ポストメタル・ディスクガイド 88作品

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 弊ブログには【個人的ポストメタル探求】という記事があります。ポストメタルというジャンルについて大々的に書いてみたものですが、2013年の初出から既に9年が経過。定期的に書き直し/書き足しをしているものの、当然ながらこれはこれで完結している。

 ですから、20年代に入ってるわけだし新しいものをつくろうという試みです。

 今回は“ディスク・ガイド”という形でお届けします。順位をつけようと最初はしたのですが、どうしても難しかった。なんの権威もない自分が書いても違うかなと思ったのでこの形になりました。ポストメタルの手引きとして活用いただければ幸いです。

 ちなみにポストメタルというのが大まかにどういう音楽かは、以下の説明が一番しっくりきます。轟音系ポストロックのメタル版みたいなのがイメージしやすい。今回の選出基準もなるべくここに沿っています。

スラッジ的スローな展開を基本としつつ、メロディやドラマ性を重視したインスト中心のメタル・ミュージック

BURRN!2009年6月号 特集コラム「ポスト・メタルへのいざない」、渡辺清之氏著より

 記事内では優劣つけずにアルファベット順に並べています。最後のまとめにて、まず聴くべき5枚を挙げています。本文中は”である調・敬称略”で書いていることはご容赦ください。

 選出にあたって以下の制約を設けました。

  • ポストブラックメタル/ブラックゲイズと呼ばれるバンドは含まない。
  • 1アーティストにつき、3作品までの選出とする。
  • Bandcampにてpost-metalタグをつけているのは選出対象とする。

 リストへの選出は著者の考えと以下の参考文献を基にしています。

ポスト・メタル・レコードTOP40 (amass、翻訳元:Fact Magazine
・Metal Storm “Top 100 Post-metal albums

 初稿掲載時(2022年01月01日) : 66作品
 二稿掲載時(2022年01月02日) : 76作品
 三稿掲載時(2022年06月05日) : 88作品

 今後もアップデートしていくので枚数は増えていく予定です。

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目次

ポストメタル・ディスクガイド

Absent in Body / Plague God (2022)

 Neurosisのスコット・ケリー、Amenraのコリン、マチューの3名を中心とした新バンドの1stアルバム。本作には元Sepulturaのドラムであるイゴール・カヴァレラが全曲参加。それぞれの本隊のどす黒い部分だけを集積したかのような作風で、スラッジメタルやインダストリアル、トライバルの要素が強め。まるで光が差してこない闇の楽園を生み出している。それでも最近のAmenraの流れを汲んだ#4「The Acres/The Ache」にはアンビエント~歌のパートも存在。やはり黒々しく、重々しい。地獄への片道切符だけを提供しているかのよう

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Amenra/ MASS Ⅵ (2017)

  活動歴20年を超えるベルギーの重鎮による6作目。虚無感を煽るアルペジオから鉛のように重たいリフとリズムがのた打ち回り、ヴォーカリスト・Colinの悲痛すぎる叫びが重なる。そのAmenra苦痛三原則による方程式は守られているが、本作は静パートの存在感が大きくなっている。解放と祈祷を訴えるようなクリーン・ヴォーカルとギター。静と動の大きな落差からくるコントラストがこれまで以上に際立つ。Amenra史上最もドラマティックな楽曲「A Solitary Reign」収録。6作続いたMassシリーズは本作で締めくくり。メンバーそれぞれの人生に大きな影響を与えた苦痛や悲劇の上で書かれてきたMass、その痛みの積層こそがAmenraの大いなる歴史である

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Amenra / De Doorn (2021)

 目下の最新作となる7作目。盟友であるOathbrekerからVo.Caro姐が久々にゲスト参加して生まれた傑作。特徴は明らかに余白と朗読が増えたこと。最低限に音を減らし、静かに語るパートがどの曲にも存在する。聴き手に対して己の内面を深く見つめ直すことを促すように。もちろん暗黒と重音を統率して「痛み」を限りなく表現する儀式は健在。本作は決して苦痛への招待状ではなく、暗闇の淵に引きずり込むようなものではなく、生命を尊み悼む音が押し寄せる。『De Doorn』はCVLT Nationが発表した”Top 10 POST METAL Albums Of 2021“の第1位を獲得。末筆ながら弊ブログの2021年ベストアルバム第1位でもある。

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AMOUTH / AWAKEN (2014)

 イタリア・アレッツォのポストメタル4人組の1stアルバム。聴いたらわかる通りにリスペクトISIS(the Band)な作品である。#2と#4がISIS「Hall Of The Dead」「Threshold of Transformation」を参照にして作られていると思う。しかし、このバンドを気に入ってしまうのはポストメタル好きの性。ポストメタルの様式に沿った轟音と叙情のハーモニーに、スラッジ・テイストの効いた重厚さと低音咆哮は、これでもかというぐらいにわかりやすい。そんな彼等は地道に活動を続けていたようで、なんと2020年には2ndアルバムを発表している。

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The Angelic Process / Weighing Souls With Sand (2007)

 弊ブログのふたつのコラム【個人的ポストメタル探求】、【轟音巡礼 2021】においても本作を取り上げている。2007年に最大音量を目指す系音楽の頂点にして、究極の到達点に行ってしまっている貫禄。アメリカ・ジュージア州の夫婦デュオによる3rdアルバムは、例えるなら薬漬にしたJesuとNadjaとSUNN O)))の黒魔術による合成だ。憂鬱から生まれる絶望感をテーマに、過剰に負の怨念を吹き込んだ吹雪のようなノイズに唖然とする他ない。絶望はここにあるが、その先には美しさも存在する。しかし、バンドは既に活動を終了。夫であるK.Angylusの右腕が不自由になり、その後に死を遂げたからだ。

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Asheraah / The Mountain(2013)

 東欧クロアチア・リエカを拠点に活動するポストメタル系インスト・バンドの1stフルアルバム。Facebookの影響を受けたものに、「Lvmen, ISIS, Neurosis, Red Sparowes, Amenra」というアンダーグラウンドから音楽の新たな地平を切り拓いた名前が並ぶ。Asheraahはその先人達の影響が色濃く反映されており、”ヴォーカルレスのISIS”ともいうべき轟音の波動が聴き手に押し寄せる。Oceanic期のISISに、Explosions In The Skyの叙情性やRed Sparowesっぽいしなやかさや浮遊感が加わったようで好感触。約10分近い楽曲を揃えた全6曲約57分収録。ちなみに今は活動していない。

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Battle of Mice / A Day of Nights (2006)

 ハードコア系女性シンガーであるJulie Christmas、元Neurosisで現A Storm of LightのJosh Grahamを擁した5人組の最初で最後のフルアルバム。黒い海を思わせるヘヴィなサウンドアプローチは、スラッジメタル人脈を介した必然さからくるものだが、やはりヴォーカルをJulie Christmasが務めていることで単色に収まっていない。彼女の語り、叫び、歌。典型的なハードコアやメタル・ヴォーカルにない不穏な美しさと痛みを置いていく。重い音楽ではあるが、同時に感情の音楽へと昇華しているのはJulie Christmasがいてこそ。なお彼女は、10年後にCult of Lunaとコラボレーション作品を発表することになる(後述)。

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Blindead / Affliction XXIX II MXMVI (2010)

 元BehemothのHavocを擁するポーランドのスラッジ/ポストメタル・バンドの3作目。全7曲45分にわたったコンセプト作で、心の病に陥った少女の世界を描いたものだという。音楽的にはCult of Lunaを彷彿とさせるポストメタル・スタイルであり、深遠・陰鬱・崇高というワードを想起する巨大な音の壁を打ち立てる。静と動のコントラストの中に赤ちゃんの泣き声、少年少女たちの戯れ、木琴等の音を挿入。少女のパーソナルな心情を映像的に表出しており、美しく重い作品が生み出されている

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Boris / Flood (2000)

