Amusement Parks On Fire ‐‐Review‐‐

UK出身、若き天才マイケル・フィーリックが率いるシューゲイザー・シーンの旗手として期待されている5人組。セルフタイトルの1stアルバムで10代の若者が作った奇跡的作品と評され、名を広めると続く06年発表の2ndアルバムでもシガー・ロスのプール・スタジオでレコーディングされたという評判も手伝って、一躍シーンを担う存在として注目された。2010年に入り、練りに練った新作『Road Eyes』がようやく発売された。また、サマーソニックへも出演を果たしている。


Road Eyes

Road Eyes(2010)

   若き天才マイケル・フィーリックが率いるUKのネオ・シューゲイザーバンドの4年ぶりとなる3rdアルバム。前作ではシューゲイザーをより意識的に取り込み、またシガー・ロスのスタジオでレコーディングされたこともあって幽玄で広がりを持った作品に仕上がっていたように思う。

 それを踏まえた本作はさらに力強く艶やかなフィーリングに満ちている。美しいコーラスワークとメロディを軸にゆるやかに拡がっていく恍惚のフィールドが何とも素晴らしい#1でまず惹きつけ、一気に畳みかけ加速するラウドなアンサンブルが牽引する#2で、渦巻く轟音が熱風のように熱さを持って迫り、感情の底から興奮をもたらしていく。リリカルにエモーショナルに積み重ねる分厚い音の壁に恍惚としているのも束の間で、蒼く感傷的なフィーリングが冴えるメロディが鳴らされて心を鷲掴み。マイケルの草原から響くような切ない歌い回しはますます情感を深め、それを重厚なボトムとギター・ワークがしっかり支えている。

 元々、シューゲイザーの括りで語られるにせよ、パンクの焦燥感やグランジの退廃的雰囲気を感じさせる作風だったが、本作における麗しい煌めきと激しいダイナミズムの融合はかなり理想的なレベルのようにも思う。夢見がちなシューゲイズの中でここまで力強さと疾走感を提示し、なおかつリリカルな情感や浮遊感を突き詰めていく姿勢が凄い。また、飽くなき音の拘り・繋がりを意識して14回もミキサーを変更したことからもお分かりの通り、表層を覆う粒子の硬軟にまで細心の気遣いが成されている。

 前述の#2は間違いなく本作における重要曲だと思うし、押し寄せるフィードバックの裏で歌メロがグッと効く#6、ストリングスが絶妙に轟音の中に溶けていく#9もインパクトあり。切ない感情を湧きたてて昇華させていくような全体の流れもよく、期待された想いを決して裏切らない快作だと思う。力強く浮かび上がるエモーショナル、そして陶酔度の高さにのめり込む方も多いはず。

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