The Field ‐‐Review-‐

クリック / ミニマル・シーンの総本山であるドイツのKompaktに所属するAxel Willnerによるプロジェクト。

レビュー作品

> Looping State Of Mind > Yesterday & Today > From Here We Go Sublime


The Follower

The Follower(2016)

Coming Soon…


CUPID'S HEAD +1

Cupid’s Head(2013)

Coming Soon…


Looping State Of Mind

Looping State of Mind(2011)

2年5カ月ぶりとなる3rdアルバムはもちろんKOMPAKTからのリリースです。前作ではクールで冷涼感のあるミニマル・テクノを展開し、バトルスのドラマーもゲストに迎えてロック感も増しながら新鮮味に拍車をかけていた。それを経ての本作では1stと2ndで培ったものをベースにした彼らしい美意識が貫かれた作風。オーガニックなテクノとループ主義を軸に光の海を突き進んでいくような昂揚感に満ちたサウンドを鳴らしている。美しいシンセに硬軟のアクセントを巧みに利用するキック、ダビーなベースラインが絡み、徐々に変相しながら心地よさを増幅していく。ライヴ・メンバーと共にスタジオで生楽器を加えたという本作は、さらにロック感が増しグルーヴも強化。そこにアンビエントやシューゲイズ要素を巧みにまぶし、ピアノやヴォイス・サンプル等で表情を整えながら美しい軌道を描いている。これまでの継続でありながら、キメ細やかなニュアンスを加えながら作り上げられるトラック群は流石。特に本作では#2「It’s Up There」のシューゲイズ風のうわものと冴えわたるビートの反復でどこまでも突き進んで行ける。1stの昂揚感を伴った#4「Arpeggiated Love」もまた最高に気持ちいい1曲。これまで以上に温かさや心地よさが染み渡っているのもまた良い。反復による陶酔、そして恍惚へ。1stほどの衝撃は無いにしても本作もまたファンの期待には応えてくれた作品だろう。


Yesterday & Today (Dig)

Yesterday And Today(2009)

バトルス、トム・ヨークのリミックス作品でも注目を集めるThe Fieldの2年ぶりとなる2作目。前作の延長戦上といえる作風だが、6曲で約60分と1曲の長さが増したのとバトルスのジョン・スタニアーの参加で生楽器の割合とロック感が増しているのが特徴か。美しいシンセのレイヤーとうねりの効いたビートが形成するシューゲイズも取り込んだ幻想的サウンドスケープを構成。知的さと神秘を感じさせる世界が上質に奏でられている。その上で新機軸といえそうな冷涼なサウンドにはっきりとした歌ものが乗る#2は新鮮だし、15分を越える#6のようなコズミックなビートの洪水に驚かされた。さらには生音が巧く硬軟のコントラストをつけているタイトルトラックの#4も秀逸。グルーヴの隆起はしっかりとしているし、アンビエント要素は強いがキラキラとしたメロディの色づけも前作よりも練られているようにも思える。綺麗な鉄琴の音?が躍動しカラフルな音磁場を形成する#3も良し。淡い層を成す複雑なテクスチャーを鮮やかに創り上げ、なおかつ温もりをより感じさせるようになったのがより陶酔度と覚醒度を高めているようにも個人的には感じた。精度の高い従来の作風に新機軸もしっかりと打ち出した成長の伺える1枚。


From Here We Go Sublime

From Here We Go Sublime(2007)

ドイツのKOMPAKTに所属するスウェーデン人Axel WillnerによるThe Fieldの1stアルバム。とても美しい昂揚感を伴うトラックを多数収録しており、なおかつキラキラとした明度と柔らかい電子音の質感、硬質でありがらも軽やかなキックなどが絶妙に絡んでいく。アブストラクトな拡がりを見せるシンセと綺麗なメロディがしなやかに絡み合い、4つ打ちミニマルのエンドレスな反復による上昇アプローチで絶対的興奮と催眠的な心地よさを増幅する。ふんだんに取り入れられている女性のヴォイス・サンプリングは温かな空気感と表情を与えているし、アコギの素朴な響きやシューゲイザーをテクノの領域で鳴らした感触までおもしろい試みも登場。深い霧に包まれたかのようなアンビエントではあるが、ビートが強く脈動しているのでかなりノれる。例えるならミニマルによる北欧らしい幻想的桃源郷の造詣。美しく、心地よい。彼の音楽に対する浪漫も垣間見れる。削ぎ落された数少ない資源で楽曲をシンプルにきめ細かく磨きあげていくのは相当な手腕の持ち主だろう。彼のアンセムともいえそうな#1「Over The Ice」を始めとして柔らかくも強烈なビート、トランシーな感覚、幻想性と昂揚感、どれもが一級品のミニマル・テクノだと思う。Pitchforkの2007年のベストアルバム50でも第9位を獲得するほど、世界的な評価も高い。同様にミュージシャン筋からの評価も獲得している。

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