 英国のFACT MAGAZINEが2015年に発表した”ポスト・メタル・レコード TOP40″の第9位にランクインした作品。Borisといえばドローンメタルを主体に、ポップにもヘヴィにも振り切れる幅広さがある。本作は3枚目のフルレングスで、4つのセクションから成り立つものの1曲70分という超大作。すでに96年の初作『Absolutego』で1曲60分のドローン地獄を味合わせているが、こちらはミニマル~ノイズ~プログレ~ドローンと行き交うもの。もっとオーガニックな質感があり、海と空を思わせる雄大さがある。ポストメタル感は薄いと言えば薄いが、静と動のダイナミクスの真髄を堪能できるはずだ

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Bossk / Audio Noir (2016)

 1stフルアルバム。2005年にUKケント州アシュフォードで結成されてますが、2008年に活動の過酷さから燃え尽きるように一度、解散。2012年に復活を遂げて満を持しての作品。ポストロック~ポストメタルを主領域にした楽曲の組み立てを施した上で、曲間はシームレスに繋がっている。ひとつの物語を7つに細切れにしたという感覚があり、1曲の中でも明確な起伏に富む。#4「Kobe」はBosskを代表する曲として君臨し、水晶のように揺らめき煌めくギターのリフレインを中心に、ポストメタル系の大爆発へとスイッチ。その雄大なコントラストは決して他バンドに引けを取らない。本作はRoadburn Festival 2019で完全再現されており、同フェスは”時に催眠的で美しく、時に粉砕的な『Audio Noir』は、まさに旅のような作品だ“と評している。

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Bossk / Migration (2021)

 2ndフルアルバム。#2にてCult Of Lunaのヴォーカルがゲスト参加しているが、CoLを想起する巨大なリフの殴打、クリーントーンを中心とした叙情のパッケージング。そこに日本のエクストリーム・ノイズ集団のENDONから3人が全編にわたって音像を書き加える。ヴォーカリストをゲスト外注した2曲以外は、サンプリングボイスを使うことあれど基本はインストで構成。アンビエントとノイズの間を揺れ動くも劇的なクライマックスを迎える終曲#7「Unberth」は、このバンドにしか出せない荒涼とした雰囲気がある。加えて、全7曲で約42分とこの手のバンドにしては比較的短い尺なので聴きやすい。

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Burst / Lazarus Bird(2008)

 1993~2009年まで活動したスウェーデンのプログレッシヴ・メタル5人組の最終作5th。テクニカルメタル、デスメタル、プログレ要素の強い音楽性である。そこに効果的にスラッジメタル~ポストロックの要素が交錯。だからかポストメタルというジャンルで言及されることもそこそこ。たおやかな叙情性は組み込まれるものの、MastodonとNeurosisとThe Dillinger Escape Planが交わったような長尺曲(平均7.5分)がアルバム全体を占める

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Callisto / Noir (2006)

 フィンランドの8人組?ポストメタル集団の2ndアルバム。モダンなスラッジメタルを基調としながらも、ジャズやプログレへの軽妙なアプローチがみられる。フルート、サックス、メロトロンといった楽器で華やぎをもたせながらも鼓膜を押し潰すような重量感を同時に持ち合わせる。静と動の揺らぎあるシネマティックなサウンドは、美しく気品さえ感じさせるものだ。ただ、ヴォーカルはかなりデスメタル寄りのドス効きすぎ声質なので、好みが分かれそう。実験的と評されることもあるが、長年の活動を通じてポストメタルの新境地を開拓し続けている

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Callisto / Providence (2009)

 3rdアルバム。全10曲約68分収録で、曲は6~7分台というほぼ固定尺で構成。また、新メンバーとしてヴォーカリスト・Jani Ala-Hukkalaが加入。作品ごとに積極的に変化しているバンドだが、本作はずばりマイルド&美麗化。クリーンヴォイスの割合が90%以上を占め、それを活かすようにメロウなギターサウンドが主体となる。端的には、歌ものポストロック/オルタナロック化といえるかもしれない。バンド主導で変化を選び取っていく、実験精神のもとで常に制作を行っているのがCallistoの最大の特徴。本作は、空間への拡がりと繊細な叙情性に引っ張られながらも、重いとこは重くを貫かれている

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Converge & Chelsea Wolfe / Bloodmoon: I (2021)

 ハードコアをアートの領域まで昇華したConverge、闇夜の歌を唱え続ける女性シンガーソングライター・Chelsea Wolfeによるコラボ作。100m走の如く駆け抜けるパートも存在するとはいえ、速度を犠牲にした鈍いスラッジメタルが基本。そこにダークかつ妖しさを加えたサウンドを用意することでConvergeは、Chelsea Wolfeを迎え入れている。彼女も応えるように肉体と精神に来る重い打撃のような歌を響かせている。必然のコラボレーションは、ヘヴィロックの可能性を大いに開拓するものだ。

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Cult of Luna / Salvation (2004)

 ポストメタル黎明期といっていい1998年から活動をスタートし、歴23年を超えるスウェーデンの巨星。本作は3rdアルバムで、専任のキーボーディストが加入して7人編成でつくられた。”Slavation = 救い”と題された中にCoLの進化を見るもので、現在に通ずる音楽性/作風を本作にて確立。曲は耐性のいる長尺な構成がほとんどだが、肉体的にも精神的にも重い衝撃を有しており、轟音と静寂のダイナミクスの付け方が、理想的なレベルへと引き上げられた。初めてMVが制作された名曲#3「Leave Me Here」収録。

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Cult of Luna / Somewhere Along The Highway (2006)

 この4thアルバムは最高傑作と評されることが多く、ポストメタル史においても最重要な作品のひとつ。北欧のノーベル文学賞受賞者である小説家ジョン・マックスウェル・クッツェー『マイケル・K(原題:Life and Times of Michael K)』に触発され、”男性の孤独”をテーマに製作。スラッジメタルとポストロック、プログレッシヴロックの衝突による明確な産物としての巨大なサウンドとスケールに圧倒される。16分近いラストトラック#7「Dark City Dead Man」を聴き終えれば、あなたはCoLを信仰せざるをえない。ポストメタルの大海に身を投げる、そんな時に本作は最適解のひとつ。海外メタル誌・Decibel Magazineは”2006年のベストアルバム第5位”に選出している。

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Cult of Luna & Julie Christmas / Mariner (2016)

 上記したBattle of MiceのJulie Christmasとのコラボレーション作品。コンセプトに「Space Exploration = 宇宙探査」を据える。コラボだと相手に合わせるということを少なからず意識する点。だが、本作は鬼気迫る両者の本気のぶつかり合いによるダイナミズム/ドラマティシズムが生み出される。静・動行き来型の平均10分の曲尺、暴力性をはらむ重低音、退廃的なメロディ、SF感が漂うシンセの装飾、空気を切り裂く咆哮。そこに加わるJulie Christmasの変幻自在の歌声。十二分に納得のいくコラボ作。

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Deftones / Gore (2016)

 1988年結成のオルタナティヴ・ロックの重鎮による8thアルバム。過去よりもポストメタルを感じる作風は、チノ・モレノがex-ISIS(the Band)の3名と新バンド・Palmsを始動した影響があるだろうか。全体を通して、彼等が培ってきたヘヴィさの中に柔軟性としなやかさがある。豊かな音の広がりとそれを巧みにグラデーション化する妙技は、ベテランの追求心があってこそ。#1「Prayers / Triangle」、#5「Hearts / Wires」は重厚なサウンドの中に浮かび上がる美しさは格別。#10「Phantom Bride」にはAlice In Chainsのジェリー・カントレルが参加。

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Earth / A Bureaucratic Desire for Extra-Capsular Extraction (2009)

 Earthはドローンの始祖といえる存在であり、カート・コバーン云々は永遠に付きまとう話題だが、SUNN O)))という怪物を生み出してしまった直接の要因でもある。本作は91年にSUB POPからリリースされた1st EP『Extra-Capsular Extraction』と同時期に録音されたものを正式に音源化して追加収録した完全版。新装ジャケはSUNN O)))のStephen O’Malleyが担当。ドゥーム・メタル、スラッジメタル、ドローンの多くの参照になっただろう重いリフの反復作用を体感可能。盛り上がりや抑揚とかお構いなしにひたすら続くリフの永続は、時間の流れそのものを無視しているようだ。#4「Geometry of Murder」はPelicanがカバーしたことでも知られる。

