Eluveitie ‐‐Review‐‐

スイスより出現した8人組ペイガン・メタル・バンド。大所帯を活かし、ギター、ベース、ドラムといった定番3神器に加え、ヴァイオリンやフルート、 バグパイプ、マンドラといった民族楽器を使用して立体的で厚みのあるサウンドを造形。北欧メロデスと民族メロの効いたフォークの融合を図った音楽は幾多の人を惹きつけている。


Slania

Slania(2008)

 スイスの8人組ペイガン・メタル・バンドの2ndアルバム。8人の大所帯を活かし、ギター、ベース、ドラムといった定番3神器に加え、ヴァイオリンやフルート、バグパイプ、マンドラといった民族楽器を使用して立体的で厚みのあるサウンドを奏でる。聴いた感じでは、At The Gatesや最近のDark Tranwuillityをリスペクトしたかのようなメロディック・デスメタルと民謡をフィーチュアしたメロディを融合させている。雄雄しく勇猛なメタルの攻撃性を抑え付けることなく、強烈なアグレッションと郷愁のメロディを同居させることに成功。そして、民謡メロディによってもたらされている楽曲の表情の豊かさに脱帽。モダンな要素も混じっており、古代・現代の時間軸を行き来するようなトリップ感を覚えることもある。様々な要素が織り成す彼等の音楽には数多の人々を惹きつける魅力が溢れているのだと素直に思う。

 圧巻のバンドアンサンブルが生み出す極上のハーモニーは素晴らしく、伝説の幕開けを予感させる#1から続く「ペイガンメタルとはなんぞや」を挨拶代わりに叩きつける#2で一気にEluiveitieワールドへ。#2,#3,#4と頭からこのバンドの強み・特徴を出した3連発に悶絶。特に#3「Inis Mona」はバンド自身のこれからのキャリアにおいても重要な位置を占めそうな名曲。デスラッシュ然とした超攻撃的な#6,#7,#10,#11も非情感で押し切るわけではなく、民族楽器の絶妙なサポートで艶やかな色を加えている。こうした疾走曲にも決して攻撃の側面だけを際立たせることに終始せず、情感を豊かにしている。この辺りのアイデアの冴えと出し入れは、8人いるからといってなかなかうまくいくものではないと思う。#5#9のインストも民謡メロのスパイスを効かせた叙情性が全面に押し出されており、耳と心の両方に伝わってくる強い情がある。ボーナストラックの#1「Samon」のアコースティックバージョン#13も凄く良い仕上がりになっているのも心憎い。全体を通しても神経を鋭敏に刺激する楽曲が多く、聴いていると非常にエキサイトしてくる。

 鳴り響く魔笛に心の底から歓喜を挙げ、心酔してしまう。Eluveitie自らが名乗る“ニュー・ウェイヴ・オブ・フォーク・メタル”というものの全景が余すとこなく表現された逸品。

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