August Burns Red ‐‐Review‐‐

アメリカのメタルコア5人組。”8月は赤く燃ゆる”というバンド名も印象に残るが、破壊力満点のソリッドなサウンドには血が騒ぐ。2009年に発表された『Constellations』では、ビルボード24位にチャートインするという快挙も成し遂げ、メタルコアの未来を担う存在へと成長している。

レビュー作品

> Leveler > Constellations


Leveler

Leveler(2011)

   今度は”これがビルボード11位の実力だ!”と書かれてもおかしくないほどの人気を獲得したAugust Burns Redの2年ぶりの4作目。スパニッシュ・ギターによるフラメンコ的フレーズの導入、クリーントーンの増量などでの静・動のメリハリをよりはっきりさせるなどの攻撃の多様化を実現しつつも、メタルコアの破壊力はそのまま。瞬間瞬間の切れ味の鋭さや瞬発力、そして全てを薙ぎ倒すようなブルータリティをきっちりと楽曲で実現している。

 やや疾走感は失った感はあるけども、変則的なテクニカル・パートが入ることで緊張感ある展開がくり広げられたり、叙情的なツインギターがこれまで以上にお互いを引き立たせていたりとバンドとしての個性を重んじながらも進化を確実に感じさせる内容なのだ。その中で血を吐くかのような咆哮の連続も貫いているし、一体となれるシンガロンガや細かなブレイクダウン等ももちろん挟んでいる。やはりメタルコアらしい力強さを感じさせてくれるのが何より好印象。獰猛にしてメロディアス、それをドラマティックに盛り上げていく様は十分すぎるほどかっこいい。ABRらしい#1で猛進して、#2では前述のようにフラメンコ調のソロを織り交ぜて新境地を見せ、#4と#5ではブルータリティと叙情が鬩ぎ合い、クールな静寂パートからエモーショナルなクライマックスを迎える#6までの流れに個人的にはかなり惹かれている。本作も問答無用の攻撃性能を誇る強力な一枚といっていいだろう。

 デラックス・エディションはボートラが4曲収録されていて、非常にスケール感のあるインストで才能の片鱗を見せたり、#2のアコースティック・バージョンで情熱的に聴かせたりとこちらもチェック必須。


Constellations

Constellations(2009)

   アメリカのメタルコアバンドの3rdアルバム。”これがビルボード24位の実力だ!”という国内盤帯の叩き文句が商品を手に取るとまず目に付くのだが、肝心の中身もその実力に恥じないものだ。

 徹底的に鋭利さを突き詰めたようなソリッドなギターリフが乱舞し、ナイーブな叙情性を程よく盛り込み、メタルコアらしいスロウダウンを挟みながら楽曲を組み立てている。このジャンルらしいスタイルをきっちり保つ一方で、メロデス寄りのリフの煽情性、クリーンヴォイスに頼らず血を吐くかのような絶叫で勝負するヴォーカル、タイトに引き締まったリズムとどれもが一段上を行くかのような破壊力を有す。このように非常にタイトでアグレッシヴであるのだが、メロディアスな感性もバランスよく林立させており、しなやかな感性も合間合間に垣間見れる。その上、練られた緩急の妙も巧みで、剛直な中でのスピーディーかつスリリングな展開を支え、楽曲の性能を向上させている。楽曲の方に耳を傾けても先行シングルとなった#11を始めとして、序盤から馬力を上げて全身を鼓舞する#1、#2の流れも最強だし、BTBAMのヴォーカルをゲストに迎えた#7も強力すぎ。多彩なリフワークが流麗な曲の展開へと繋げる事で興奮を高め、アドレナリン全開で畳み掛ける時の骨身を削るような攻撃力も凄い。さらには、#5や#6のようにポストロック調のインストパートやピアノを取り入れたりして繊細な叙情性が構成に幅を利かせているのも他のメタルコアバンドにはない魅力だろう。

 確かにAS I LAY DYINGやUNEARTHを髣髴とさせることもあるのだが、無骨な中に透明感のあるメロディを波紋のように広がらせていく姿勢はMisery Signalsを思い出したりもした。非常に攻撃的な作品であり、問答無用の一枚。最近のメタルコアでは個人的に一番ヒットした存在である。

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