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Emma Ruth Rundle & Thou / May Our Chambers Be Full (2020)

 アメリカの女性SSW・Emma Ruth Rundle、悪徳スラッジメタル・Thouのコラボレーション作品。Thouは重く引きずるリフを使い倒しているし、極悪な叫びも変わらず飛び交うのだが、妖しいトーンの音色を取り込みながらイケナイ暗黒感を演出。それに輪をかけるEmmaのヴォーカルも苦しみを与えるように響く。救いがあったりなかったりする非情さだが、両者のコラボレーションの旨味は存分に味わえる。ちなみに、Emma Ruth RundleはRed Sparowesのメンバーとしても活動していた。

Ender / Ender (2008)

 ニュージーランドのインスト・デュオによる最初で最後の作品。ググっても出てこない人たちであり、出てきたとしても違う人たちばかり。サブスクにないがYouTubeで一応聴ける。このデュオが奏でる4曲40分超の轟音の旅路は、身体を震わせる強力な圧と染みわたる様なメロディを配す事で印象深いものとなっている。Pelicanの1stアルバム『Australasia』辺りのヘヴィなうねりがあって、重さを諭すようにメロディアスな性質を補完。当時のHydra Headからリリースされていてもおかしくない音楽性である。

envy / A Dead Sinking Story (2003)

 FACT MAGAZINEによる”ポスト・メタル・レコード TOP40″の第14位に選出されているenvyの3rdアルバム。本作と次作『Insomniac Doze』がMogwaiとISISの影響を強く受けていたころで、FACTによるランキングに入ってしまうのも納得する。ポストロックの配合比が高くなって叙情性にウェイトがかかり、電子音やポエトリーリーディングも増加して楽曲は長尺化。それでも、ハードコアとしての矜持は譲らず。静と動の雄大なコントラスト、ドラマティックな流れを持つ代表曲のひとつである「狂い記せ(Go Mad and Mark)」を収録。稀代の名盤『君の靴と未来』を超えるための深化をenvyは示した。

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Fall of Efrafa / Inle (2006)

 リチャード・アダムスが1972年に発表した小説『Watership Down(邦訳:ウォーターシップ・ダウンのウサギたちで刊行)』にインスパイアされ、独自解釈を加えた三部作の発表を目的に結成したUポストハードコア・バンド。05~09年まで活動して解散。本作は3rdアルバムにして最終作。ハードコア~ネオクラストを主軸にNeurosisの壮絶な絶対領域に進出し、さらにはISISやGodspeed You! Black Emperor等の音楽性と精神性を加味しながら、聴き手の核心を打つ。地底を揺るがす重厚なサウンドと鬼神の如き咆哮、そこにポストロック的なたおやかな旋律が織り込まれていく音像は脅威的。そんな7曲79分の長編作。

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5ive / 5ive (2000)

 マサチューセッツのヘヴィ・インストデュオによる1stアルバム。ISIS(the Band)のベーシスト、Jeff Caxideが参加してのスラッジメタル地獄一本勝負といった趣。次作以降はポストロックやサイケデリック要素が注入されていくが、本作はメロディをほぼ放棄していて、黒い大河が氾濫。歪みまくりのファズ・ギターが空間をずっと圧迫している。その潔さがなんとも強烈な印象を残す。 英FACT MAGAZINEによる”ポスト・メタル・レコード TOP40”では第29位にランクイン。

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5ive / Hesperus (2008)

 3枚目。ゲストなしの完全デュオ編成で制作。楽曲自体はややコンパクトになっているが、#6~#7「News」は20分に及び、譲れないところは譲ってない。スラッジメタルからの影響が色濃い重さがある中で、本作はBPMが少し速くなっているところがポイント。以前のねちっこい反復というよりは、少しスポーティな感触を持つ一方でポストロック的な静寂パートの美しさもしっかりと抽出。所々ですっと深層心理に訴えかけるメロウなフレーズが効果的に働く。5iveの中では最も入りやすい作品。

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Grown Below / The Long Now (2011)

 2011年から2015年という短い期間を駆け抜け、2枚のアルバムを残して解散したベルギーのポストメタル4人組。こちらは1stアルバム。ISISやCult Of Lunaが築き上げてきたポストメタル界に深く切れ込むその音像は、静と動のダイナミックなスケール感を持ち、ドゥーム/スラッジ譲りのスロウテンポと重量感、獣のような低音グロウルで聴く者を制圧する。そんな中で他バンドとの決定的な差異となっているのが、徹底して気を注いだ耽美性。さらには荘厳な雰囲気を持ち込むストリングスやゴシカルな女性ヴォーカルを積極的に取り入れる。表題曲#6「The Long Now」は、まさにバンド自身の音楽性を1曲に凝縮した16分超の名曲。

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Huldra / Monuments, Monoliths (2013)

 ユタ州ソルトレークシティのポストメタル集団。11曲77分にも及ぶ大作となった本作は、大きな影響を受けたというISISやCult Of Luna等を彷彿とさせる静と動の壮絶なコントラストを核に、大海の如きスケールを持つ。偉大な先人達のエッセンスを突き詰め、徹底的に練り上げる。それによる万物を蹂躙する重厚な音壁と清らかな叙情性、劇的なストーリー展開を獲得するに至った。2016年をもって活動終了。

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Hum / Inlet (2020)

  90年代に活躍したアメリカのオルタナティヴ・バンド。復活と活動休止を繰り返してきた彼らの22年ぶりとなる5thアルバム。””ポストメタルを感じる””というのが最初の印象だった。ドゥームメタルに接近した重厚感、シューゲイズがもたらすまどろみ。ヴォーカルはオルタナ直系の憂いある歌がそこに乗る。Jesuが虚無感で胸をいっぱいにしたら、こんな音楽に変貌してしまうんじゃないか。オルタナ、エモ、ドゥーム、シューゲイズ、ポストロックは暗闇の中でミキサーにかけられる。このリストに入れてしまうぐらいに侘しさと重みをもった逸品

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Humanfly / Ⅱ (2007)

 英国のヘヴィロック4人組による2ndアルバム。スラッジメタル由来のリフを主体にゆっくりと進行し、メロディックとサイケデリックな要素をぶちこんでいくのを信条とするスタイル。まだヴォーカルがいたころのYear of No Light、また初期Pelicanの壮大重厚さを感じさせるサウンドに、スペーシーなシンセサイザーやアコースティックが華を添える。ヴォーカルがラリってる感じなのは独特の感性の賜物か。ヘヴィネスの海とサイケデリックな宇宙の邂逅。2013年10月の公演を最後に無期限活動休止。

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Ingrina / Siste Lys(2020)

 フレンチ・ポストメタル6人組による2作目。“文明の悪夢に直面した生命体が経験する海陸の試練”をテーマに掲げる。序盤はブラックメタルの影響が垣間見えたりするが、重厚壮大なポストメタルの轟きを全曲で体感すること必至。Year Of No Lightに通ずる重量感と寂寥感は、トリプルギターとツインドラムを擁した編成によるもの。アルバムは2分台2曲から10分超までをそろえた6曲35分。短くても長くても必要以上のインパクトを与えてくれる。

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Intronaut / Void (2006)

 Exhumed やPhobiaなどのメンバーが集まったバンドの1stアルバム。ポストメタルと言われてはいるが、テクニカル・デスメタル85% + ジャズ&ポストロック15%という様相。残忍なデスメタルで八つ裂きの刑が続くが、風通しの良い静寂がなぞに組み込まれている。とはいえDillinger Escape Planのように忙しく騒々しく、血を見るような惨劇は続く。本作以降はさらにテクニカル・メタルの要素を強めている。

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Irepress / Sol Eye Sea I (2008)

