Moirai ‐‐Review‐‐

90年代後半から00年代初頭にかけてエモ・シーンにその名を轟かせたPenfold。その解散後に、フロントマンであるBrian Carleyを含む3人のメンバーに新たに1人を加えた新バンド。Penfold直系の泣きエモを鳴らしていたが、1枚のEPだけを残して短期間の活動で解散した。


Bury Yourself

Bury Yourself(2006)

 90’sエモ・シーンに大きな爪痕を残したPenfoldが解散後に、フロントマンであるBrian Carleyを含む3人のメンバーが中心になって結成されたバンドの1st EP。一応、公式ではEP扱いだそうだけど、8曲入りで約40分の収録だからフルアルバムといっても差し支えないかもしれない。

 内容はというと、当然のように前身バンドの旨味が凝縮しており、期待通りといえる作品である。繊細なヴォーカリゼーションと儚いアルペジオの応酬があり、Penfold節は健在。Pele風の小気味よいギターの組みたてと増した歌の求心力に引き込まれる#2「Water is the New Fire」、じわりじわりと胸を締め付け、後半にかけては声を枯らしながらの叫びがインパクトを残す#5「Dear Allison, I Am Not a Cynic」等を聴いているとかつての感触を思い出す人も多いだろう。なおかつ、時代を睨んでエレクトロニカへも踏み込んでおり、薄く拡がっていくシンセが新しい彩色を与えている。なかでも、静謐な鍵盤の音色も配したドラマティックなエモ・サウンドを堪能できる#3「Terrible Secret」、そして#6「Bury Yourself」はPenfoldからMoiraiへの進化を如実に表す名曲。こんなにも涙腺が緩むエモーショナルな楽曲を生み出せるのは、やっぱり彼等だからだろうなあと改めて感じさせる重要なEP作品である。

 なお、Moiraiは本作を残して2年という短期間の活動を終えている。

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