 鱗
09. Eddie
10. GRIEF
11. 凱歌、沈黙が眠る頃
12. 御伽
13. The Perfume of Sins

14. JEALOUS
15. 惨劇の夜
16. 詩踏み
17. T.D.F.F.
18. Sustain the untruth

19. Un deux

お読みいただきありがとうございました!
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