 これまたマサチューセッツ・ボストンから産声をあげてきた5人組の2nd。せんとくんをおかしく実写化したようなピンクジャケとは裏腹に、中身は遊び心にあふれている。ISISやRed Sparowesのような有機的な質感のポストメタルを軸にしつつ、ジャズフュージョン、1970年代のプログレッシブロック~クラウトロック、耽美系ポストロックなどにも踏み込む。ポストメタルの様式にとどまっておらず、あえて焦点を合わせずにセッションの延長上にいるような自由さが魅力。この系統で変わったものが聴きたいという方にオススメしたい。そうでない人にもオススメしたい。ちなみに活動は終えている模様。

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IRREVERSIBLE / Surface(2014)

 2005年の結成以降、地道に活動を続けてきたアトランタのバンドによる3rd。まさに王道中の王道。収録された3曲はいずれも10分以上かけたドラマティックな展開とともにカタルシスを得られるような構成で、強靭なリズムとスラッジ系のダイナミズムを備えた#1「Degloving Injury」からして、強烈な内容に仕上がっている。耽美の研磨につぐ研磨で紡ぎだされる透明感に溢れたギターフレーズは美しく、それとは相反するように無差別級ばりの重音リフをも繰り出す。また、ドスの効いた低音咆哮もこの界隈らしいものだ。彼等も現在は活動していない。

ISIS(the Band) / Celestial (2000)

 ポストメタル最重要バンドの1stフルアルバム。本作にて2010年の解散まで続く不動の5人によるラインナップが揃う。本作のテーマに、”テクノロジーの進歩に伴うプライバシーの侵害”を扱っており、よりプリミティヴな方法で実現しているという。また、初期ISIS(the Band)は殺伐・無機質といった言葉があてはまるほどに音の重厚/金属的質感が高い。Godflesh譲りのリフ、そしてトレードマークであるアーロン・ターナーの咆哮が重なる。反復の中で少しずつ展開が成されていくのも既に形式化。スラッジメタルとポストロックの共同戦線的な形への落とし込みはみられ、ヘヴィロックの中で示す理知と美学は初期から貫かれる。ライヴでラストを飾ることが多かった代表曲#2「Celestial (The Tower)」収録

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ISIS(the Band) / Oceanic(2002)

 2ndアルバム。後に紹介するNeurosisの1996年作『Through Silver In Blood』が起源とされたポストメタルの雛形は、本作によってもたらされる。頭を振りながら浄化と瞑想する音楽、Thinking Man’s Metalだ。スラッジメタルの成分は抑えられ、ポストロック/アンビエント要素の大量導入による融和。具体的にいえばクリーンなギターとメロディ、咆哮と歌。大海源の中でループする叙情と轟音は、非常に前衛的であり、ジャンルの先駆者として多くの賞賛とフォロワーを生んだ。Terrorizer誌は2002年のベストアルバム第1位に本作を挙げ、Pitchforkにおいてもジャンル無差別の2002年ベストアルバム50で、31位にランクインしている。

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ISIS(the Band) / Panopiton (2004)

 最高傑作と名高い3rdアルバム。イギリスの功利主義哲学者ジェレミー・ベンサムが18世紀に考案した監獄『パノプティコン』、それを監視社会として現代に落とし込んだフランスの哲学者ミシェル・フーコーの概念がコンセプトになっている。『Oceanic』よりもさらに思慮的で叙事的、かつ壮大でオーガニックなグルーヴ感。丹念なギターのループと重層化されていくレイヤー。寄せては返す波のような静と動の繰り返しは、“音の粒子が見える”とまで評されたライヴで本領を発揮する。記念碑といえる作品であり、わたしにとっては本作が最重要ポストメタルアルバム。本作収録「In Fiction」を2007年1月のライヴで体験したことで、わたしの人生は確実に大きく変わったのだ。

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IZAH / Sistere (2015)

 オランダの6人組の1stフルアルバム。全4曲全てが10分超えの約72分は、この手のバンドには相応しい長編物語が繰り広げられる。ポストロック要素の取り入れは前提としても、デスメタル風の残虐な攻め上がりを導入し、さらには漆黒鈍重ドゥーム、エピックなメタル、幽玄なるアトモスフィアを場面場面で切り分け。引き出しは多く、長尺の中でうまく活用して起伏ある展開を生み出ている。悪いグループに所属しているけど成績は優秀みたいな、ろくでなしポストメタル。極悪と極美で綴る約72分は強烈という他ない。

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Jesu / Silver (2006)

 多くのプロジェクトで才能を発揮していたJustin K Broadrick。メイン・バンドであったGodfleshが2002年に終焉後、03年から始動したメイン・プロジェクトのひとつがJesuである。本作は06年に発表した2枚目のEPであるが、ターニングポイントとなった作品だ。Godfleshの延長にあった1stアルバムと比べると、狂気の入り混じった異様なヘヴィネスはかなり削ぎ落とされている。代わりにMy Bloody Valentineに代表されるシューゲイザーの要素を持っていたヘヴィロックと調和。メロディラインや歌も洗練されていき、轟音の中にゆらぎがあり、まどろみと恍惚感をもたらすような変化を遂げた。美しいメロディと轟音ギターの反復と紡ぎ出す白銀のパノラマ#1「Silver」は、新しいJesuの船出であることを証明した重要曲。

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Jesu / Conqueror (2007)

 前EP『Silver』を見事に昇華させた2ndフルアルバム。ヘヴィロックとシューゲイザーの融合が推し進められ、遅く重く美しい白銀のサウンドスケープは、さらにメロウな方向へと突き進んだ。スンというよりもずーんと持続するような重み。そこにおぼろげな輪郭の歌、柔らかいメロディが乗っていく。ヘヴィネスは決して圧殺の手段としては使わずに救済の一手であり、電子音を増加させながらサウンドのふくよかさを得た。まるで絶望の中にポッカリ空いた穴のような幸福感を表す事のできた初めてのアルバムだと思っている。けれど同時に、またどこかで絶望しているんだ。 とJustin K Broadrickは国内盤ライナーノーツで語っている。

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Junius / Reports from the Threshold of Death (2011)

 ボストンのオルタナティヴ・バンドによる2ndアルバム。全10曲から成る本作は“死後の魂の旅”をメインテーマに製作された。Hydra Headレーベルの重みをもつサウンドの上を優雅な歌が泳いでおり、Jesuをもっとオルタナティヴな歌ものとして昇華したら彼等のような音楽性になるだろうと感じた。轟音ギターに堂々と侵入してくる鮮やかなシンセやスペーシーな音響の使い方も堂に入っている。彼等の音楽性はローリングストーン誌においては、”NeurosisとThe Smiths のハイブリッド、美とブルータリティの完璧な融合“と評された。

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Junius / Eternal Rituals for the Accretion of Light (2017)

 3rdアルバム。1stアルバムから続いた三部作の完結編。本作は魂が輪廻転生し、輪廻から脱却しようとする過程を描く。ハンガリーの彫刻家/ヨガ実践者であるエリザベス・ハイチの半自伝的著作『イニシエーション』を基にしてストーリーを形成。前作と比較するとメタル的なエッジの増強、暗く陰鬱な雰囲気が強まる。ヴォーカルはミドルよりもさらに低い音域で渋く歌う頻度が増加。重と美と知のトライアングルを高めつつ、後半の楽曲では電子音の使い方やシューゲイズ要素の増量などの挑戦もあり。バンド特有のスタイルを追求した結果、しっかりと前進を果たした作品。

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King Woman / Created In The Image Of Suffering (2017)

 イラン系のアメリカ人女性シンガー・Kris Esfandiarが率いるポスト・ドゥーム4人組による1stアルバム。タイトルは訳すと”苦しみのイメージで創られたもの”。ドゥームメタル由来の空間を抑圧する重々しいグルーヴを軸にして、シューゲイザーやゴスという要素が交錯。首謀者であるKristina Esfandiariは、自らの声にエフェクトをかけて囁くような歌を基調とし、聖性の包容力と悪魔の怨念を放っている。輪郭のくっきり/はっきりしない音像とは真逆に、歌詞は彼女を苦しめた宗教的抑圧について糾弾。ドゥームメタルをアトモスフィア化させた儀式的/祈祷の音楽として鳴り響いている

