【アルバム紹介】Greymachine、ノイズによる鈍色の地獄絵図

GodfleshやJesuを中心に活動しているジャスティン・K・ブロードリック、元ISIS(the Band)でSUMAC等で活躍するアーロン・ターナーがタッグが核となる4人組。支配者クラスによるタッグがもたらす強烈なノイズを浴びせ続ける。2009年に唯一のフルアルバム『Disconnected』を発表。本記事は同作について書いています。

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Disconnected(2009)

   1stアルバム。全8曲約62分収録。初めて聴いた時は、頭がイカれるかと思いました。神経をすり切り、脳内をキツイ残響で痛ぶり、世界を終末感が漂う灰色へと変えてしまう作品です。本業であるISISやJesuでみせる叙情的なメロディの供給と甘美な響きは一切無い。

 殺傷性のあるギターノイズを凶器にし、ベキンベキンに歪んだベースと下っ腹に響くドラムの重量感あるビートに支えられて、ひどく殺伐としたノイズを生成。打ち込みによる特殊な効果音や生々しい絶叫と奇声が痛々しさをプラスし、一部ではあえて音割れを引き起こしたりもしている。怨念まみれのノイズが耳元から体全体に波及していく。ゴッドフレッシュを凌ぐといえるほどに過激な内容であまりに非情。

 ミドルテンポでじわじわと痛めつけられ、追い詰められる。しかもそれが余りにも機械的すぎて、作品全体からは全くといっていいほど人間の温もりらしきものを感じさせない。精神的に参ってしまうし、KTLを聴いたときに感じた戦慄が体中に走る。ノイズによる鈍色の地獄絵図。

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