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KYOTY / Undiscovered Country Of Old Death~ (2012)

USニューハンプシャー州発のインストゥルメンタル・トリオによる初作。地響きを巻き起こすヘヴィネス、オリエンタルで艶やかなメロディの波、ドラマ性に長けた展開力。”Next Pelican”とも評された実力を大いに示すデビュー作。Mouth Of The ArchitectからGifts From Enolaまでが横切るダイナミックな音像は強烈なインパクト。時に繊細に時に凶暴に吹き荒れるサウンドは、激情ハードコアへの憧憬も重なって壮大である。

Latitudes / Agonist (2009)

 英国のポストメタル5人組による1stアルバム。NeurosisやCult of Luna、envy等に影響を受けたと公言していますが、Red Sparowesに近しさを覚える繊細な美しさと終末を見るような絶望が衝突する。妖気を帯びたヘヴィネスと耽美性が植えつけてくる畏怖の念。Neurosisから受け継いだと思しき儀式的なニュアンス、やたらと虚無感を覚えるファルセットのヴォーカル等で独自の仄暗さを表現している。2019年には4thアルバム『Part Island』を発表しており、活動は続く。

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Lento / Icon(2011)

 イタリアのインスト・スラッジメタル5人組による2ndアルバム。端的に表せば、”黒くて重いインストの完成系”である。トリプルギターの組み合わせによる硬質なパノラマ、重くシャープなリズムが作品を推進する。蹂躙され続ける鼓膜。それでも、アンビエントの楽曲が瞑想を促すように配置されていて救いを設けている。しかしながら、重いということに関して一切の妥協はなく。本作に収録されている「Hymen」が打ち立てる漆黒の音の壁に到達したバンドは、未だに表れていない

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Light Bearer / Lapsus (2011)

 上記に挙げたFall of Efrafa解散後に、中心人物であったAlex CFを核として生まれた6人組による1stアルバム。17世紀のイギリスの詩人ジョン・ミルトンによる叙事詩『失楽園』やフィリップ・プルマンの小説『ライラの冒険』からの影響を公言し、神と対立して天界を追放された堕天使ルシファーの物語を深遠な音楽で表現する。Fall Of Efrafa後期からの延長上にある音楽だが、叙情性をさらに高めて重い美しさを持つポストメタルを展開。NeurosisとSigur Rosが手を取り合い、煉獄の底から天国の彼方までを行き来する13分越えの#2「Primum Movens」は、バンドの代表曲として君臨する

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Light Bearer / Silver Toungue (2013)

 2年ぶりとなる2ndアルバムもルシファーの物語の続編。タイトルの”Silver Tongue”は銀の舌ではなく、雄弁や説得といった意味合い。基本的には前作の延長上にある音だが、これまでよりメロディが温かさや優しさを帯びている。オープニングを飾る18分超の#1「Beautiful Is This Burdon」は、ポストメタルの重量感を基盤に置きつつも、華やぎと色彩美をもたらすストリングスや管楽器とのアンサンブルが見事。Sigur Rosの『Takk』にも通ずる美と多幸感が盛り込まれると同時に本作を象徴する曲だ。しかし、四部作を予定していたもののバンドは本作をもって解散してしまった。

Long Distance Calling / Long Distance Calling (2011)

 ドイツのインスト・ポストメタル/プログレッシヴ・ロック5人組。ポストロック/ポストメタルに属すだろうインストではあるが、一癖も二癖もあってかなり振り幅は広い。宇宙・神秘・内省・といったキーワードを繋げ、70年代のプログ/サイケの旨味を濃縮。独自のインストを追及している。小奇麗な気品さと激しく猛々しい音色が衝突現象を起こしながら、怒涛の推進力と展開美で十二分に聴き手を魅了。ちなみに#6「Middleville」にJohn Bush(ex-ANTHRAX)がゲスト参加している。

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Lvmen / Raison D’Etre(2000)

 96年ごろに結成されたチェコの怪物。本作は98年の2曲入り28分のデビュー12インチ『Lvmen』と00年に発表の5曲入り45分のEP『Raison D’etre』をリマスター再録した全7曲収録。激情系といわれるポストハードコア、スラッジメタル、ポストメタルの集合体を基に、NeurosisやGY!BEに通ずる暗黒が支配している。その音像はenvyが闇落ちしたといえるかもしれない。読経や女性のオペラ聖歌が緊迫感や臨場感を煽り、映画音楽からのサンプリングも入ってくる。だからかやたらと映像的な印象を受ける。破壊と退廃の蠢きをエモーショナルに描ききったこの激烈な音世界に打ち落とされる人は多いはず。

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Mare / Mare (2004)

 カナダはトロント(日本人にとっても渡邊雄太選手の活躍で近くはなった)出身の3人組による唯一の作品である5曲入りEP。Hydra Headからリリースされていることが前衛的であることの証左になるわけだが、スラッジメタルを基点にユニークな音響を展開している。ノイズ攻撃に入ったり、アンビエントの安息が訪れたり、静かな歌ものと化したり。作品中でユニークな変容を遂げていく。そんな本作はFACTによる ”ポスト・メタル・レコード TOP40″ では第3位にランクイン。DECIBEL MAGAZINEは本作を”24分40秒に及ぶ、ポストメタル史上最もユニークで、魅力的で、心躍るような作品“と2019年に評している

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Minsk / With Echoes in the Movement of Stone (2009)

 ベラルーシ共和国の首都からお名前を頂戴したドゥーム・バンドの3作目。Neurosisの名作『Through Silver In Blood』と比較されることのある、密教的かつサイケデリックなサウンドで評価されている。地を這いずるヘヴィネス、妖しく進むトライバルなリズム、呪術的な声は負の深みを作品にもたらす。延々と儀式が繰り広げられているようであって、闇が爪を立てて静かに押し寄せる。#2「The Shore of Transcendence」は特にNeurosisフォロワーであることを伺わせる曲。

Mouth of the Architect / The Ties That Blind (2006)

 オハイオのポストメタル・バンドによる2ndアルバム。彼等もポスト・メタル・レコードTOP40にランクインするぐらいに重要バンドの一つ。本作ではBraian Cook(Russian Circles)がベースで全曲参加。前作を大きくビルドアップした形で、ヘヴィさとメロウさの両方を2段も3段もレベルを上げている。巨大な力による圧と大らかな美しさがドラマティックな進行のもとで高め合っていく曲が多く、前作に欠けていた壮大さと幅広いダイナミクスの妙を堪能できるはず。ISIS(the Band)『Oceani』のヘヴィネスとオーガニックな質感、Explosions in the Skyのような叙情性もここに存在する

Mouth of The Architect / Quietly (2008)

 3rdアルバム。本作は前作から変化を感じさせるもので、虚無感の強いポストメタルとして聴いた当時は衝撃を受けたものだ。男臭い低音咆哮の迫力は変わらないが、ゆっくりと侵すように重音を操りつつ、余白を増した楽曲構成がはまっている。メロウな質感を加えて、アンビエントへのアクセスもあり。以前よりも静の美学が際立つが、背筋に薄ら寒い空気が流れ込んでもくる。それは灰色のジャケット写真による表現そのものが詰まっているかのよう。#5「Generation Of Ghosts」にJulie Christmasがゲスト参加。

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Nadja / Touched (2007)

 カナダのエイダン・ベイカー、リア・バッカレフによる夫婦デュオによるデビュー作。03年にリリースされているが、07年再発盤は夫婦編成で新たに再録したもの。”ポスト・メタル・レコード TOP40″において第4位を獲得。だが、要素は含んでいてもポストメタル感は薄い。重厚なドローンと眩惑するシューゲイズ、身体を震わせ続けるノイズ。必要以上の大音量によって圧迫し続けることで生まれる恍惚感、本作にはそれがある。#2「Stays Demons」の美しさよ。

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Neurosis / Enemy of the Sun(1993)

 1985年から活動するこの前衛的音楽集団は、ハードコアからポストメタルへの大きな道筋を作った重鎮。前作『Souls at Zero』において実験的かつスピリチュアルな作風へと移行。サンプリングを多く用い、トライバルなリズム・アプローチが増えたこの4thアルバムは、さらにヘヴィで重苦しい作品へと仕上がる。それは”深化”という単語を用いたくなるもの。ピアノやアコースティック調などの美点を見出せるが、スラッジ・リフの重圧と苦しみの中で絞り出すように吠えるヴォーカルが、『Souls at Zero』よりも聴き手を深く捕らえようとする。本作がリイシューされた際の作品紹介にはこう書かれています。“Enemy Of The Sunはレコードが終わった後もずっと魂の苦悩を残すアルバムである”と。

Neurosis / Through Silver In Blood (1996)

 この記事で散々話題にあげているFACT誌の”ポスト・メタル・レコードTOP40″で第1位に君臨。そして、Terrorizer MagazineのJim Martinがポストメタルの起源としたアルバムでもある5thフルアルバム。スロウな展開と引きずるようなリフ、ハードコア由来の生々しい叫び。それが暗くて重くて美しいという言葉に集約されていくが、このスピリチュアルなヘヴィロックは人の内側を業火で焼くような強烈さがある。#1「Through Silver in Blood」、#5「Locust Star」というバンド屈指の名曲を収録した本作、語ることすら畏れ多い。

Neurosis / Times Of Grace (1999)

 傑作『Through Silver In Blood』の次の一手。スティーヴ・アルビニと共に初めて作り上げた6thアルバム。わたしにとってはこれが最高傑作。スロウでヘヴィというスタイルの研磨は、アルビニの助力によって生々しさと没入感を増す。重厚なスラッジリフ、トライバルなリズムパターンによって暗闇を支配し続け、シンセやチェロといった楽器は闇の信仰を手助けする不気味はハーモニーを奏でている。そして、#2「The Doorway」は報われない全ての人間にささげられる

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O / Black Sea of Trees (2012)

 OとかいてCircleと読むドイツ/ベルギー/オランダ人などの混成バンドによる全5曲入り1stフルアルバム。アンビエント/ポストロックに、彼等のルーツであるパンクやハードコアのエッセンスを交えた音楽性。たおやかで美しいインストゥルメンタルが主成分でありながら黒き濁流の如き荒々しさが時たまに表出する。タイトルの”Black Sea Of Trees”は日本の青木ヶ原等の樹海を示している模様。ただ美しい、ただ激しいだけにとどまらないミステリアスな魅力を放っている。今は活動していない。

THE OCEAN COLLECTIVE / Precambrian (2007)

 現在はPelagic Recordsを運営するRobin Stapsを中心としたドイツの音楽集団の3rdアルバム。バンドの描きたかった音楽性とコンセプト/芸術性が作品で合致するようになったターニングポイントといえる作品。46億年前~5.41億年前という地球の歴史の約90%を占める【先カンブリア時代】を2枚組で表現。DISC1では無慈悲なメタルサウンドを轟かせる。DISC2ではISIS、GY!BE、Meshuggah、OPETH辺りが組み合わさり、巨大な質感を伴ったオーケストラともいうべきサウンドを展開。8,3点を獲得したPitchforkのレビューにして、”NeurosisのヘヴィネスとConvergeの鋭さに雰囲気のあるキーボードとストリングスが融合した”と評されている。

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THE OCEAN COLLECTIVE / Pelagial(2013)

 6thアルバムは”深海の底で見る奇跡”、自らのバンド名である【海】をテーマに据えた作品である。アルバムは曲名が海の深度を表しており、進行していく = 海底に潜行していくことを意味する。海面から真っ暗な最深部までの旅を思慮深いプログレッシヴ・メタルと共に展開。バリエーション豊かに変転していく曲と共に、海洋の持つ多彩な表情と奥深さを知らしめる。11曲に及んだ深海の旅路『Pelagial』は、“The Oceanの最も概念的なアルバム”とリリース元のMetalBladeは謳う。ロックメディアのLoudwireは”2010年代のベストメタルアルバム66”に本作を選出している。

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The Ocean (Collective) / Phanerozoic I: Palaeozoic (2018)

 7thアルバム。2年後にリリースされた次作との連作。本作は10年ぶりに国内盤が発売されており、『顕生代~破壊と創生 第一部:古生代という邦題を添えてP-VINEからリリース。タイトルは“Phanerozoic = 顕生代”。 顕生代とは約5億4100万年前から約2億5200万年前までを表す地質時代の古生代のことで、現在の生物が陸上に進出した時代だという認識で良いという(下記の作品紹介もかなり勉強して書いた)。作品としては静と動がわりとくっきりとしたポストメタル・スタイルで3rd『Precambrian』に近い。強烈な重低音と美麗なメロディがせめぎ合う中でグロウルとクリーンヴォイスが煽動する。入門盤にもオススメできる1枚。

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Ocean Districts / Expeditions (2014)

 Oceanという言葉はポストメタル信仰の証か。ポストロックのパワー系といった感じのOcean Districtsは、エストニアの4ピース。穏やかなギターや鍵盤による装飾はあれど、メタル要素が強くて小気味よい疾走感を伴う。ポストロック/メタルの定型には収まらず、どんどんと進行していくのが特徴だ。そのうえでツインギターの鳴らし方は、ポストメタルよりかはヘヴィメタル寄りの感性がある。そのサウンドは迫力十分だし、想像を掻き立てるような楽曲は揃えられている。2018年には新作を発表したが、現在の活動状況は不明。

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Omega Massif / Karpatia (2011)

 ドイツのインスト・スラッジメタル4人組による2ndアルバム。先に紹介したLentoにも通ずる重音インスト(レーベルは共にDenovali)。スロウテンポから激重リフの連続で鼓膜を蹂躙するLentoに接近する重みと迫力だが、あちらほどアンビエントを取り入れてはいない。ゴリゴリのヘヴィネスとドラマティックな展開を持つ辺りは、Pelicanの1stアルバムに近いかもしれない。しかし、あの時のPelicanよりも重音の殺力と漆黒度は高く、極端に暗い世界を描き出している。2014年に解散を発表。

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Palms / Palms (2013)

 DeftonesのヴォーカリストであるChino Moreno、元ISISのJeff Caxide(B)、Aaron Harris(Dr)、Bryant Clifford Meyer(G/Key)によるバンド、Palmsの1stアルバム。ISISの最終作『Wavering Radiant』のヴォーカルがチノに置き換わったと表現すれば一番わかりやすい。平均7分を超える6つの楽曲は、揺れ動く豊饒なサウンドの上でチノの艶やかなヴォーカルが生命力を与えている。でも、やっぱりISIS(the Band)のファンである自分からすると、思った以上にISISだ。Deftonesファンの方が本作を新鮮に受け止められると思う。ちなみにバンドとしての活動は終わってないが、現在はまるで動いてない。

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Pelican / Australasia (2003)

 2001年からシカゴを中心に活動するヘヴィ・インスト四重奏の1stフルアルバム。ハードコアやスラッジメタルの素養が根底にあり、形式としてポストロックへの落とし込みがみられるが、ポストロックと呼ぶにはいささかヘヴィ。それが彼等の大きな持ち味である。粗削りのヘヴィネスに加え、長い時間をかけてゆっくりと紡がれるストーリーが肝。#1「Nightendday」や#6「Australasia」で聴かせる壮大なサウンド、クライマックスの美しさに恍惚とする。逆に#2「Drought」の重音でスリリングに畳みかける様は現在の彼等の音楽性に通じており、出発点となる本作はあらゆる可能性を示していた。

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Pelican / The Fire In Our Throats Will Beckon The Thaw (2005)

 2ndアルバム。全7曲で描かれるのは生まれ育ったシカゴの四季であり、移り変わる四季においての広大な風景。自然の容赦ない怒りとかけがえのない美しさ、それを轟音と叙情のダイナミックなシフトにより力強く描き出す。虹色の自然叙情詩と表現できそうな圧倒的なスケールと描写。Pelican史上最もドラマティックな楽曲といっても過言ではない#1「Last Day Of Winter」を収録。2007年頃にわたしがインストゥルメンタルを聴くようになったきっかけの作品である。ちなみに海外の音楽サイト”Ultimate-Guitar.Com”にてWeb読者の投票による「史上最も素晴らしいインストゥルメンタル・アルバム TOP25」で16位にランクインしている。

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Pelican / What We All Come to Need (2009)

 4thフルアルバム。レーベルをSUNN 0)))のグレッグ・アンダーソンによるSouthern Lordへと移籍。それが影響しているのか、2~3段階増したヘヴィネスがずっしりと五臓六腑に響き渡る。しかし、潤いのような叙情性があり、Pelicanたらしめる要素が決して薄まっていない。#2「The Creeper」、#3「Ephemeral」、#5「Strung Up From The Sky」とライヴで演奏頻度の高い曲を多数収録。また、ラストトラック#8「Final Breath」においてアレン・エプリー(Shiner / The Life and Times)をゲストVoに迎えて初の歌ものに挑戦。新境地を切り拓いた作品となった。

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Presence of Soul / All Creation Mourns (2015)

 東京を拠点に活動する2人組の2015年リリースの3rdアルバム。この頃は5人編成。7年前の前作からガラッと音楽性を変えて黒く重くなった。これまでのシューゲイザー由来の甘美幻想性に、Year Of No Lightに比肩する重音製造兵器ぶりを加算。善と悪、光と闇に焦点をあてて両極端に振れながら重く、儚く、美しい物語を紡ぐ。Yukiのヴォーカルは女神のような慈愛に満ちた歌で寄り添い、Lauraのメンバーを含むゲスト陣がストリングスで参加。曲の終盤で壮大な希望と救済を与えてくれる。全てを包み込むような#8「Circulation」は誰の人生にも救いをもたらす名曲(わたしはこの動画を100回近く見ている)。海外のオンライン音楽誌 Arctic Dronesにて「あなたが聴き逃したかもしれない2015年傑作アルバム 20」の一枚に選ばれている。

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Red Sparowes / At the Soundless Dawn (2005)

 ex- ISISのブライアント・クリフォード・メイヤー率いるバンドの1stアルバム。初期には元Neurosisのヴィジュアル担当であるジョシュ・グラハムが在籍。“種の絶望”というのをコンセプトに緻密な構成を施し、ポストロック寄りの柔らかさと叙情性が根幹にある。バックボーンにあるヘヴィは継承されていて、暗く沈みがちな雰囲気を湛えた中でも、透明感に溢れた美麗なサウンドスケープを紡ぎだす。意識を不思議と引きつけていくオーガニックな質感は、ISIS(the Band)譲りといえる。

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Red Sparowes / Fear Is Excruciating But Therein Lies the Answer (2010)

 3rdアルバム。ジョシュ・グラハムが脱退。上述した女性シンガーソングライター、エマ・ルース・ランドルがギタリストとして加入。再編成された5人組での制作。2ndアルバムから比較すると、暗く沈んだ世界からは再浮上したような彩度/明度を携えている。とはいえ万物の湿った部分にこびりついた哀しみや憂いを拾い上げながら、音に反映させていくかのようなインストという手法に変わりなし。1stアルバムよりも洗練された美しさを持ち、音のひとつひとつをとっても柔らかい質感や温かみがある。ポストロックへの歩み寄り。

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Rosetta / Wake/Lift (2007)

 宇宙や天文学を背景に哲学的でスペーシーなポストメタルを展開するRosetta。03年から活動する彼等の2作目は、ポストロックとシューゲイザーの錬金だけでは到達しえない空間演出の妙が冴えわたる。空間系のエフェクトを多用したスペーシーなサウンド・メイキング、静と動によるダイナミックな展開は1stアルバムを遥かに洗練したものだ。ヘヴィかつアトモスフェリックに紡ぐ宇宙賛歌、ポストメタルと共に行く宇宙紀行。ガリレオ衛星(1stアルバムのタイトル)を超えた先の天文を本作にて見つけたといえる。バンドを代表する名曲「Wake」収録

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Rosetta / Utopiod (2017)

 6thアルバム。タイトルは理想郷を意味する「Utopia」、依存症を生じやすく離脱症状や過剰摂取により、アメリカにおいては薬物中毒死の半数近くを占める医薬品「Opioid」。ほぼ正反対の意味を持つ2つの言葉を組み合わせた造語である。一人の人間の誕生~死まで。喜怒哀楽の感情を楽曲によって塗り分けて描き切っており、最もコンセプチュアルかつ内省的な作品となった。理知的でメロウなポストメタル系への転質。それが人の感情と共鳴し、人の人生と共鳴する。彼等のディスコグラフィーにおいて常に内在していた”空間と宇宙”は、もちろん本作でも健在。

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Russian Circles / Station (2008)

 シカゴのインスト・トリオによる2ndアルバムは、最高傑作と評す人が多い名作。ゆえに彼らの名を世界に知らしめた作品だ。音楽的にはポストメタルというよりはポストロック方面へやや傾いていて、メロディを磨き上げながら1stアルバムよりも構成を練り、壮大なドラマを描いている。マスロックの構築美を反映させながらギターリフで押すスタイルは本作でも垣間見え、3人とは思えない重量感とレイヤー構築を堪能できる。インストゥルメンタルを独自の美意識で昇華させた#5「Youngblood」はポストメタル系インスト最重要曲のひとつ

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Russian Circles / Blood Year (2019)

 7thアルバム。上記した『Station』からはメタルとミニマル要素が強まり、“ポストメタル is ストイック”なる削ぎ落としの美と重を体現する。バンドの芯の部分をSASUKEオールスターズ並にストイックかつタフに鍛え上げ、リフで押して圧しての精微重厚インストゥルメンタルに開眼。仙人化していくマイク・サリヴァンのギターと階級を上げ続けるブライアン・クックによるベース、それを束ねるデイヴ・ターンクランツの圧巻のドラミング。アンサンブルの強度が増して、リフの嵐はひたすら耳の説得を試みてくる。2020年2月末、世界が新感染症に蝕まれるギリギリのタイミングでの来日公演を体感できたこと。それをわたしは一生忘れないでしょう。

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Shy, Low / Snake Behind The Sun (2021)

 アメリカ・ヴァージニア州のインスト・ポストメタル4ピースの5枚目。リリースはPelagic Recordsより。わかりやすい静から動へのレシピに頼っておらず、メタリックに畳みかけたり、ドラマティックに聴かせたり、身悶えるような轟音を掻き鳴らしたり。明確なコントラストとダイナミックなレンジを利用しながら、パワフルな説得力を持ったインストゥルメンタルを響かせている。本作を全曲演奏したライヴがYouTubeで公開され、Bandcampで音源化もされているが、トリプルギターとなった5人編成でさらに迫力増。

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STORM OF VOID / War Inside You (2017)

 ex-envyのDairoku(Dr)、ex.-bluebeard~NAHT~TURTLE ISLANDのGeorge Bodman(Gt)によるデュオの1stフルアルバム。ストイック&ヘヴィの極地ともいうべきサウンドを轟かせる。かの J.RobbinsやナパームデスのMark “Barney” Greenwayをゲストヴォーカルとして迎える曲があれど、基本はインスト。8弦ギターによるリフの波状攻撃をシャープなドラムが牽引する。楽曲自体はかなり展開していくものが多いが、リフとドラムの殴打にサンドバック状態で耐え続けることを要す。ドラマティックなフレーズを盛り込んでるところに意外と驚きもあるのだけど、全体的にはストイックすぎるほどで、体脂肪率3%ぐらいに無駄なく引き締まっている。それぐらいじゃないとこのシャープさとキレ味は出せない。

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Suffocate For Fuck Sake / Fyra (2021)

 2004年にスウェーデン・ストックホルムで結成された7人組の4年ぶり4thアルバム。全12曲で約1時間21分という収録時間が物語る通りに大作で、母国語で「4」を表すタイトルが示すとおり4つの章から構成されている。スタイル的にはポストロック+ハードコア+スクリーモという印象。壮大な展開を持つ曲は多いが、ハードコアの瞬発力を生かして熱量と感情をぶちまけることもしばしば。しかし、エレクトロニックなアプローチや女性ヴォーカルなどを通して華美に彩られてもいる。その中でも”痛みの代弁者”の如きスクリームがひたすらにヒリヒリと心身に焼き付く。人生のままならなさを映す絶望の深み、それでも生を諦めぬ再生の物語

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SUMAC / What One Becomes (2016)

 アーロン・ターナー(ex-ISIS)、ブライアン・クック(Russian Circles)、ニック・ヤキシンという支配者級/クエストクラスの3名によるゴリゴリスラッジ・バンドの2作目。重圧的スラッジメタル風リフの反復を主に、殺伐としたダークサイドに入り浸りさせるように肉体的&精神的に追い込んでくる。その中にエフェクトを駆使した幅のあるノイズ爆撃、インプロ的な怒涛のラッシュ、音数を絞った呪術・密教的な展開などのテイストを盛り込む。鬼神、風神、雷神による鉄壁のアンサンブルの妙。メロディなんて贅沢がないのが、SUMACのストイックさの象徴である

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Tacoma Narrows Bridge Disaster / The World Inside (2021)

 UKの4人組による4作目。バンド名は、アメリカ・ワシントン州にあるタコマナローズ橋が1940年11月にわずか4カ月で落橋した事件からきている。音楽的には、ポストロック/ポストメタルの要素を多分に有したプログレッシヴ・メタルといった印象。Explosions In The Skyの叙情性からISIS(the Band)の幽玄/構築美を持ち寄り、Russian Circlesの剛健と緻密さが合わさる。さらにはTOOLであったり、70’sプログレ~クラウトロックからの手引きもある。自分自身の内的な視点をテーマにした思慮深さを持ち合わせており、Thinking Man’s Metalの精神で聴きたい作品のひとつ。

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Telepathy / 12 Areas (2014)

 2011年結成のUKのインスト・メタル系バンドの1stフルアルバム。マスタリングをJames Plotkin、アートワークをAlex CFと外堀は超人たちで埋まる。スラッジ/ポストメタルの要素は基盤になっているが、プログレッシヴ/マス・メタルを衝突させたような感じで、Russian Circlesが近しい音楽性。興奮を煽るスリリングな展開の連続、加えて重量感バッチリの音塊を見舞う辺りはなかなかに新鮮だ。”2014年のインストゥルメンタル・ランドスケープにおいてユニークな獣である“とHeavy Blog is Heavyは評している。現在も精力的に活動しており、2020年には最新作『Burn Embrace』をリリースした。

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Tesa / C O N T R O L (2020)

 バルト三国のひとつ、ラトビアのインスト・トリオによる5作目。強靭なリズムセクションと重厚なギターリフによる旅路。反復による増幅、Tesaの音楽スタイルはそれだが過去作に比べると展開とギミックが増えている。薄いヴェールのような電子音が被さってはくるし、ノイジーなアレンジも加算。とはいえ、リフの反復によってどこまでもどこまでも突き進むことで、快感と想像力を高めていく特徴は本作においても健在である。#4「control 4」はCult of Lunaと比肩するポストメタルの質量だ。

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threestepstotheocean / Del Fuoco (2020)

 イタリア・ミラノのインスト・ポストメタル・バンドの5作目。”心象風景を巡る旅”をテーマとしていて、砂漠や遺跡などを舞台にした神秘性やトライバルな感触を強めている。スラッジメタル/ポストメタルの重厚さは肝であるが、ややチープなシンセの音だったり、民族音楽のサンプリングだったりをアクセントに奥行きのあるサウンドを展開。音に重さはあるのだが、多くは語らず。聴き手にイメージする余白を与えながら楽曲を次々と上映していくことで、不思議と彼等の音世界に浸ることができる。2017年12月には初来日公演を実施(わたしも足を運んだ)。

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Toundra / Ⅲ (2012)

 Toundraはスペイン・マドリードのポストメタル系インスト・バンド。2007年から精力的に活動を続けており、2022年には新作の発表を予定している。本作はタイトル通りに3rdアルバム。ポストロック~ポストメタルの中間をいくようなサウンドという印象はあれど、畳みかけるようなドラムの加速と轟音ギターの旋回に惹かれる人は多いだろう。定型をいい意味で崩しており、速遅と静動をうまくコントロールしている。最後を飾る「Espírita」はRPGの戦闘シーンで使われそうな雰囲気。

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Vanessa Van Basten / Psygnosis (2009)

  イタリアのポストロック/ポストメタル・デュオの2nd EP。13分と9分の2曲のみ収録で22分。Pelicanの2nd『The Fire~』とExplosions In The Skyの『All of a Sudden~』の混成ともいうべきクオリティを感じる。凄まじい爆発力を備えた轟音、美しく柔らかいニュアンスのある叙情。鮮やかに移ろいゆく風景をその2つ艶やかに駆使して描く幽玄めいたサウンドスケープに心を瞬く間に持っていかれた。低音域の充実とグルーヴの強靭さ、さらに冷たくもメロディアスな品位を湛えている。

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We Lost The Sea / Departure Songs (2015)

 オーストラリアはシドニーのインスト・バンドの3作目。本記事の内容からすると彼等もポストロック寄りではあるが、Bandcampのpost metalタグ条例により掲載している。静から動へ。先人が生み出したポストロック王道方式を用いて、喪失から再生への物語を気高く美しく描く。アルバムを通底するもの悲しいトーンに心を締め付けられるも、放たれる轟音はすべてを包み込む。Cult of Lunaの影響下にあることを伺わせる「Challenger Part 1~Part2」の30分を超える激動。それはWe Lost The Seaが本リストに載るに値することを証明している。

Year of No Light / Ausserwelt (2010)

 フランスのポストメタル六重奏の2ndアルバム。彼等も20年の歴史を誇るバンド。特に大きな変化があったのが本作で、ヴォーカルが脱退したことで、完全インストへと移行しての初作となる。1stアルバムで強烈な存在感があった咆哮が消え去り、NadjaやMONOを想起させる壮絶なまでの美しさと重量感を伴った轟音の調べが鳴り響く。全4曲46分と1曲は長尺なつくりであるが、アンビエントの愉悦を覚え、増したシューゲイザーの恍惚感。それでも、全編から伝わってくる身を切るような凍てつく寒さと閉塞感がまた本作のキーとなっている。

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Year of No Light / Consolamentum (2021)

 8年ぶりに発表となった4thアルバム。タイトルの『Consolamentum』は”慰め”という意で、 “12世紀から14世紀に南ヨーロッパで栄えたカサリック教会の開始儀式である聖餐式を表している”そう。スラッジメタルやドゥームの要素を含んではいるが、ポストロック/シューゲイズを耐荷重オーバーに落とし込んだスタイルはそのまま。ツインドラムによる自在の速遅操縦と驚異の推進力、トリプルギターによるドゥームからシューゲイズのエレメントの多層化は、他にはない味となって聴き手を禁断症状に陥れる。8年の歳月をかけてきた重音の叙事詩は、バンドの存在感を一層高めるはずだ

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まとめ

 上記作品から弊ブログが入門編としてオススメするのは以下の5作品です。

  • ISIS(the Band) / Panooticon
  • Jesu / Silver
  • Pelican / Australasia
  • Russian Circles / Station
  • Rosetta / Utopioid

 取っつきやすさを重視してはいますが、ジャンル特有の高尚感みたいなのは拭えず。おそらく、この中で一番聴きやすいのはJesuです。4曲28分で曲自体は長いですが、一番ポップであるので。

 インストの方が良いという方にはPelicanとRussian Circlesを推します。Rosettaの上記作はコンセプチュアルでありながらメロウな質感。ISIS(the Band)『Panopticon』は基礎といえる作品です。

 以上となります。長々とお付き合いありがとうございました。本記事は定期的にアップデートしていくつもりです。枚数は増えていくので何度でも見ていただくと嬉しい。最後にSpotifyで作成したプレイリストを残しておきます。

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POST-METAL TRACKS grumblemonster · Playlist · 10 songs · 5 likes
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